目標航続距離800km 高級グランドツアラー
イタリアと米国に拠点を置く新興EVメーカー、アエラ(Aehra)は、6月16日に開催されたモンツァ・モーターショーで、パフォーマンス重視の電動セダンを公開した。
【画像】スーパーカーのような大型EVセダン【アエラの新型セダンとSUVを写真で見る】 全18枚
2022年後半に発表されたSUVに続く同社第2のモデルで、「超高級車」市場をターゲットとしているという。SUVと同様に、固有の車名は与えられない。特定のネーミングを使わないことで、イメージの固定化や顧客層の限定を避ける狙いだ。
セダンはドラマチックなエクステリアデザインが特徴で、筋肉質なアーチと力強いショルダーラインによって上下に分割されている。下部は可動式エアロなどのテクニカルな要素を取り入れ、上部は飛行機をイメージした曲線的なデザインとなっている。アエラのデザイン責任者であるフィリッポ・ペリーニ氏は「バロック的なデザイン文化に対するアンチテーゼ」であると述べている。
ペリーニ氏によると、特徴的なファルコンドアを採用しているが、生産準備の段階でシャットラインが変更される可能性があるという。それでも、全体のデザインはこのまま維持されるとのこと。セダンは2026年までの発売を目指している。
インテリアはまだ公開されていないが、フルワイドのインフォテインメント・スクリーンを含め、4人乗りのレイアウトはSUVと同じものになるようだ。このスクリーンは、停車時に「ホームシアター」モードを起動することで縦にせり上がり、クルマを移動式の映画館に変身させる。
セダンとSUVは、全長3.0mのモノボディ・プラットフォームを共有している。AUTOCARが入手した情報では、SUVはリアアクスルに2基、フロントに1基のモーターを搭載し、合計出力805psを発生するという。この構成はセダンにも採用される見込みだが、詳細は明らかにされておらず、パワートレインのサプライヤーが確立されれば、変更される可能性もある。
オーストリアのMiba社が製造した120kWhのバッテリーを採用し、航続距離800kmを目標としている。充電は、925Vの電圧により、最大350kWまで対応する。双方向充電により、自宅などの外部機器への電力供給も可能だ。
将来的には、プラットフォームとバッテリーを小型化することで、クーペなどの小型モデルも登場する可能性があるが、アエラはそのようなモデルの計画については公表していない。
セダンとSUVは最大70%の主要部品を共有する見込みだが、ハジム・ナダCEOは今年2月、その70%のうち「実質的にすべて」の部品を既存OEMから調達すると述べている。この「レゴ・アプローチ」によって、この2車種を2027年半ばまでにそれぞれ2万5000台販売するという目標に向け、急速に規模を拡大することができる。
しかし、この2車種の走行特性やフィーリングは大きく異なるものになりそうだ。エンジニアリング責任者であるフランシスコ・チマッティ氏は、ロータスのEPAプラットフォーム(新型エレトレに採用)の開発責任者だった。
チマッティ氏はフェラーリに32年間在籍し、512TR、456GT、550マラネロの開発を監督したことで知られている。
チマッティ氏は以前、AUTOCARの取材に対し、EVの楽しさを作り出すものは何かということを再考し、多くのライバルのように加速性能だけに依存するものではないと語った。さらに、エネルギー効率と回生力を優先し、ブランドのラインナップを「適切なサイズ」にすることで、生産と走行性能のあらゆる面で無駄をなくしたいとしている。
アエラの新型セダンの欧州価格は約16万ユーロ(約2480万円)となる見込みで、18万ユーロ(約2780万円)のSUVの下に位置づけられる。
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みんなのコメント
モーターや部品の供給を受けられて
安全性のテストの問題さえクリアできれば
イタリア伝統のカロッツェリア文化 車体だけの製造メーカー
がまた車を世に出せる時代が来るのかな。