2023年から全日本ラリーJN4クラスに参戦の兼松由奈&槻島ももチーム
2023年全日本ラリーのJN4クラスに参戦している「大東建託WinmaXクスコDLスイフト」は、ドライバーが兼松由奈(かねまつ ゆうな)選手(28歳)、コ・ドライバーが槻島もも(つきしま もも)選手(29歳)という、20代女性のコンビで戦っている。コ・ドライバーが女性というのはよくある話だが、女性同士の体制は珍しい。女性コンビで戦うことになった経緯や意気込みを実際に聞いてみた。
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最初はネイルの話から始めて女性コンビ結成へ
コンビ結成のきっかけとなったのは兼松選手だったそうだ。2018年に女性ドライバー限定のL1ラリーでラリーデビューした兼松選手は、2019年には中部地区ラリー、2020年には全日本ラリーのJN6クラス(ハイブリッド車や電気自動車がエントリーするクラス)へとステップアップ。2023年はスズキ「スイフトスポーツ」を主力としたより速いJN4へ、さらなるステップアップを検討していた。
そこで自身が2022年から参加していたJAF登録クラブの同じクラブ員であった槻島選手に、兼松選手から勇気をふりしぼって声をかけたそうだ。
「槻島選手はもともとコ・ドライバーをTGRラリーなどで経験していたので、自分も知ってはいたのですが、仲良くなれるか不安で距離を測りかねていたんです。最初は『ネイルかわいいですね』なんて言ったりして話しかけたと思います」
兼松選手から声をかけ、共通の趣味などの話題を通して徐々に仲良くなった2人は2023年シーズンでコンビを組むことに。コ・ドライバーを探していた兼松選手と「もっとコ・ドライバーとして成長をしたい」という槻島選手の考えが合致してコンビ結成となった。
コンビとして初の2023年は成長するシーズンに
車両の準備など、シーズン前の手配は兼松選手を中心に行ったそうだったが、苦労の連続だったそうだ。これまではクスコレーシングなど、すでに参戦をして体制のあるチームから参戦していたが、2023シーズンはクラスのステップアップにともない、車両準備やスポンサー活動、メカニックの手配などイチから自身で体制を整える形となった。エントラントとして運営していく大変さを身に染みて実感しているシーズンだと兼松選手は語っており、今年は成長することを目標としたシーズンにするそうだ。
成長するという面では自身も同じだとコ・ドライバーの槻島選手は語る。ラリーの世界ではドライバーにスポットが当たりがちだが、コ・ドライバーも非常に重要な存在で、その能力が勝敗に大きく関わってくる。全日本クラスともなるとドライバーからの信頼が厚く、「人気」となるコ・ドライバーも出てくるほどだ。槻島選手はコ・ドライバーとしての能力を高めて、全日本で結果につながるコ・ドライバーを兼松選手と目指していきたいそうだ。
最終的にはクラスチャンピオンが目標!
2023年は全8戦開催される全日本ラリーのうち、5戦にエントリー予定の兼松・槻島コンビ。すでに3月の新城ラリー、4月のツールド九州 in 唐津、5月の久万高原ラリーを終え、残りは6月10~11日の丹後ラリーと10月14~15日のハイランドマスターズにエントリー予定だ。
時おりケンカしてしまうこともあるそうだが、それらを含めたコミュニケーションがよりお互いを気づかい合うことにつながり、他のドライバー&コ・ドライバーよりも連携が取れた形になる手ごたえを感じているそうだ。
2023年は成長のシーズンとしているわけだが、来年・再来年は勝負をかけて最終的にクラスチャンピオンを狙いたいと計画しているとのこと。彼女たち自身が体制・環境づくりからチャレンジする全日本ラリーへの参戦に注目していきたい。
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