FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、F1との関係において戦術を変えたようだ。彼は通信社『Reuters』のインタビューのなかで、アンドレッティ・グローバルに新しいF1チームをゼロから立ち上げる計画を断念し、既存のチームを買収するよう助言したと語り、「苦戦しているチームがある」との意見を明かした。
最近ビン・スライエムは目立つことがなく、グランプリにもめったに姿を見せないが、新しいチームがスポーツにもたらす付加価値の問題についてF1を支持し、『Reuters』に次のように語った。
マリオ・アンドレッティ、リバティCEOの言葉に衝撃受ける「F1参戦を全力で阻止すると面と向かって言われた」
「FOM(フォーミュラワン・マネジメント)とリバティは、それがOEMである限り、他のチームを入れたいと考えていることは間違いない。もっと多くのチームが必要だと今も考えているが、どのチームでもいいわけではない。適切なチームだ。数ではなく、質の問題だ」
そしてビン・スライエムは、アメリカのチームがすべきだと考えていることについて、「11番目のチームとして来るのではなく、別のチームを買収するようにアドバイスしたい。リフレッシュが必要なチームもあると感じている。何がよいのだろうか? 11チームを持つことか、それとも強力な10チームでいることか?」と述べた。
現在、どこかのチームが財政難に陥っているのかどうかは不明だが、ビン・スライエムは「言うまでもなく、苦戦しているチームがある。パフォーマンスに苦戦し、経営にも苦戦している」と主張している。しかしGM(ゼネラルモーターズ)については、F1が両手を広げて歓迎すべきだという見解は変わっていない。
「重要なのは適切なチームを持つことだ。PU(パワーユニット)を持つGMのような競技者がF1に参戦するチャンスを失うことではない」
「その影響を想像してみてほしい。アメリカでは3つのレースがある。それほど大きなファン層がある。しかし、我々にはしっかりとしたアメリカのチームがない。すぐにフォードが加わることは非常にうれしいが、GMがいることと、アメリカ人ドライバーがいることを想像してみてほしい」
ビン・スライエムの戦術変更は、F1のステファノ・ドメニカリCEOや既存の10チームとの関係修復の必要性に直結していると考えられている。2026年のコンコルド協定の交渉が、これまでのところFIAのやり方で進んでいないためだ。F1に和平案を出しているのかと質問されたビン・スライエムは、次のように語った。
「平和は常によいことだし、不必要な問題をいつも抱えているわけにはいかない。我々双方が前に進む必要があることを理解している。前進する唯一の方法は、我々の間にさらなる透明性を持つことだ。ビジネスに関して言えば、我々はF1とともにある。我々はパートナーだ。些細なことは忘れて、これらの問題にどのように対処できるか解決策を見つけなければならない」
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