■バイクのエンジン音がうるさい…その原因とは?
バイクのエンジン音がうるさい原因は、「エンジン本体からの異音」か「マフラーからの音」が主な原因として考えられ、エンジン本体からの音は、エンジンオイル不足で発生する異音など、音質や場所によって、故障などの疑いも考えなければなりません。
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異音が金属音や打刻音のような「カチカチ」「カタカタ」などの場合、カムとタペットの隙間が大きくなることで起こるタペットの異常打音で、オイルの不足や劣化が疑われる症状です。「ジャラジャラ」などの引き摺り音のときはカムチェーンの異常で、クラッチを握った時だけ「カラカラ」などの音がするときはクラッチの異常が考えられます。ベアリング関係の摩耗による走行中の「シャー」という音は、エンジンの異音と勘違いし易い症状です。
マフラーが原因の騒音の増大は、主に「劣化」による排気漏れが疑われ、マフラー本体のどこかに錆などでサイレンサーに穴が空くなどの故障や、基本的な取り付けミスで接合部がズレ、そこから排気が漏れているなどの症状が考えられます。また、社外品のマフラーのなかには音量が大きく、公道での使用を禁止している製品もあります。
ほかにも、アフターファイヤーなどの瞬間的に激しい音を出すときは、エアクリーナーの詰まりや汚れなどでうまく吸気のバランスが取れていないことや、キャブセッティングの不調を示すサインです。これらの症状が出たときには、一度吸気系の点検・調整・修理をお勧めします。
マフラーの音量は、「dB(デシベル)」という基準数値で規制値が決められ、JMCA(全国二輪車用品連合会)によるマフラー音量の規定は、年を追うごとに厳しくなっています。1998年の近接排気音基準値は原付95dB・普通二輪99dBだったのが、2001年には原付84dB・普通二輪94dBになり、2010年には加速時の音量についても条件が付き、原付バイク79dB普通二輪82dBまで抑えなければなりません。
バイクの音に関する違反は、主に保安基準違反にある「整備不良」によって取り締まりを受けることになり、違反点数2点と反則金(二輪6000円/原付5000円)が科せられます。
なお、道路交通法第71条第5号の3(運転者の遵守事項)で、「著しく他人に迷惑を及ぼす騒音を生じさせる方法で、自動車もしくは原動機付き自転車を急に発進させ、もしくはその速度を急激に増加させ、または自動車もしくは原動機付き自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと」という規則があります。つまり“空ぶかし”などの禁止ですが、このような行為がなくとも、規定値を超える音量はアイドリング時の騒音でも問題になることもあります。
■バイクのエンジンの音がうるさいときの対処法
バイクのエンジンが異音を発するときは、まずはオイルの量を確認します。正しい量が入っている場合には、オイルの劣化が考えられ、交換することで改善する場合もあります。
また、前述の「カチカチ」「カタカタ」などタペット音や、「ジャラジャラ」というようなカムチェーンの音が、オイル交換で改善しない時には「タペット調整」や「カムチェーン調整」が必要です。状況によっては部品交換などの必要性も出てきます。
走行中の音については、エンジンからの音か、駆動部分からの音なのかをしっかりと確認して、音の鳴る場所に合わせた対処が必要です。しかしながら、異音が出たときに初心者ができる作業はあまりありません。まずはバイク屋さんなどで点検することをおすすめします。
マフラーからの音に対する対処法としては、まず「取り付け部」と「錆からくる穴などがないか」をチェックするようになり、マフラーが社外品のときには新車販売のときの基準値に適合しているかも重要です。
2016年以降に販売されたバイクで、車検が必要な250ccを超えるバイクについては、登録時に車検証の備考欄に「近接排気騒音値」という数字が記載されています。マフラーを社外品に交換する場合、この基準値に適合している必要があります。この数値を超える製品では車検に通りません。たとえ2016年以前のモデルでも、前述したJMCA基準値を超える場合、取り締まりの対象となるので注意しましょう。
逆に、マフラーの音が小さくなったと感じるときには、マフラー内部の詰まりが考えられますので、これを取り除かないで乗ると不調の原因にもなるので、マフラー音の変化を感じたときにはすぐに点検に出すようにしてください。
※ ※ ※
バイクのエンジンから聞こえる異音は、おおむね不調を訴える場合が多いので、気付いた時には早めの対処が必要です。
マフラーからの騒音については、逆に年々厳しくなる規制に合わせた厳罰があるだけでなく、トラブルの原因にもなりかねません。大きな道路までエンジンを始動せず押して出るなど、近隣住民への配慮、迷惑をかけない運転を心がけましょう。
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