コロナはトヨタだけじゃない…日産にもあった
コロナウイルスが日々ニュースになっているが、クルマ界でコロナと言えばトヨタの「コロナ」である。だが、じつはそれ以前に、同じ「コロナ」という名前のバスが日産に存在していた。
「日産コロナ」は1953年1月に発表された。当時、次々と商品化が進んでいたフレームレスのリヤエンジンバスのジャンルに日産がオリジナル商品を投入。全長8415mm(ガソリン車)×全幅2400mm×全高2900mmのサイズは中型クラスに位置していた。エンジンは日産のNB型3.7L直列6気筒ガソリンエンジン(95馬力:車両型式BU90型)と新三菱製のKE-5型5.3L直列4気筒ディーゼルエンジン(85馬力:車両型式MBU90型)を搭載。
モノコック構造の採用によって、軽量・高剛性なボディを実現。リヤエンジン方式はボンネット型に比べて(一定の全長では)床面積が広く取れるため、乗車定員の増大にメリットがあった。また、乗車人数による重量分布の変化が少なく、乗り心地のよさにも貢献。室内が静粛で、燃料の臭気が室内にこもらない点や、ボンネットがないため、運転視界も良好…と利点が多かった。
日産と新日国工業(現・日産車体)が提携して開発したもので、ボディは新日国製。1953年の発表からわずか2年でガソリン車が生産終了し、55年半ばにはディーゼル車の生産も打ち切られた。この裏には日産が、おもに大型車を生産していた民生デイゼル工業(後の日産ディーゼル、現・UDトラックス)に53年12月に資本参加し、次いで55年6月に両社折半出資で日産民生ジーゼル販売を設立。両社が協力関係を深めるなか、フレームレスのリヤエンジン車は民生に任せるといった方針もあったと思われる。
コロナとは金環日食の際に現れる真珠色の光のことで、「光環」「光冠」を指す。ちなみに、コロナウイルスはウイルス表面の突起が太陽のコロナのように見えるところから名付けられている。車名の命名の理由は70年近く経った今となっては不明だが、日産の大・中型車のブランド名として冠していた「ニッサン」の「太陽」と関係が深い言葉として命名したと思われる。快適なロマンスシート(前向き二人掛けの座席)と明るい視界を持ったモノコック構造+リヤエンジンの新時代のバスとして愛称を設定。明るい日差しが降り注ぐ、開放感のある広い室内のイメージとも無関係ではないだろう。バスに愛称を付ける習慣は、1949年12月に登場した民生のフレームレス・リヤエンジンバスの「コンドル」に端を発している。
なお、日産コロナの生産終了から約2年後、トヨタが小型乗用車に「トヨペット・コロナ」を名乗ることになった。特許庁への申請記録から判断すると、日産はコロナの車名を商標として登録していなかったようだ。当時の特許庁への申請の記録を見ると、自動車関係でコロナが出願(トヨタではない)されたのは1954年10月のことだ。
日産のバスとして、わずかの期間だが、輝きを放ったのがコロナであった。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
全長4.1m級の日産「超“コンパクト”GT-R」!? 600馬力の「V6ツインターボ」搭載! 5000万円超えで「市販化」しちゃったヤバすぎモデルとは
600馬力! プーチン大統領の「すごい高級車」登場! 約7トンの「巨大ボディ」に驚きの声も! 金正恩氏に贈られた“超高級車”「アウルス セナート」に反響!
バス会社「待合室が落ち込んだので閉鎖中です」衝撃投稿に反響多数!? 「えらいこっちゃ」「北海道は異世界」バス停の無惨な風景が話題に
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車展示!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルに反響あり!
【ファイヤー!!!】復活は100%ありえないだろう・・・5億円超のケーニグセグ ジェスコが全焼&全損!無残な姿に・・・
約160万円! ホンダ「最小&最安コンパクトカー」が人気スギ!? 全長4m以下でMTありの「爆売れ国民車」記録更新! 精悍顔の「ブリオ」インドネシアで好調
【今日発売】BYDシールに国内最速試乗 AWDで537ps・航続およそ600kmにして実質537万円の戦略価格
フェラーリ初のSUV「プロサングエ」買うなら年収はいくら必要? 価格未公表の「超人気モデル」を手に入れるために“お金よりも必要なもの”とは?
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
みんなのコメント
こういう縦型ライトでした。
バス部門は民生デイゼル→今のUDへ移管して、そこへプリンス自動車が合併してと日産史は複雑なのですが、そのどちらもが縦型ライトの車を作ってたことが興味深いですね。