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【懐かしの輸入車 63】ヒュンダイ TBは日欧のコンパクトカーをターゲットに生まれた自信作だった

掲載 更新 11
【懐かしの輸入車 63】ヒュンダイ TBは日欧のコンパクトカーをターゲットに生まれた自信作だった

今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ヒュンダイ TB」だ。

ヒュンダイ TB(2002年)
TBはヒュンダイが満を持して送り出したコンパクトカーだ。本国の韓国では「クリック」、それ以外の地域では「ゲッツ」などの車名で販売されているが、日本では登録商標の関係で、開発コード名だった「TB」がそのまま使われている。ちなみに、TBとは「Think Basic」の略でもあるという。

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日本市場ではまだまだ知名度の低いヒュンダイだが、その実力を侮ってはいけない。昨年度(編集部註・2001年度)の年間販売台数は、世界第8位なのだ。いわゆるビッグ3(GM、フォード、クライスラー)、そしてフォルクスワーゲンとトヨタで5位まで占められてしまうのだから、8位という位置は、けっこうすごいということに納得してもらえるだろうか。

そんなヒュンダイの最新モデルがTBだ。エクステリアのデザインはきわめてクリーンかつシンプルにまとめられており、それまでのヒュンダイ車に見られた曲面を多用したデザインとは一線を画している。その理由は、このTBが主にヨーロッパをターゲットにしたモデルであり、北米での販売を予定していないから。つまり、アメリカ人の好みに合わせる必要がなかったからといえるだろう。

全長は3.8mちょっとと、Bセグメントのコンパクトカーとしては比較的大柄な部類に属する。それでもあまり大きさを感じさせないのは、全高が1500mmを切っているからだろう。室内は日本のコンパクトカーに比べると、それほど広々とした印象を受けないが、これはシートを比較的大きめに作り、とくに座面の前後長に余裕を持たせてリラックスした乗車姿勢をとれるようにしているからだ。これはフロントシートだけでなくリアシートも同様だ。

搭載されるエンジンは1.3Lの直4 SOHCで最高出力は82psと、スペック的にはたいしたことはないのだが、3000rpm以下の実用域でのトルクを重視した、ヨーロッパ車のような実用主義のセッティングだ。高速道路を走っても必要十分なパワーはあるし、4速ATも洗練されている。

パワーステアリングのフィールやロードノイズなどは、クラス相応かなと感じさせるが、高速道路での直進安定性やコーナリングでのロードホールディングは十分満足できるレベルにあった。

ベーシックグレードなら89万8000円、最上級グレードでも109万8000円という価格は、日本のコンパクトカーに比べても安い。性能も納得できる。だが、日本車の値引きやリセール、そしてディーラーやサービスのネットワークを考えると、ヒュンダイはまだまだ日本市場では苦戦するだろう。クルマは、安いだけでは売れないのだ。

それでも、TBからはヨーロッパ的なクルマ造りを真摯に学ぼうという姿勢が十分に伝わってくる。そしてそれは、既に具現化されている部分もある。コンパクトカー造りに一家言ある日本のメーカーも、安穏としてはいられないだろう。(編集部註・ヒュンダイは2009年に日本市場での乗用車販売から撤退しています)

■ヒュンダイ TB 1.3GLS 主要諸元
●全長×全幅×全高:3810×1665×1495mm
●ホイールベース:2455mm
●車両重量:1070kg
●エンジン形式:直4・3バルブSOHC・横置きFF
●排気量:1341cc
●最高出力:60kW(82ps)/5500rpm
●最大トルク:117Nm(11.9kgm)/3000rpm
●トランスミッション:4速AT
●タイヤ:175/65R14
●車両価格(当時):109万8000円

[ アルバム : ヒュンダイ TB はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

11件
  • このクルマは
    当時ヒュンダイの中で一番まともなクルマと
    言われていたけど、価格は他社と大差なく
    そこでブランド力の無さが露呈して売れなかった。
  • 一度だけ乗る機会があったが走りは特にも目立つことなく普通。
    ただ内装のからなんだろうかダンボールがヤバくなったような臭いがした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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