現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > セダンにしか見えないけれど、実はハッチバック!シュコダの誇るフラッグシップ「スペルブ」をご紹介

ここから本文です

セダンにしか見えないけれど、実はハッチバック!シュコダの誇るフラッグシップ「スペルブ」をご紹介

掲載 更新
セダンにしか見えないけれど、実はハッチバック!シュコダの誇るフラッグシップ「スペルブ」をご紹介

秋はいったいどこへ?というくらい、一気に冬になってしまったドイツの首都ベルリン。11月半ばにして、日中の最高気温は2~3度、最低気温も氷点下、という凍えるような寒さになっています。寒さに身をすくめて通りを歩いていると、1台のスポーティなデザインの4ドアセダンが目に飛び込んできました。しかしよく観察してみると、このクルマ、5ドアハッチバックなのです。

今回は、どう見ても4ドアセダンにしか見えない特徴的なエクステリアを持つクルマ、シュコダ・スペルブ(Škoda Superb)をご紹介します。

女性は運転が苦手だから・・・ではない!ドイツに女性専用駐車場が設置されている理由とは?

フォルクスワーゲングループの一員

シュコダ・オートは、日本では馴染みが薄いものの、チェコ国内自動車生産のシェア1位を誇る自動車メーカーです。もともとは自転車メーカーの「ラウリン&クレメント」として1985年に創業、1899年には早くもオートバイの生産を開始します。第一次世界大戦の特需で大きく成長するも、1924年の大規模工場火災により経営困難に陥ってしまい、鉄道車両や兵器などを生産していたシュコダ工業株式会社が買収。その後「シュコダ」ブランドの自動車生産を開始します。

第二次世界大戦後、チェコスロバキア共和国内の重工業企業の国有化政策により、シュコダも1948年に国有化されます。シュコダは高級車部門のタトラ社と、大衆車部門のAZNP社に分離させられました。社会主義体制下で1960年代までは新型車を発表し続けるも、他の共産圏諸国の経済失速により開発力が低下。1970年代以降はほとんど新型車両が発表されないまま、1980年代を通して同型車を製造し続けることになってしまいます。

転機となったのは1991年。民営化の際にドイツのフォルクスワーゲン・グループの一員となり、「シュコダ・オート株式会社」として再出発を果たします。フォルクスワーゲンをベースとした「ファビア」「オクタビア」も高い評価を受け、現在ドイツ国内においてシュコダは安く高品質なクルマとして認知され、人気を博しています。

ツール・ド・フランスのサポートカーとしても活躍

シュコダ・スペルブは、そんなシュコダのフラッグシップモデルとして開発されました。ベースとなっているのは、フォルクスワーゲン・パサートです。写真の個体は現行型のB8と呼ばれるモデルで、2015年から生産を開始。フォルクスワーゲンの技術をフル活用した、精度の高い内外装の仕上げと安定感のある走りで、ヨーロッパのみならずオーストラリアなどでも高い評価を獲得しています。ツール・ド・フランスのサポートカーとしても活躍しているので、レースの動画でご覧になった方もいるのではないでしょうか。

スペルブの最大の特徴は、やはり「こんな見た目で、5ドアハッチバック」ということでしょう。フォルクスワーゲン・パサートとの最大の違いも、この点にあります。中級以上のグレードでオプションまたは標準装備となっている「バーチャルペダル」は、リアバンパー下に足をかざせば、自動で大きなリアゲートがガバッと開くシステムで、両手がふさがるほど大きな荷物を持っている場合でもスムーズに荷物の積み下ろしが可能です。

もともと大きなトランクスペースを持つクルマですが、リアシートを倒すこともでき、その場合は1,760リッターもの巨大な荷室を確保することが可能です。4ドアセダンの見た目で、いざという時に5ドアハッチバック並みの荷室容量が欲しい、という方には最適な選択肢ではないでしょうか。それでもスペースが足りない!というアクティブ派のために、スペルブにはさらに大きな荷物を積むことができるステーションワゴンタイプ「スペルブ・コンビ」もラインナップされています。

スポーティなイメージを引き継ぐフラッグシップ

エンジンはフォルクスワーゲン由来のダウンサイジングターボエンジンがラインナップされ、ディーゼル、ガソリンと幅広いラインナップから選択可能です。現行最強モデルの2.0TSI 4WDは、7速DSGとの組み合わせで、全長4,861mmの大型なボディを5.5秒で停止状態から100km/hまで引っ張り上げる俊足の持ち主。同クラスのクルマの中では比較的リーズナブルな価格設定ながら、高い完成度を誇るスペルブは生産から1年2ヶ月で生産台数10万台を達成し、現在も堅調に販売台数を伸ばしています。

社会主義時代の1960年代から積極的にラリーに参加していたシュコダ。フラッグシップモデルのスペルブは、フォルクスワーゲン・パサートをベースにしながらも、より塊感のあるスポーティなエクステリアを実現していて、そのダイナミックな佇まいはかつてのレースのイメージをうまく引き継いでいるように思います。グランドツーリングカーとして高い評価を受けるスペルブ。筆者にとっては、日本でも乗ってみたいクルマの筆頭に挙げられる1台です!

