■老若男女に愛される「MINI」ブランド
ひと昔前は輸入車の絶対王者はVW「ゴルフ」と言われていましたが、現在はMINIがその座に君臨しています。
MINIは2000年代に新世代モデルとして誕生。2002年に日本導入されて以来、常に販売台数のトップを狙う人気ブランドになり、2015年から7年連続で「輸入車販売台数ナンバー1」を獲得しています。
MINIの魅力はどこにあるのでしょうか。MINIオーナーや中古輸入車販売店のスタッフなどにインタビューし、5つのポイントで人気の理由を紹介します。
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●既存のヒエラルキーを超えた絶対的ブランド
最初に話を聞いた人が口を揃えて挙げた点が、「絶対的ブランド」であることです。つまり多くのオーナーは「コンパクトなクルマ」や「輸入車」が欲しいのはなく、MINIというブランドだからこそ乗っているといいます。
MINIは指名買いが多いと教えてくれたのは、都内の輸入中古車販売店オーナーのN氏。あまりクルマに詳しくなくてもMINIに乗りたいというユーザーから、何台もクルマを乗り継いできたベテランドライバーをも納得させる絶対的なブランド力に加えて、ニーズに合わせたラインナップが豊富というのがMINIの大きな魅力でしょう。
また高級車の概念である「高級車は大きい」という常識を覆す、扱いやすいサイズのモデルが多いのもMINIの特徴です。
運転に自信のない初心者から大きなクルマからのダウンサイジングを考えているユーザーまで幅広い層に支持され、既存のクルマ・ヒエラルキーに影響されない独自のスタンスが好まれているようです。
●ジェンダーレスなコンパクトカー
MINIブランドの特徴として語られるのが「ジェンダーレス」であること。つまり、男性ウケも女性ウケも良いクルマであるということです。
男性人気が高いスポーツカーや、女性向けのデザインを採用したコンパクトカーといった具合に、性別でクルマの好みが分かれるものですが、MINI所有者の男女比は50:50なのだとか。
今回、話を聞いたなかには女性オーナーもおり、コンパクトカーサイズながら走りの良さだけでなく、特別に女性向けの装備がなくても「女性が運転しても似合いそうだったから」という理由で選んだそうです。
またMINIはジェンダーレスだけでなく、どのような年齢の人が乗っても似合う“エイジレス”でもあります。どの世代からも選ばれ、また長く乗ることができると評価されています。
■運転が楽しい! 「ゴーカートフィーリング」ってなんだ?
●初期モデルでも古さを感じさせない
1959年に誕生からはじまるMINIの歴史は、1959年にBMC(ブリティッシュモーターカンパニー)から60年以上にわたって築き上げられました。
とはいえ、現在のMINIは、クラシカルな「オールドミニ」ではなく、2000年当時に販売ブランド「ローバー」を傘下に持つBMWの手によって、現代の基準に見合う新世代のMINIへと変遷したもの。
そんな新世代でも2002年に日本デビューしてからすでに20年以上が経過していますが、登場した当時と雰囲気が変わらないことも安定した人気を誇る理由になっています。
オールドミニの流儀に従い、新世代のMINIもシンプルな3ドアを軸とし、5ドアやクーペ、ワゴンなど派生モデルを順次展開。
なかにはSUVタイプの「クロスオーバー」も誕生しましたが、そのどれもが2002年当時のイメージを受け継ぐ、超キープコンセプト路線となっています。
これがどの年代のMINIに乗っても古さを感じさせない大切なポイントとなっており、それでいてモデルによって特性や乗り味が違い、自分好みのMINIを見つけられるという楽しみかたに繋がっているのです。
●独特な運転感覚が楽しい
MINIのクルマ作りの考え方は、1956年にBMCの技術者アレック・イシゴニス氏が考えた「広々とした4座席を確保しつつ、車体はできるだけコンパクトに」を守っています。
これは、ホンダの「MM思想(マンマキシマム・メカミニマム)」と同じ。コンパクトなボディで居住スペースをできるだけ確保するために、タイヤをボディの四隅に配置し前後に余計な部分を減らしたことで、俊敏なハンドリングとキビキビした走りを実現しています。
のちにグレード名にもなったジョン・クーパー氏の発案で参戦したラリーでは、1964年の「モンテカルロ・ラリー」で優勝するなど、輝かしい戦歴を誇りますが、このとき名付けられたのが「ゴーカートフィーリング」です。
まるでゴーカートのように、ステアリングを切った分だけクイックに向きを変え、俊敏な走りを楽しめるのもMINIならではの魅力のひとつと言われています。
実際、都内の輸入車販売店オーナーN氏によると、MINIの中古車はどのモデルも人気だといいますが、なかでもMT車の人気が非常に高いそうです。
しかも、スポーティな「クーパーS」ではなく、「カブリオレ」のMT車はプレミアがつくほどの人気となるなど、クルマ好きを唸らせる独自の運転感覚がMINIの魅力になっています。
●アフターパーツも豊富で自分好みのカスタムが可能
すでに20年以上も人気モデルであり続けるMINIですから、アフターパーツメーカーも放っておくはずはなく、たくさんのカスタムブランドからアフターパーツが数多く販売されています。
つまり、予算や好みに応じて自分だけのMINIにカスタムができるというわけです。
たとえば、ワゴンの「クラブマン」のオーナーは、ルーフラック&ルーフボックスを装備したり、荷室にキャンプ用具が収納しやすいようにカスタムするなど、クルマのカスタムを楽しんでいるといいます。
スポーティ路線だけではない楽しみ方の幅の広さもMINIが持つ懐の深さだといえるでしょう。
自分好みに仕上げられるとあって、中古車市場でも人気が高いので下取りも値崩れしないという、まさに「乗ってよし・売ってよし」といったところが、MINIが長い間愛され続ける大きな要因となっているのです。
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踏みたくなる気持ちは分かりますが、周囲は危険にさらされていますよ。