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トヨタ、WRC初開催のラトビアにフルエントリー。得意の高速グラベルで選手権リードを奪えるか

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トヨタ、WRC初開催のラトビアにフルエントリー。得意の高速グラベルで選手権リードを奪えるか

 7月18日(木)から21日(日)にかけて、ヨーロッパのラトビアで開催される2024年WRC世界ラリー選手権の第8戦『ラリー・ラトビア』に、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは4台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走する。

 今回は、マニュファクチャラー登録としてカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)の3組がエントリーし、4台目からは勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が出走する。

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■WRC初開催ラトビアはタフな展開が予想

 以前からラリーの人気が高かったラトビアは、これまで多くの大会を開催してきた。そのなかでも、バルト海に面する西部の港湾都市リエパーヤを舞台とする『ラリー・リエパーヤ』は、ERCヨーロッパ・ラリー選手権の一戦として歴史を重ねてきており、今年はついにWRCイベントとしての初開催を迎える。

 ラリー・ラトビアの路面はグラベル(未舗装路)で、全体的にかなりハイスピードなステージや区間が多いため、前戦ラリー・ポーランドと本大会、さらに次戦ラリー・フィンランドへ続く高速グラベルラリー3連戦の一戦に位置付けられている。

 高速コーナーが連続するステージのグラベル路面は比較的硬質のようだが、次戦フィンランドに比べると軟らかい砂地のセクションもあり、そのような場所では深い轍が刻まれやすいことも要点となりそうだ。

 また今回がWRC初開催ということもあり、TGR-WRTではエバンスとオジエが初出場となる。一方、2015年のラリー・リエパーヤにTGR WRCチャレンジプログラムの一員として出場した勝田や、ラトビアでキャリアの初期を過ごしたロバンペラはその経験が活かされるだろう。

 今大会は18日(木)の早朝に、サービスパークの置かれるリエパーヤ近郊でシェイクダウンを実施し、その後選手たちはリエパーヤから約200km離れた首都『リガ』へと移動。市中心部でセレモニアルスタートを行い、夜8時過ぎには近郊のサーキット施設で行われるスーパーSSで4日間にわたる戦いの幕が開ける。

 19日(金)のデイ2からは本格的な“フルデイ”が始まり、リガの北西方面で7本のステージを走行。その合計距離は120.92kmと4日間で最長の一日となるだけでなく、日中にミッドデイサービスが設定されず、簡易的な整備作業のみ可能な『タイヤフィッティングゾーン』しか設定されないため、耐久的な要素も強い一日だ。

 20日(土)のデイ3は、リエパーヤから東側のエリアが舞台となり、ミッドデイサービスも設定される。ただ、8本のうち6本は一度しか走行しないステージとなるため、暫定ポイントのかかる土曜日もタフな戦いが予想される。

 最終日となる21日(日)のデイ4は、リエパーヤの東側エリアで、サービスやタイヤフィッティングゾーンを挟むことなく2本のステージを各2回走行。そのうち、最終SS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる『パワーステージ』に指定されている。

 全20本のステージの合計距離は300.00km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1348.83kmだ。

■TGR-WRT代表は「かなり珍しい」構成のラリーと分析

 WRC初開催となる今大会で、シーズン5勝目を狙うTGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「最大のチャレンジは、多くのステージを一度しか走らないこと」とポイントを語っている。

「ラトビアでWRCが開催されるのは初めてだが、高速かつ流れるようなコーナーが続き、路面には砂が多いなどラリー・ポーランドと似たような特長を持つことが予想されている。しかし、おそらく道幅はさらに広く、よりハイスピードなラリーになるだろう」

「そのなかでも最大のチャレンジは、多くのステージを一度しか走らないということで、最近ではかなり珍しいことだ」

「つまり、選手たちは多くの新しいペースノートを作成するという、大変な仕事をこなさなくてはならず、新しいイベントで新しい道を走るのは、いつだって大きな挑戦となる」

 そんなラリー・ラトビアへ向けて、ラトバラ代表は次のようにクルーへの期待を口にしている。

「ポーランドでのカッレ(・ロバンペラ)の勝利は素晴らしかったし、エルフィン(・エバンス)のドライビングも安定していた。我々はポーランドでいいパフォーマンスを発揮できていたので、その流れが続くことを期待している」

「また、(勝田)貴元がフィーリングの改善をラトビアで感じてくれたら嬉しいし、セブ(セバスチャン・オジエ)がふたたび我々と一緒に戦ってくれたなら、それは素晴らしいことだね

「今年は選手権争いがかなり接戦なので、相手に差をつけることは大変なことだ。そのため、この新たなチャレンジに強力なフルメンバーで臨み、戦い続けることが何よりも重要となるのだ」

 WRCイベントとしては初の開催となる今大会。シーズンもすでに後半戦に差し掛かっており、少しのポイントも落とせない戦況に入りつつあるなか、選手権を10ポイントリードするヒョンデ・シェル・モービスWRTに対し、TGR-WRTはその差を逆転することはできるだろうか。第8戦『ラリー・ラトビア』は、7月18日(木)から21日(日)にかけて開催される予定だ。

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