MotoGPのレジェンドであり、現在は4輪レースに挑戦しているバレンティーノ・ロッシ。1ヵ月後の世界耐久選手権(WEC)ルーキーテストでは、BMWのLMDhプロトタイプカーであるMハイブリッドV8を初ドライブし、輝かしいモータースポーツキャリアに新たな一歩を踏み出す予定だ。
7度のMotoGPチャンピオンに輝き、2021年限りでMotoGPを引退したロッシは、その後ラリーにも挑戦。現在はBMWのファクトリードライバーとして、WECのLMGT3クラスやGTワールドチャレンジ・ヨーロッパなどに参戦している。
■ロッシ、来年はレース活動縮小?「16レースは多すぎる。WECとGTワールドチャレンジ、どっちをやるのか決めないと」
彼にルーキーという言葉は全く似合わないが、彼はWECのシーズン最終戦翌日の11月3日にバーレーンで行なわれるルーキーテストで、BMW MハイブリッドV8をドライブする。
F1でレースをするという少年時代の夢がかなっていれば、WEC最高峰クラスへの挑戦の道筋は全く異なるものになっていたかもしれない。motorsport.comの独占インタビューで、45歳のロッシはMotoGP後のキャリアについて、そしてフェラーリでF1レースをしたかったと語った。
「僕の夢はクルマで、そしてF1でレースをすることだった」と彼は言う。
「それというのも、僕の父はオートバイのレーサーだったんだ。オートバイのあと、彼はいま僕がやっているようにクルマに乗り換えた。だから彼は、クルマなら少しは危険も少ないだろうと、僕にカートを始めるように勧めたんだ」
そんな父の心配をよそに、ポケバイでのレースも始めた幼い彼は才能を発揮。カートでも速さを見せたが、バイクの道を進んでいくことになった。
ロッシはその後ロードレース世界選手権で快進撃を見せ、2000年に500ccクラスにステップアップすると、2年目に16戦中11勝をマークし、最高峰クラスで初王者に輝いた。
翌年500ccクラスがMotoGPクラスへと改編されて以降も、ロッシの活躍は凄まじく2005年まで5連覇。2004年にホンダからヤマハに乗り換えての偉業だった。
その間には、F1に乗るというロッシの夢が叶う出来事があった。ロッシは2004年4月、フィオラノでフェラーリのF1マシンを初めてテスト。自分のヘルメットではなく、ミハエル・シューマッハのスペアヘルメットをかぶってコースを走り、シューマッハーからF1転向の太鼓判を押された。
ロッシのこの試みはただ”楽しむため”だけに終わらなかった。ロッシは真剣にF1への挑戦を考えていたのだ。
ロッシは2005年にもフィオラノでシェイクダウンを行なった後、2006年のプレシーズンテストにフェラーリから参加。シューマッハーが引退を考えるようになったのに伴い、ロッシはフェラーリ入りを真剣に検討していたが、彼自身も契約年でありMotoGPに留まるためにヤマハとの再契約を決めた。
「自分がトップにいる時に辞めたくなかったから、できるだけMotoGPでレースをしようと思ったんだ」
そうロッシは当時の状況について語った。
「我慢できなくなるまで続ける方が好きだった。僕にとってモーターサイクルへの情熱は常に素晴らしいものだったし、まだ何かを与えられるときに早々に引退して悔いを残したくなかった。MotoGPのキャリアが終われば、クルマに乗る準備はできていたんだ」
「オートバイでの冒険が終わったら、クルマでレースをすることは常に頭の中にあった。フェラーリでのテストの後、もっと早く辞めてF1に移籍する可能性もあったが、モーターサイクルに留まることにした。正直なところ、それは正しい選択だった」
「とはいえ常に時間を見つけては、クルマでのレースも学ぶようにしていた。モンツァのラリー・ショーはMotoGPシーズンの終わりに開催されるので、何年も参加していた。2006年のニュージーランドにはスバルから、2008年のラリー・グレートブリテンにはフォードからWRCに参戦した」
「でもラリーは別のもので、僕はサーキットでのレースのほうが好きなんだ。その方が得意だし、オートバイにも近いんだ。だから自分に何ができるかを考えて、いろいろ試してみたんだ。そしてGT3がベストに思えた」
「2012年はモンツァとニュルブルクリンクのブランパン耐久シリーズで、ケッセル・レーシングのフェラーリに乗ったけど、その後はもう時間がなかった。可能なときは、ガルフ12時間など他のイベントにも参戦して、常に自分をアクティブに保っていた」
2006年のテストの後、彼がMotoGPではなくF1に専念することを決めていたらどうなっていただろうかと考える者は多いだろうが、明らかなのはロッシに後悔や逃したチャンスを嘆く気持ちはないということだ。
彼は今、WECでトップに立つことに集中しており、バーレーンでのルーキーテストでは次のステップに進むことができるだろう。しかし、かつてのF1への憧れと同様、彼は自分の期待をしっかりと抑えている。
「ハイパーカーでレースをしてみたいよ」と、ロッシは語る。
「プロトタイプカーの”MotoGP”だからね。でもそれは僕が設定した目標ではない。GT3で強いドライバーになれればそれでいいし、もちろん(ハイパーカーに乗れる)可能性が出てくれば引き下がったりはしない」
ロッシは2022年にパートナーであるフランチェスカ・ソフィア・ノヴェッロさんとの間に第一子となる娘が誕生。2025年には第二子も生まれる予定になっている。
そうした背景もあって、2025年はレース活動を今年より縮小する意向を示しているロッシだが、これは彼がレースから遠ざかっていることを意味しているわけではない。まだまだ、彼のレースへの情熱は燃え盛っているのだ。
「少なくともあと10年はクルマでレースをしたい。それが目標だし、人生に確実なことはないけれど、長くレースを続けたいね」
「このクルマ(GT3)の場合、ドライビングはとてもテクニカルだけど、体力的には若くなくても不利にはならない。だから何年か続けられると思うし、何より楽しいから。そのために僕たちはここにいるんだ!」
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