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【スーパーカー年代記 072】アストンマーティン One-77はコスワースの心臓を持つ77台限定モデル

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【スーパーカー年代記 072】アストンマーティン One-77はコスワースの心臓を持つ77台限定モデル

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第72回は「アストンマーティン One-77」だ。

アストンマーティン One-77(2010-2012年)
イギリスの高級スポーツカー メーカーであるアストンマーティンは、V型12気筒エンジンを搭載したハイパフォーマンスのスポーツカーを作り続けていたが、それらは「いわゆるスーパーカー」とは立ち位置が少し違うものであった。だが、経営難から出資元が何度も代わり、2007年にデビッド・リチャーズらの投資家グループにコントロールされるようになった頃から、スーパースポーツカーの世界へ足を踏み入れるようになる。

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2008年のパリ モーターショーでアストンマーティンはフラッグシップとして「One-77」を開発することを発表し、そのモックアップを展示した。その名が示すように、77台の限定生産であることが当初からアナウンスされていた。市販モデルの第1号車は、翌2009年4月にイタリアのコモ湖畔で開催されたコンクール デレガンスで初公開された。

ロングノーズ/ショートデッキで、アストンマーティンの伝統的で優雅なスタイリングのクーペは、前後のフェンダーを大きく張り出したロー&ワイドなプロポーション。フロントまわりのエアインテークやフロントフェンダー後ろのエアアウトレットなどが、ハイパフォーマンスを主張する。デザインは自社製で、マレック・ライヒマンが統括している。

発表から市販化までに少し時間はかかったが、その間に当初の予定よりも性能は向上されている。フロントに搭載されたエンジンは、当時のDB9などにも採用されていたアストンマーティン自製の6L 60度V型12気筒 DOHCを、レーシングエンジンの製作などで有名なコスワース社が協力して、潤滑をドライサンプ化して排気量も7.3L(正確には7312cc)にまで拡大した。

当初の計画では最高出力は710psの予定だったが、市販型では760psとなり、当時の市販NA(自然吸気)エンジン最強と言われた。最大トルクは750Nmだが、いずれのスペックも発生回転数は公表されていない。組み合わされるミッションはセミATの6速AMTで、デファレンシャルとともにリアに搭載されるトランスアクスル方式を採用していた。変速はステアリングのパドルシフトで行う。

シャシにはカーボンモノコックが採用され、ボディの外板パネルはアルミニウム製。サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーン式だが、スプリングとダンパーを水平にレイアウトしたインボードタイプとなっている。最高速度は当初の公称値である220mph(約352km/h)以上を実際に記録。0→60mph(約96km/h)加速は公称で3.7秒以下だった。

2010年から生産が開始されたOneー77は、イギリスで120万ポンド(当時のレートで約1億6000万円!)という価格で77台限定で販売されたが、2012年には完売している。

アストンマーティン One-77 主要諸元
●全長×全幅×全高:4601×2204(ミラー含む)×1222mm
●ホイールベース:2791mm
●重量:1630kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:7312cc
●最高出力:760ps
●最大トルク:750Nm
●燃料タンク容量:98L
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速AMT
●タイヤサイズ:前255/35ZR20、後335/30ZR20
●当時の価格:120万ポンド(当時のレートで約1億6000万円)

[ アルバム : アストンマーティン Oneー77 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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