スピードスケート金メダリストがラリー参戦14戦目、実力も向上
全日本ラリー選手権の第4戦が京丹後市周辺で開催されました。全8戦が予定されている全日本ラリー選手権の2024シーズンは、早くも前半戦を終了したことになります。この京丹後での1戦に、2023年に全日本ラリー・デビューを果たした元スピードスケート選手の金メダリスト、清水宏保選手が再び挑戦しました。ラリーストとしてもどんどん成長しているようです。
元フィギュアや元スピードスケート選手がラリーに挑戦! アスリート系選手のチーム「マッスルラリー」の気になる結果は?
順調にラリードライバーとしてのキャリアを積み上げる
全日本ラリー選手権第4戦「YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg」が、2024年5月10日(金)~12日(日)の3日間にわたって京都府京丹後市周辺で開催された。ここ京丹後で全日本ラリーに2年連続で参戦するのは、「MUSCLE RALLY(マッスルラリー)」の清水宏保選手だ。今回も美野友紀選手をコ・ドライバーに迎えて「No.59 エムリットヤリス(JN-5クラス)」で、2度目の丹後ラリーとなった。
清水選手は、ご存じの通り長野オリンピックで金メダルを獲得している元スピードスケート選手である。2010年にスケート選手として引退した後は、ネッツカップなどのワンメイクレースに出場するなどモータースポーツの経験はあるものの、ラリーについては2021年のToyota Gazoo Racingラリーチャレンジ(以下:ラリチャレ)渋川伊香保戦に参戦したのがラリー競技デビューとなる。翌2022年はラリチャレの5戦に参戦をし、2023年6月には「ラリー丹後」で全日本ラリー選手権にデビュー、そしてWRCラリージャパン2023にも出場し、順調にラリードライバーとしてのキャリアを積み上げてきている。
この清水選手が参戦するチーム「MUSCLE RALLY」は、ほかにも元フィギュアスケート選手である小塚崇彦選手が、このチームからラリチャレに参戦しており、さらに2024年4月には元スケート・ショートトラック選手の寺尾 悟選手も同チームからラリー競技およびラリチャレ・デビュー。アスリート系の選手を擁しているチームとしてラリー業界で存在感を高めている。
今回の丹後戦は直前でリエゾン区間の使用の同意が得られず、丹後縦貫林道の成相線のステージの使用を断念。さらに1日目の角突山線を行って返るSS2 Tsunotsuki、SS3 Tsunotsuki Reverseという設定がされていたが、SS3で山火事が発生。ラリー2日目に角突山線では現場検証が行われたため、SS2とSS3で使われたステージをそのまま利用するSS6およびSS7がキャンセルとなってしまった。結果2日目は、SS1およびSS4で使用した「Oouchi Reverse(4.56km)」の大内線を逆に使用するSS5およびSS8の「Oouchi(4.84km)」の2本での競技となった。
SSではタイムアップしクラス13位に
このラリー丹後を制したのは、JN-1クラスは新井大輝/松尾俊亮組(シュコダ「ファビアR5」)で、今季2勝目を飾ることとなった。2位に勝田範彦/木村裕介組、そして3位に奴田原文雄/東 駿吾組と、2台のトヨタ「GRヤリス ラリー2」が表彰台に上がることとなった。
このラリーで清水選手の乗る「No.59 エムリットヤリス(JN-5クラス)」はクラッシュもなく、同じコースを2本走行したSSではタイムアップも果たし、トータルタイム32分58秒6でクラス13位(総合60位)でフィニッシュとなった。2日間のラリーを終えて、清水選手は次のようにコメント。
「ラリー競技スタートから実質3年目、14戦目のラリーの挑戦となりましたが、全日本ラリーデビューからの1年間で変化を感じられてよかったと思います。ちょっとずつですが、最初のころとは感じ方が変わってきています。今日もレッキノートの精度が低いなと自分の中でも感じていて、それがもう少し変えられたら、アクセルやブレーキのポイントも変わってくると思いますし、それでタイム向上につなげられれば、と思います。次はモントレーに参戦しますが、走り方を見つけて、もう少し自分でノートも含め変えていきたいと思います」
昨シーズン、ラリー丹後とハイランドで清水選手とペアを組んだ三野選手からは、今後の成長に期待するコメントをもらうことができた。
「本人はまだまだノートの精度を上げなければと思っているようですが、1年前の丹後のノートと見比べてみたら、良くなっているところがいろいろとありました。ひとつのコーナーとだけ捉えていたところが、入り口が緩くて奥がきついとか、オープンで出られるといった具合で、精度は徐々に上がっています。あとは、本人も感じていると思いますけど、アクセルを踏めるところがノートの情報が足りなくて踏めないというところもあって、まだまだ伸びしろはあると思います。ノート以外でも、走り方では以前はフロントで引っ張ってぐいって曲げていく感じだったのが、しっかり荷重を載せて曲がっているというように変わってきているので、これからも楽しみです」
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