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マシンデザインは独自路線。最終戦までアップデートを続け躍進を遂げたアルファタウリ/2023年F1開発まとめ(2)

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マシンデザインは独自路線。最終戦までアップデートを続け躍進を遂げたアルファタウリ/2023年F1開発まとめ(2)

 2023年のF1は、前年に導入された新しい技術規則によりグラウンドエフェクトカーが復活して2年目のシーズンとなった。今年も各チームが特色のあるマシンを投入し、シーズンが進むにつれて徐々に進化を遂げていった。そんな2023年型マシンのアップデートを振り返っていく今回の企画、第2回はコンストラクターズ選手権8位のスクーデリア・アルファタウリだ。

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トレンドの翼端版を導入したウイリアムズ。アルファロメオはシーズン中にノーズを変更/2023年F1開発まとめ(1)

▼スクーデリア・アルファタウリ(AT04)
 レッドブルの姉妹チームであるアルファタウリは、最もレッドブル・テクノロジーの恩恵を受けることが可能なチームだが、2023年に登場したアルファタウリの新車『AT04』は、レッドブルの『RB19』とはほとんど共通点のないマシンだった。

 その最大の理由は、レギュレーションの変更にある。技術的な提携を行う場合、恩恵を受けるのはその翌年となる。ところが、2022年に導入されたグラウンドエフェクトカーは、ポーパシングを抑制するために2023年に技術レギュレーションが改訂された。このため、2022年のレギュレーションで設計されたレッドブルの空力的なデザインを2023年にアルファタウリが採用することはできず、AT04のデザインは独自で開発しなければならなかった。

 AT04とRB19の空力デザインで最も大きく異なる点は、フロアに対するアプローチだ。アルファタウリもレッドブルと同様、フロアの中間にトンネルを設けている。しかし、その後方のエッジにレッドブルは細長いフラップを装着しているのに対して、アルファタウリのフロアエッジには何も空力的付加物がない(写真1の赤矢印)。このエリアは2022年から2023年にかけてレギュレーションが変更された部分で、レギュレーション通りにフロアのエッジの高さを15mm上げなければならず、それに合わせて何らかの対応が必要だったが、アルファタウリは2022年のフロアを正常進化させたものを投入してきた。そのため、車高が相対的に高くなる低速コーナーでのダウンフォース量が不足し、リヤが不安定になる悪癖を持っていた。

 低速コーナーでリヤを安定させるために、アルファタウリは第3戦オーストラリアGPでフロアをアップデート。ただし、この改良フロアはフロア前方部分(写真2の赤矢印)のデザインしか変更されておらず、後方部分はまだ見直されていなかった。

 そこで第12戦ハンガリーGPにはフロア後方部分のエッジにフラップを追加した新フロアを投入してきた(写真3の赤矢印)。

 ハンガリーGPのアップデートはフロア以外にもリヤウイングや、サイドポンツーン上面をくぼませたボディワークなど、多岐に渡った。

 シーズン中盤でのアップデートによって、マシンのパフォーマンスが上がっていることを確認したアルファタウリは、後半戦に続々とアップデートを行う。その第1弾が第16戦シンガポールGPでの絞り込まれたボディワークとリヤサスペンションだ。この新しいリヤサスペンションは最新のレッドブルのマシンであるRB19のリヤサスペンションと同じ仕様で、絞り込まれたボディワークはリヤへの空気の流れを最適化するためだった。

 第20戦メキシコシティGPでは、フロア前方の外側に設けているフェンスを大型化させ、よりレッドブルのコンセプトに近づけた改良を行い、コンストラクターズ選手権でハースとアルファロメオを抜いて、8位に躍進。

 アルファタウリのアップデートは、最終戦まで止まることなく、アブダビGPでは大型化したフロア前方のフェンスに合わせて、その内側のデザインを改良した(写真4の赤矢印)新しいフロアを投入。角田裕毅が予選自己最高位となる6番手を獲得し、レースでも一時ラップリーダーとなるなど、アップデートによって向上したパフォーマンスをいかんなく発揮していた。

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