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【9500rpmで750ps】 最先端技術でレストアのシンガー911 コーンズが米シンガー社と日本での代理店契約

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【9500rpmで750ps】 最先端技術でレストアのシンガー911 コーンズが米シンガー社と日本での代理店契約

最先端の技術を盛り込んだレストア

空冷ポルシェ911オーナーの要望を取り入れ、最先端の技術を盛り込んだレストアを行うシンガー・ヴィークル・デザイン(以下シンガーと称す)が、コーンズ・モータースと日本での代理店契約が結ばれたことが発表された。

【画像】発表の様子をみる 全45枚

シンガーはカリフォルニアを本拠とするラグジュアリー・スペシャリストで、「Reimagined by Singer=再構築されたポルシェ911」を手掛けることで知られる。

「A Relentless Pursuit of Excellence:エクセレンスの追求に終わりはない」、このモットーにシンガーの哲学が込められている。自らが選んだテーマを究極の形で表現したいという、その想いがシンガーの原動力となっている。

シンガーはオリジナルを忠実に再現するレストレーションを行うのではなく、911にオマージュを捧げつつ、現代に相応しいパフォーマンスと洗練性を備える再構築されたモデルを送り出すことが特徴だ。

同社では完成車の販売は行わず、オーナーが所有するポルシェ911(964)を持ち込み、希望する内容を最先端のテクノロジーとクラフトマンシップを駆使して究極のレストアが行なわれる。

ベースの964から再利用されるのはシャシーと一部のボディパーツ、そしてクランクケースだけ。このほかの部分はシンガー社で新たに製作されたパーツで構成される。

シャシー部分を再利用するため、ベース車両は手頃な価格で防錆処理に優れ、リアサスペンションが930と同型の964が選ばれている。そのため過去には4輪駆動やティプトロニック仕様も製作されている。

ディキンソンの想いからスタート

現在シンガーは、アメリカのロサンゼルスとイギリスのコヴェントリーに開発製造部門があり、総勢600名が活動する。F1のウイリアムズ・エンジニアリングとのパートナーシップにより最先端テクノロジーで開発されている。

シンガーの創業者であるロブ・ディキンソンは、子供の時に家族が運転するビートルを追い越していった緑色のポルシェ911に感銘を受け、究極の911を造ることを決意する。

ディキンソンは、「シンガーを設立して以来、私たちの使命はポルシェ911の素晴らしさと伝統を称えること」を基本理念としてきた。ちなみに社名はディキンソンが1990年代にミュージシャンだったことに由来する。

こうして2009年のモントレーウイークにシンガーの1号車となる911が披露され、リイマジンド=再構築という新たな方向性が評価され大きな反響を得る。

最初の5年間は技術者と設備の関係から50台しかこなせなかったが、増え続けるオーダーに対応して施設と技術者を拡充して現在の規模になったという。

最初に送り出されたクラシック・スタディは、1973年カレラRS 2.7をオマージュしたモデル。限定450台はすべて完売になっており、希少性を保つため再生産はされない。

2018年に934をオマージュしたダイナミクス&ライトウェイト・スタディ(DLH)が75台限定でリリースされた。こちらも完売となり販売終了となっている。

2022年に初のターボモデルとなるターボ・スタディ、2023年にはDLWにターボを追加された。将来的にナローを創りたいとディキンソンが述べている。

DLW以外のモデルは、一見すると変わっていないように見えるが、実際には徹底的に手が加えられている。ボディパネルはCFRP製に換えられ大幅な軽量化を実現。エンジンもクランクケース以外はシンガー自製となる。

現行2タイプが上陸

発表会の会場に展示されたのは、現在オーダーが可能なターボ・スタディと、ダイナミクス&ライトウェイト・スタディ(DLW)ターボの2タイプ。

911ターボのDNAを現代的に進化させたのがターボ・スタディだ。911ターボにオマージュを捧げつつ、21世紀に相応しいパフォーマンスと洗練さを備える再構築モデル。ワイパーはセンターに配置される拘りを見せ、リアフェンダー前のプロテクター部分やバンパーの蛇腹部分もリデザインされているが、往年の雰囲気を見事に再現している。

オーナーからの要望に応え、DLSは2023年にターボ版に進化した。1970年代に耐久レースを席巻した934/5へのオマージュを込めたもので、大きく張り出したリアフェンダーが圧倒的な迫力を放つ。最高出力は750psを9500rpmで発揮する。希望によりハイダウンフォース仕様のカウルも用意。

気になる価格だが、ターボ・スタディは475台限定で基本価格は87.5万ドル(約1億3092万円)からで、まだオーダーが可能。DLWターボは99台限定で、日本発表時で残り数台だという。基本価格は270万ドル(約4億2331万円)から。納期はバックオーダーが多数あるのと、製作に時間が掛かるため、どちらも2年半から3年ほど必要。

日本でレストアを依頼する場合は、コーンズ・グループのサポートチームが窓口となる。今後シンガー車両の専門的なサービスやメンテナンスもコーンズ・グループが受け持つ。

日本総代理店となるコーンズ・モータースの林誠吾CEOは、「クルマは造れないが、コトを創る会社を目指します。オーダー時のクルマを創り上げてゆく過程や、走らせることで楽しい場を提供してゆきたい」と語った。

911に惚れ込んだエンスージァストにとって、シンガーが送り出す作品たちは究極の1台として気になる存在となるに違いない。

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みんなのコメント

1件
  • afu********
    銀色?ぽいターボスタディっていうのかっこいいですね!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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