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価格を納得させる強みはある プジョーE-308 アリュールへ試乗 ステーションワゴンも準備中

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価格を納得させる強みはある プジョーE-308 アリュールへ試乗 ステーションワゴンも準備中

価格設定はライバルより少しお高め

フォルクスワーゲン・グループやルノー・日産・三菱アライアンスへ続くべく、プジョーやオペル、DSなどを傘下にするステランティス・グループも、バッテリーEVの導入を加速させている。われわれに身近なプジョー308にも、完全な電動版が登場した。

【画像】ステーションワゴンも準備中 プジョーE-308 競合の電動ハッチバック ガソリンのSWも 全103枚

ボディサイズは内燃エンジンで走る308と変わらず、適度にコンパクト。魅力的な操縦性も、しっかり受け継がれている。

ただし、ゴルフ・クラスのバッテリーEVの市場価格は、プジョーが想定していたものより低かったのかもしれない。恐らく、中国の新興ブランドの影響だろう。

ジープ・アベンジャーやルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック、フォルクスワーゲンID.3といったモデルは、英国では3万7500ポンド(約678万円)も準備すれば購入できる。他方、E-308は、エントリーグレードでも4万ポンド(約724万円)を超える。

ちょっとお高く感じてしまうのは、筆者だけではないはず。確かに、月払いの残価設定型プランで見ると、数年後の車両価格が有利なブランドは支払い額も小さくなる。最近のプジョーは、残価設定が悪くない。

それでも、価格は最初からお手頃な方が嬉しい。スポーティでスタイリッシュで、高級志向なバッテリーEVは、このクラスではE-308だけではないのだから。

プレミアム感を漂わせる内外のデザイン

さて、新しいE-308が搭載するのは、ステランティス・グループ最新の電動パワートレイン。駆動用バッテリーはニッケル、マンガン、コバルトを正極材に用いた三元系の新ユニットで、容量は54kWh。既存の308のシャシー・フロアへ敷き詰められている。

駆動用モーターも、ハイブリッド同期式という新技術を採用し、最高出力は156ps。車重は、シトロエンE-C4より120kg重い。プラットフォームが、E-C4ではバッテリーEV用のe-CMPであるのに対し、EMP2なためだろう。

割高な価格を納得させるように、E-308はプレミアム感を漂わせる。ボディの見た目も内装も、デザインは洗練されていて好印象だ。

ダッシュボードには、エントリーグレードのアリュールでも10.0インチのタッチモニターが据えられる。i-トグルと呼ばれるインターフェースは、ユーザーの好みで機能を登録でき、i-コネクト・インフォテインメント・システムも使い勝手がいい。

運転環境は快適。小さなステアリングホイールが低い位置へ伸びる、i-コクピット・レイアウトを踏襲するが、E-308の位置関係は悪くない。

リアシート側は、このクラスのハッチバックとしては少し狭め。10代前半の子どもまでなら、不満なくゆったり過ごせると思う。古くからゴルフとライバル関係にあったプジョーのハッチバックらしく、実用性は低くない。

非常に洗練された電動パワートレイン

ステアリングホイールを握り発進させてみると、電動パワートレインは非常に洗練されているのがわかる。ライバルより高めの価格だからといって、パワフルなわけではないものの、滑らかで静か。気持ち良くスピードを高めていく。

E-C4と同じく、駆動用モーターの全力を引き出すには、ドライブモードをスポーツにする必要がある。そうすれば、流れの速い郊外の道や高速道路で、不満ない加速を披露する。充分といったレベルで、興奮を誘うほどではないが。

回生ブレーキは、強さをドライバーが選ぶことはできない。エネルギー効率は優れているようだが、このクラスとしては駆動用バッテリーの容量が小さいため、効き具合を調整できた方が訴求力は増すだろう。

今回は、積極的にカーブが連続する区間を走らせた時間も含めて、平均で7.0km/kWhを得られた。現実的な航続距離は、360kmほどになる計算。メガーヌ Eテック・エレクトリックより、長い距離を走れるかもしれない。

乗り心地や操縦性も褒められる。英国仕様のE-308には、空気抵抗を意識した18インチ・アルミホイールと、転がり抵抗の少ない肉薄なタイヤが標準装備されるが、優れた姿勢制御とグリップ力、乗り心地をバランス良く叶えている。

ステアリングホイールの感触は、車重が増えたことで重みも適度に増した。内燃エンジンの308以上に、直感的に操れるようになった印象だ。

ステーションワゴンのE-308 SWも準備中

ライバルより割高なことは確かだが、乗り心地や操縦性、スタイリング、インテリア、インフォテインメント・システムなど、それを納得させる強みは少なくない。とはいえ、実用性や動力性能、航続距離などには、もう少しを期待してしまうのも本音。

実際のところ、テスラ・モデル3も視野に入ってくる価格帯にある。よりお手頃で、航続距離が長い同クラスのモデルも存在する。選択肢の上位へ入るには、更なる訴求力が必要かもしれない。

ちなみに、プジョーはステーションワゴンの308 SWにも、バッテリーEV版を用意する準備を進めている。価格次第では、より望ましいチョイスになりそうだ。

プジョーE-308 115KW アリュール(英国仕様)のスペック

英国価格:4万50ポンド(約725万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:9.8秒
航続距離:379-429km
電費:5.6-6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1684kg
パワートレイン:ハイブリッド同期モーター
駆動用バッテリー:54.0kWh(実容量)
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:156ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

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