フォーミュラEの第4戦ローマePrixの決勝レースが行なわれ、メルセデスのストフェル・バンドーンが優勝を手にした。
前日の第3戦に続き、同じローマの市街地で行なわれた第4戦。この日は予選から雨に見舞われ、決勝スタート時には降雨こそ止まっていたものの、所々ウエットパッチの残るダンプコンディションだったため、セーフティカー先導でのスタートとなった。
■ニック・キャシディ、フォーミュラE初ポールポジションを喜ぶ「肩から重荷を下ろせた!」
バンドーンは4番手からスタート。首位を争っていたパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)よりも先にアタックモードを起動する戦略が成功し、首位に浮上。そのまま後続とのリードを広げ、首位のポジションを明け渡すことなくアタックモードを消化していく危なげない走りを見せる。
しかしレース終盤、アウディのレネ・ラストがターン1から2にかけてのウォールに激しくクラッシュ。これによってセーフティカーが出動したことで、5秒ほどあったバンドーンのリードがなくなってしまう。
そのセーフティカーランが終了したのは、レースの制限時間45分を超えた段階。つまり、残り1周のスプリントバトルが展開されることになった。
マヒンドラのアレクサンダー・シムスがバンドーンにプレッシャーをかけるが、バンドーンはファンブーストも使って必死の逃げ。そのまま逃げ切り、シムスに0.6秒差をつけてトップチェッカーを受けた。
2位にはシムス。シムスはレース序盤3番手に位置していたが、10周目にフルコース・イエローコーション明けのタイミングでウェーレインを抜き、その後もそのポジションを守り切って2位表彰台を手にした。
3番手でフィニッシュしたのはノーマン・ナトー(ヴェンチュリ)で、チーム代表のスージー・ウルフも大喜びした。しかし規定以上のエネルギーを使ったとして失格の裁定が下り、4番手でフィニッシュしていたウェーレインが3位に繰り上がることになった。
このレースをポールポジションからスタートしたのはニック・キャシディ(ヴァージン)だったが、スタート時のセーフティカーが解除された直後、2周目のターン3で痛恨の単独スピンを喫してしまう。キャシディはなんとかコースに戻ったが、11番手まで落ちてしまった。
その後5周目には、アタックモードを起動させたオリバー・ローランド(日産・e.ダムス)に追突され、ウォールにクラッシュ。マシンにダメージを負い、ピットインを余儀なくされた。この事故でローランドには、10秒のタイム加算ペナルティが科されている。
キャシディはその後コースに復帰したものの、前を行くマシンとの差は大きく、21位完走扱いということになった。
なおこのレース中には多くのクラッシュが発生。前述のラストのチームメイトであるルーカス・ディ・グラッシも、セバスチャン・ブエミ(日産・e.ダムス)に追突され、激しくウォールにクラッシュした。また最終ラップにもサム・バード(ジャガー)、ニック・デ・フリーズ(メルセデス)、ローランドが絡む多重クラッシュが発生。バードとデ・フリーズはチェッカーを受けることができなかった。
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