■「セリカ GT-FOUR」が蘇った!? GRカローラのパワートレインを全移植した最強の「GR86」誕生!
2024年11月5日よりアメリカ合衆国・ネバダ州ラスベガスで開幕した「SEMAショー2024」にて、トヨタは往年の名車「セリカ GT-FOUR」が蘇ったようなモデルをお披露目しました。
いったいどのような特徴があるクルマなのでしょうか。
【画像】カッコいい! これが新「現代版セリカ」です!(88枚)
SEMAショーはSEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が1967年より年に一回開催している、アフターマーケットの見本市です。
クルマのカスタムやエンジンのチューニングだけでなく、タイヤやホイール、塗装、リペア用品、カーケア用品、カーラッピング、電装品、工具、整備用品など、さまざまな会社・ブランドが出展します。
また、カスタムの傾向も開催当初はアメリカらしくホットロッドやオフロード、ピックアップトラックが中心でしたが、ここ十数年は日本車人気の煽りを受け、スポコンやドリフト系に関連する展示も目立っており、その市場規模は全体で476億ドルに達します。
自動車メーカーによる展示も醍醐味のひとつです。
よく比較される日本の東京オートサロンでは見ることのできないようなド派手なカスタムやチューニングは、そのメーカーがどれほどその業界へコミットしているかを表しています。
単なる車体のカスタムにとどまらず、エンジン換装といった大掛かりな「ビルド」などは、著名チューナーとのコラボレーションやメーカーのチューニング部門で実現され、来場者の話のタネとなります。
日本メーカーの出展内容も以前より充実しており、ここ近年のビッグ3(フォード、シボレー、クライスラー)による展示の縮小とは対照的な印象です。
トヨタもエキゾチックなビルドを毎年出展することで有名です。
例年通りトヨタは複数のカスタムカーを今年も展示しましたが、中でも「GR86ラリー・レガシー・コンセプト」はSEMAショー開幕前からネット上で大きな話題を呼びました。
2024年のSEMAショーに向けて制作されたこのGR86は、トヨタがかつてWRCに投入した「ST185」や「ST205」といったトヨタ「セリカ GT-FOUR」からインスパイアを受けています。
車体こそは2024年型GR86(パフォーマンス・パッケージ付き)ですが、ボンネットの下には北米市場で熱い支持を受ける「GRカローラ」から譲り受けたG16E-GTS型1.6リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載します。
これに加え、駆動系統も同じGRカローラの四輪駆動システム「GR-FOUR」を移植したことで、過酷なラリーの現場でも戦える四輪駆動のGR86が誕生しました。
G16E-GTSに換装するにあたり、サブフレームの加工から専用エンジンマウントといった多くの改造が施されました。
また、駆動系統を完璧に移植するためにも足回りはGRカローラのハブやアクスルを採用、完璧なハンドリングを求めてステアリングラックまで手が加えられました。
さらに電子制御でエラーを起こさないよう、GRカローラ純正のディファレンシャルがリアに丸ごと移植されたとのこと。
より良いパフォーマンスを求め、エンジン周りはインタークーラーとオイルクーラーのアップグレードが施されています。
出力とトルクはGRカローラの純正値である300 hp/370 Nmのままですが、トヨタによれば、「この数値は今後のチューニングで向上させていきたい」と言います。
外装は純正色である「クリスタルホワイトパール(北米名:Halo White)」をベースに、かつてWRCに参戦したトヨタのワークスチームが採用した「カストロール・カラー」から着想を得たデザインをまといます。
それだけでなく、セリカ GT-FOURのような大型のリアスポイラーや赤色のマッドフラップ、フロントバンパー上部の4連ライトポッド。
さらには6本スポークのスピードラインを装着したことで、今日では見ない、往年のラリーマシンの雰囲気を醸し出しています。
実際のブースでは、アメリカの放送会社「NBC」のNASCAR番組における司会としても有名なラットレッジ・ウッド氏がブースの案内ツアーをおこないました。
GR86ラリー・レガシー・コンセプトはあくまでコンセプトカーですが、ウッド氏は「これが本当に実現したら欲しい!」と力強く紹介、ブース来場者からも同意の拍手が湧き上がりました。
これ以外にも、トヨタの著名デザインスタジオ「CALTY」が担当したランドクルーザー250のバンカットカスタム。
ラットレッジ・ウッド氏がプロデュースした1JZ換装・ドリフト仕様の1994年型ハイラックスなど、他では見られないようなカスタムビルドがSEMAショーのトヨタブースを彩ります。
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