■バイクのフレームには、どんな種類があるのか?
バイクのフレームには、どのような種類があるのか、採用している車種を挙げながら解説します。
代表的な種類としては、クレードル系のフレームがあげられます。クレードルとは「揺りかご」という意味で、エンジンをパイプで包み込むようなフレームです。クレードル系のフレームの1つが「ダブルクレードルフレーム」です。こちらはエンジンをより箱型の枠で包み込むような設計になっています。ほとんどのライダーが、一度はお世話になっていることでしょう。なぜならこのフレームは教習車であるホンダ「CB400SF」や、ヤマハ「XJR400」など国産ネイキッドバイクに多く採用されているからです。
次は、「セミダブルクレードルフレーム」です。こちらはダブルクレードルフレームとシングルクレードルフレームの中間のような見た目です。ヤマハ「SR400」などのクラシックタイプや、カワサキ「KLX250」などのオフロードタイプ、ハーレーダビッドソンなどのクルーザータイプにも多く見られます。
「ダイヤモンドフレーム」や「バックボーンフレーム」はエンジンをフレームからつり下げるタイプです。クレードルフレームとは違い、エンジンの下に骨組みがないのが特徴です。一見するとフレームの下部が省略されて、強度不足のように見えますが、エンジンもフレームを構成する一部と考えられています。
カワサキ「GPZ900R」はこのフレームを採用した代表的なバイクと言えます。また、ホンダ「カブ」や「モンキー」を代表する横づけエンジンの車種もこちらに該当します。しかしながらこれらのバイクはエンジンを横につけているだけで、フレームの強度を補う物ではありません。
続いて、特徴的な「トラス(トレリス)フレームです。「トラス」とは三角形の集合体という意味で使われています。東京タワーや大型クレーンのような骨組みをイメージすると想像しやすいのではないでしょうか。その構造をバイクに採用しているのがトラス(トラリス)フレームです。ドゥカティやKTMのバイクに多く見られるのが特徴的です。
また、「ツインスパー(ツインチューブ)フレーム」も同じくつり下げ式のフレームです。最大の特徴はパイプではなく、太い金属の骨格のようなフレームです。スーパースポーツやレース系のバイクに多く使われており、MotoGPの出場バイクはほとんどこちらのフレームが採用されています。
最後に、「モノコックフレーム」はかなり斬新的なフレームでしょう。モノコック構造は車に使われることがほとんどと言われており、車のボディのように、大きな箱型のフレームに部品を組み合わせていく形がとられています。このモノコックフレームもダイヤモンドフレーム同様に、フレームという概念よりも、バイクを構成する全ての部品で剛性を得ているということになります。代表的なバイクとしてカワサキ「ZX-14R」やドゥカティ「パニガーレ」があげられます。
■種類ごとのメリット、デメリットとは?
フレームにも様々な種類が存在し、特性に合わせたものがありました。では、そんな数々のフレームには一体どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
クレードル系フレームのメリットは、剛性が高いことあげられます。これは元となったシングルクレードルフレームの弱点を補ったものでした。また、補強の追加や構造が単純な点もメリットとして挙げられるでしょう。一方、デメリットはその分重量が増えてしまうのと、エンジンの着脱のしずらさなどがあります。
次に、つり下げ式を代表するダイヤモンドフレームやバックボーンフレームのメリットは、クレードル系よりも軽量でエンジンの脱着をしやすい点があげられます。しかし、デメリットとしてエンジンに強度を持たせる設計が必要になったり、エンジンとフレームの噛み合わせに非常に精度が求められてしまいます。
また、ツインスパー(ツインチューブ)フレームのメリットは剛性のコントロールのしやすさや、横から見たときにフレームが直線になるためシンプルになること、軽量に作れることがあげられます。一方、デメリットとしては、製造のコストが非常に高価になってしまう、車体の幅が広がってしまうことがあげられます。
そして、トラス(トラリス)フレームのメリットは非常に高い剛性と軽量さ、そしてなんと言ってもその魅力的なデザインにあると言えます。デメリットは製造には卓越した技術が必要なことです。
最後に、モノコックフレームのメリットは様々な機能を兼ね備えることができることでしょう。例えば「ZX-14R」の場合、1400ccもある巨大なエンジンを無理矢理フレームに納めようとすると、どうしてもフレームも大型化してしまいます。しかし、モノコック化することにより、フレームにバッテリーとエアクリーナーのスペースを確保しながらもシャープな見た目を保っています。しかし、そのために汎用性に乏しい専用設計になってしまうのがデメリットとしてあげらます。
※ ※ ※
バイクのフレームにも様々な種類があります。クレードル系のフレームは従来からある形のバイクに多く、吊り下げ式はスポーツ系のバイクに多くみられました。また、特殊なものとしてモノコック構造のフレームを採用したバイクも登場しています。それぞれ軽量化や剛性の強化などのメリットもみられましたが、コスト面や生産面などのデメリットもありました。もし、バイクに乗られているのであれば、ご自身のバイクが何のフレームなのか調べてみてはどうでしょうか。
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みんなのコメント
ある日友人に、スチールのトレリスフレームのバイクを一日借りて乗り回したあと、自分のバイクに乗ったら
フレームのしなりだの剛性だのは全く判らん自分だけど
なんかどうしても丸太に跨っているような感覚が湧いてきて
それ以来ツインスパーは卒業してトレリスフレームのバイクばかり乗るようになった
相変わらずしなりとか剛性とかはよくわかんないけど