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F1技術解説:挽回を図るべくF1第2戦に投入されたフェラーリの新型フロントウイング

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F1技術解説:挽回を図るべくF1第2戦に投入されたフェラーリの新型フロントウイング

 フェラーリは今週末のF1第2戦シュタイアーマルクGPに、改良型フロントウイングを持ち込んだ。本来なら第3戦ハンガリーGPで、本格的なアップデートを行う計画だった。しかし開幕戦オーストリアGPでは中団勢にすらかなわないSF1000の戦闘力低下が明らかになり、急きょその一部を投入したのだった。

 マッティア・ビノット代表はシーズン開幕後のアップデートについて、「特に空力面を根底から見直した、非常に大きなものになる」と語っていた。しかし今回の新フロントウイングを見る限り、その変更は残念ながらごく限られたもののようだ。

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 確かに去年のレッドブルRB15がそうだったように、外見からは控えめな変更に見えても、それが大きな成果を上げることがある。しかしフェラーリは、やはり特別な存在である。われわれ報道関係者もファンたちも、もっと大きな変貌を期待していたのだ。


 新仕様のフロントウイングは、上方気流をマシン外側に逃がす『アウトウォッシュ』のコンセプト自体は変わっていない。以前と同じようにフラップが、翼端板方向に向かって落ちて行く形状だ。ただしその傾斜は、より急角度になっている(緑色の縁取りと青矢印参照)。

 一方で翼端板外側に付くフットプレートは、前端が大きく丸みを帯びた(黄色矢印参照)。フェラーリは去年のSF90で前端が平らなフットプレートを導入したが、実はそれ以前は丸い形状だった。つまり当初の仕様に、戻しただけともいえるのである。

 本来なら新形状のフロアを導入して、その時点で初めて空力パッケージのアップデートが完成するはず。それは次戦ハンガリーGPまで、待たないといけないようだ。

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