バルテリ・ボッタスが2025年にザウバーに残留しないことが確定し、このフィンランド人ドライバーのグランプリキャリアは終焉を迎えることになるだろう。グランプリ優勝10回、ポールポジション20回、そして世界選手権でルイス・ハミルトンに次ぐ2位を2回獲得したボッタスは、元世界チャンピオンのケケ・ロズベルグ、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネンに続き、自国のモータースポーツの殿堂入りを果たすにふさわしい。
しかし、ボッタスがグランプリレースから引退し、2025年シーズン開幕時にはフィンランド人ドライバーがグリッド上にいないことが確実となり、人口わずか500万人のこの国の目覚ましい活躍は終わりを告げた。実際、来年は1989年のF1世界選手権以来初めて、グリッド上にフィンランド人ドライバーがいないシーズンが始まることになる。過去36年間は、JJ・レート、ミカ・ハッキネン、ミカ・サロ、キミ・ライコネン、ヘイキ・コバライネン、バルテリ・ボッタスが、このスポーツで母国の名を守り続けてきた。
シート喪失のザウバーふたり、F1残留に向け活動中。ボッタスはメルセデスにリザーブで復帰の可能性も
これは、1994年のベルギーGPから今年のアブダビGPまで、ほとんどのF1の週末に少なくともひとりのフィンランド人ドライバーが走っていたことを意味するため、ヤス・マリーナ・サーキットで日曜日の夜にフラッグが降ろされると、30年以上続いた物語は終わりを迎えることになる。
フィンランドにとって、グリッド上に新たなドライバーを輩出するにあたって最大の希望は、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に所属する18歳のトゥッカ・タポネンだが、彼がF1に昇格できる立場になるまでには、まだ数年かかるだろう。2021年のカート世界チャンピオンであるタポネンのシングルシーターにおける進歩は、ファンが望んでいたよりも少々遅いものになっている。タポネンは2023年にふたつのF4選手権に参戦したが、UAE選手権では2位につけ、競争の激しいイタリア選手権では5位にとどまった。
2024年はフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパに昇格し、タポネンはフランスのチームR-aceに加入して、中東選手権では余裕で勝利を飾った。彼にとって残念なことは、プレマがフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパで圧倒的に優れたマシンを持っていたことだ。タポネンはプレマのふたりのドライバーに敗れ、チャンピオンシップを3位で終えた。
それでも、FDAはタポネンのFIA F3昇格を承認した。彼は別のフランスのチームであり、フェラーリのチーム代表フレデリック・バスールが所有するARTグランプリに加入することになる。多くの人たちにとって、2025年シーズンはタポネンの運命を分ける年となるだろう。そして、フィンランドからF1に進出できるような目立った大物ドライバーが他に出ていないことから、フィンランドはタポネンを全面的に支援している。
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不景気トンネル真っ只中の日本人ドライバーも同じ境遇。