ハースのニコ・ヒュルケンベルグは、F1ラスベガスGPを8位でフィニッシュ。レース中、コンストラクターズランキング6位を争うRBの角田裕毅をオーバーテイクできたのは大きかったと語ると共に、角田とは非常に良いバトルができたと語った。
ヒュルケンベルグは9番グリッドからスタート。標的は、ふたつ前のグリッドからスタートした角田、そして3番グリッドからスタートしたアルピーヌのピエール・ガスリーだった。
■7番グリッドスタートも、苦しい苦しいレースを強いられた角田裕毅。しかしペレスを抑え切り9位確保「FP1から良いマシンを手にできれば……」
ハースはアルピーヌやRBとコンストラクターズランキング6位を激しく争っており、ヒュルケンベルグとしてはこの2台の前でフィニッシュできるかどうかは、今後の情勢を占う上で大事だったと言えた。
ガスリーはマシントラブルによりリタイアしたものの、角田は好ペースで周回を重ね、攻略は簡単ではないように見えた。そのためハース陣営としては、最後のピットストップを遅らせる策に出る。角田が29周目に最後のピットストップを行なったのに対し、ヒュルケンベルグは33周目にピットイン……その分のタイヤのフレッシュさをアドバンテージとして活用しようとしたのだ。
結局はこれが大成功。ヒュルケンベルグは44周目に角田を交わして8位フィニッシュを果たすことになった。
「今のところは、どんなポイントも重要だ。今日はチャンスを最大限に活用できたことを嬉しく思う」
ヒュルケンベルグはレース後にそう語った。
「ペースはあったんだけど、タイヤとグレイニングの面で非常にタフでチャレンジングなレースだった。中団グループの全員が、同じ症状と難しさを抱えていたと思う。でも、うまく対処できたと思う」
「戦略を少し変えてピットインを遅らせて、最後よりフレッシュなタイヤで走ろうと決めたんだ。それがうまく機能し、報われることになった。とても嬉しいね」
角田とのバトルは、非常にフェアだったとヒュルケンベルグは振り返る。
「ターン14でユウキを抜いた。外からね。サイド・バイ・サイドのような感じになったんだけど、フェアで良いレースだった。彼はちゃんとスペースを残してくれた」
「後ろからはフェルナンド(アロンソ/アストンマーティン)が近づいてきていたと思う。でも、僕らのペースが、アストンよりも少し良いことは分かっているし、彼のタイヤは僕らと比べてかなり古いモノだった。たぶん10周以上古いモノだったんじゃないかな。だから、いつでも彼をコントロールできるとは思っていた」
「それよりも重要だったのは、ユウキの後方の乱れた空気の中でタイヤをコントロールし、バッテリー残量をコントロールして、彼を抜くタイミングを図ることだったんだ」
今季のF1は残りは2戦。そのうち1戦(カタールGP)はスプリントイベントである。そこでの争いを勝ち切り、最後にチームと共に祝いたいと、ヒュルケンベルグは言う。
「このチームで、僕はとても楽しんでいる。何度も言っているとおりにね。そしてもちろん、力強くありたいと思っている」
「昨年の冬から今年にかけて、僕らは本当に良い仕事をしてきたと思っている。そしてもちろん、アブダビの日曜日の夜には、チームとお祝いができるといいね」
「でもあと2戦だ。最後まで接戦になるだろう。誰かがその結果を僕らに手渡してくれるわけじゃない。次の2戦でしっかりと勝ち取る、そのための良い仕事をしなきゃいけないんだ」
ラスベガスGPを終えた段階で、ハースは今季の獲得ポイントを50としてランキング6番手に復帰。しかし7番手のアルピーヌは49、8番手のRBは46……大激戦が続く。
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