9月9日、ドイツ・ニュルブルクリンクで『レッドブル・フォーミュラ・ニュルブルクリンク』のイベントが開催。ドイツでは珍しく9月に入っても猛暑日が続き、気温30度を超える炎天下のなか、6万人もの観客が早朝からニュルブルクリンクに詰め掛けた。
イベントは前売りチケットが早々に売り切れ、追加の当日券も販売されるほどの人気ぶり。同週末にはニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)の12時間レースが開催されており、このレッドブルのイベントではグランプリコースの“ミューレンバッハ”がイベントエリアとして用意された。
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レッドブル・フォーミュラ・ニュルブルクリンクには、セバスチャン・ベッテル、デイビッド・クルサード、ゲルハルト・ベルガーなど、大先輩にあたる大御所らとともに、スクーデリア・アルファタウリからF1に参戦する現役日本人ドライバーの角田裕毅も参加。角田には特に若い女性ファンから熱狂的な声援が多く、ドイツでの人気は相当なものだった。
そんな角田は今回、北コースの愛称でおなじみのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェをホンダNSX GT3 Evoで初走行した。その走行後、角田に感想を聞いた。
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──ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを走行するのは初めてかと思いますが、イベント当日を迎えるにあたり、何か準備をしてきましたか?
角田裕毅(以下、角田):特に準備はしてきませんでした。初めて尽くしだったので、走り込む準備というよりは、自分自身もこのイベントをファンと一緒に大いに楽しむためにニュルブルクリンクを訪れました。
──ノルドシュライフェでは過去にF1レースが開催されていましたが、ハイテクマシンで戦う現役F1ドライバーの角田選手が、もしこのサーキットで再びF1レースが開催されるとしたら、どんなことになると想像しますか?
角田:現在F1が開催されているサーキットとは、まったく世界が違い過ぎて想像がつかないです。まず、このコースに慣れること、レースを迎えるまでにやらなければいけない準備が数多くあると思います。エスケープゾーンも殆ど存在しないような狭い場所も多くあるので、現在F1が開催されているサーキットにはないコースレイアウトです。なので『走ってみたい』という気持ちもありますけど、安全面を考えると少し不安もあります。でも、チャレンジングで素晴らしいサーキットだと感じました。
──日本のレース関係者がニュルブルクリンクを走る楽しさを数多く発信されているのを見聞きされていると思います。初走行のノルドシュライフェの感想はいかがですか?
角田:ホンダNSX GT3で走ることができたのは、とても嬉しかったです。NSX GT3だったらからこそ、ノルドシュライフェの独特なレイアウトを非常に楽しむことができました。ドライバーとしては、フォーミュラカーよりもGTマシンの方がニュルブルクリンクを走る楽しみを実感できたのではないかなと思います。レーシングドライバーとして『ノルドシュライフェを走る経験ができた』ということを発信できるのは非常に嬉しいことですし、今日ニュルブルクリンクに来たことはとても良かったことだと思います。
──ニュルブルクリンクにはいくつかのジャンピングスポットがあります。今回はデモランなので、そこまでスピードは出していなかったと思いますが、レーシングカーがジャンプする体感はありましたか?
角田:リハーサルとイベント本番で合計4周しか走行していないので、まだ攻める走りはできていません。ですが、少し飛んでいる感覚はありましたよ。
──ホンダの大先輩でもあるゲルハルト・ベルガーが、角田選手のキャラクターをとても評価されていました。
角田:ベルガーは、以前スクーデリア・トロロッソをフランツ・トスト(チーム代表)とともに率いていた立場の方なので、そのような方に評価していただけることは非常に嬉しいです。ベルガーはいつも素晴らしいアドバイスをしてくれるので、とても良い関係にあります。
──残念ながら、前戦のイタリアGPではトラブルでレースをスタートすることができませんでした。日本GPを目前に控え、日本の多くのファンは鈴鹿サーキットでの角田選手の活躍を期待していると思います。そんな日本GPへ向けての気持ちはいかがですか?
角田:イタリアGPでは残念ながらエンジンが止まってしまいましたけど、シンガポールGPと日本GPでは新しいエンジンを投入し、グリッドペナルティなしで走ることができると思います。
特に日本の鈴鹿サーキットでは、F1デビューから3年間、僕のことを応援し続けてくれているファンのみなさんのためにも良い走りをして、その応援に対する感謝の気持ちを込めて恩返しをしたいですし、僕の走りで感謝の気持ちを伝えられたらと願っています。また、母国レースなので、自分のためにも楽しんで走りたいと思っています。
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日本で負けたら恥ずかしいぞ