[ライター・カメラ/守屋健]

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

カワサキ「Ninja ZX-10R」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Ninja ZX-10R」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
[新型CX-80]登場でやっぱわかった!! CX-8やっぱり世紀の大名車だったか…もうコスパ最強マツダSUVは出てこないのか!?!?
[新型CX-80]登場でやっぱわかった!! CX-8やっぱり世紀の大名車だったか…もうコスパ最強マツダSUVは出てこないのか!?!?
ベストカーWeb
適材適所の配置で使いやすい! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
適材適所の配置で使いやすい! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
マグヌッセン、4回のペナルティで合計35秒加算。”スポーツマンシップに反する行為”でも呼び出し「サウジアラビアと同じように、ニコを助けようとした」
マグヌッセン、4回のペナルティで合計35秒加算。”スポーツマンシップに反する行為”でも呼び出し「サウジアラビアと同じように、ニコを助けようとした」
motorsport.com 日本版
アロンソ、F1マイアミGPスプリントを“台無し”にしたハミルトンに嫌味炸裂「スペイン人じゃないからお咎めなしだろうね」
アロンソ、F1マイアミGPスプリントを“台無し”にしたハミルトンに嫌味炸裂「スペイン人じゃないからお咎めなしだろうね」
motorsport.com 日本版
インプルーブされた予選Q2での3台のブリヂストン・ニッサンZ。決勝は新直線番長のシビックとの対決構図に/第2戦GT500予選
インプルーブされた予選Q2での3台のブリヂストン・ニッサンZ。決勝は新直線番長のシビックとの対決構図に/第2戦GT500予選
AUTOSPORT web
デビュー戦のGAINER TANAX Zは波乱の一日を送るも、予選で速さの片鱗を披露
デビュー戦のGAINER TANAX Zは波乱の一日を送るも、予選で速さの片鱗を披露
AUTOSPORT web
【富士最高速チェック:GT500】ドライでは形勢逆転。ホンダ・シビックが上位5台を占める/スーパーGT第2戦
【富士最高速チェック:GT500】ドライでは形勢逆転。ホンダ・シビックが上位5台を占める/スーパーGT第2戦
AUTOSPORT web
波乱もなんのその。フェルスタッペンがスプリント完勝! リカルド4位&角田裕毅の“ごっつあん”8位でRBダブル入賞|F1マイアミGP
波乱もなんのその。フェルスタッペンがスプリント完勝! リカルド4位&角田裕毅の“ごっつあん”8位でRBダブル入賞|F1マイアミGP
motorsport.com 日本版
日向坂46 富田鈴花さん登場!! 日向の似合うクルマとアイドル![後編]
日向坂46 富田鈴花さん登場!! 日向の似合うクルマとアイドル![後編]
ベストカーWeb
JLOC新加入の伊与木エンジニアが語る新パーツの狙いと、ホンダ時代の知見が活きた“ちょんまげ”の相乗効果
JLOC新加入の伊与木エンジニアが語る新パーツの狙いと、ホンダ時代の知見が活きた“ちょんまげ”の相乗効果
AUTOSPORT web
幻の予選上位。ハプニングに巻き込まれた16号車ARTAと、2戦連続ショックの14号車ENEOS/第2戦GT500予選
幻の予選上位。ハプニングに巻き込まれた16号車ARTAと、2戦連続ショックの14号車ENEOS/第2戦GT500予選
AUTOSPORT web
F1マイアミGPスプリント速報|フェルスタッペン完勝。RBリカルドが4位の大殊勲! 角田はハミルトンと激戦繰り広げ8位
F1マイアミGPスプリント速報|フェルスタッペン完勝。RBリカルドが4位の大殊勲! 角田はハミルトンと激戦繰り広げ8位
motorsport.com 日本版
自動車保険チェックしてドキッ! 「搭乗者傷害」に入ってない! これってまずくないの?
自動車保険チェックしてドキッ! 「搭乗者傷害」に入ってない! これってまずくないの?
ベストカーWeb
素敵なリバー・リゾートに潜むスカンクの罠!? 「ルート66」から寄り道してラフリンの街へ【ルート66旅_50】
素敵なリバー・リゾートに潜むスカンクの罠!? 「ルート66」から寄り道してラフリンの街へ【ルート66旅_50】
Auto Messe Web
小暮卓史「今までに無いくらい緊張」。元嶋佑弥「ぶっちぎりで勝ちたい」【第2戦GT300予選会見】
小暮卓史「今までに無いくらい緊張」。元嶋佑弥「ぶっちぎりで勝ちたい」【第2戦GT300予選会見】
AUTOSPORT web
アメリカ議会の超党派議員らがリバティ・メディアに書簡を送る。F1のアンドレッティ参戦拒否に懸念を表明
アメリカ議会の超党派議員らがリバティ・メディアに書簡を送る。F1のアンドレッティ参戦拒否に懸念を表明
AUTOSPORT web
自身初PPの太田格之進「これからシビックの強みを出していくのが楽しみ」【第2戦GT500予選会見】
自身初PPの太田格之進「これからシビックの強みを出していくのが楽しみ」【第2戦GT500予選会見】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村