現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 『トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ』空力のよさを活かして戦ったセダン【忘れがたき銘車たち】

ここから本文です

『トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ』空力のよさを活かして戦ったセダン【忘れがたき銘車たち】

掲載 7
『トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ』空力のよさを活かして戦ったセダン【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)を戦った『トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ』です。

* * * * * *

『トヨタ・カローラFX(AE82型)』シビックとの“FF対決”に先勝したホットハッチ【忘れがたき銘車たち】

 1993年まで使われていた車両規定“グループA”に代わり、世界と足並みを揃えるべく、1994年からFIAのクラス2ツーリングカーという車両規定を取り入れて、ニューツーリングやスーパーツーリングと呼ばれた2.0リッターNAエンジンを積む4ドアセダン(一部例外もあり)で争われるようになった全日本ツーリングカー選手権(JTCC)。

 この記念すべきオープニングイヤーのJTCCに、トヨタ車勢では、すでに先行してクラス2ツーリングカーが戦っていたイギリスツーリングカー選手権(BTCC)で実績があり、トムスやセルモなどが走らせたトヨタ・コロナ、TRDがFETレーシングとタッグを組んで開発したトヨタ・カローラなどが参戦していた。

 上記2車種に加えて、もう1車種(正確には2車種)、JTCC初年度の1994年にエントリーしていたトヨタ車がいた。それが『トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ』だ。

 『カローラセレス(セレス)』および『スプリンターマリノ(マリノ)』はAE100系カローラの派生車として、100系カローラの登場から約1年後の1992年にデビューした4ドアハードトップセダン。同じトヨタから販売されていた『コロナエクシヴ』や『カリーナED』のような室内空間をある程度犠牲にしてスタイリングを重視したキャビンの薄い“ファッショナブル”セダンだった。

 ちなみに『セレス』と『マリノ』とでは、フロントマスクやリヤのテールレンズなどのデザインが異なっていたほか、『マリノ』のほうが『セレス』より全長が20mm長いなどの違いがあった(全幅などは共通)。

 そんなスタイリングを優先したセダンである『セレス/マリノ』は、ルーフが低く前面投影面積が小さかったため、空力性能で有利な面があった。そこに目をつけたのがグループA期の全日本ツーリングカー選手権でも強さを見せていた強豪・名門プライベーターである“職人”、土屋春雄が率いた土屋エンジニアリングと当時、現GTアソシエイション会長の坂東正明が代表だった時代のレーシングプロジェクトバンドウだった。

 土屋は『セレス』、バンドウは『マリノ』を選択してJTCCマシンを仕立てていったのだが、サスペンションに土屋はスーパーストラット、バンドウはストラットとグループAで使われていたものを流用するなど(シーズン途中にはJTCC専用のストラット式サスペンションが導入されている)、前年までグループAで戦っていたAE101型カローラレビンのノウハウを存分に使って製作されていた。

 またフロントに18インチ、リヤに15インチという前後で径の大きく違うタイヤを履いていたのも『セレス/マリノ』の大きな特徴だった。

 こうして誕生したJTCC仕様の『セレス/マリノ』は1994年の開幕戦であるオートポリス(この当時は名称が大分阿蘇レーシングパークだった)から戦いをスタートさせた。

 目論見通り、空力のよさなども活かし、なかでもADVANセレスは各レースで最高速をマークしていたのだが、最高位はMINEサーキットラウンドの第10戦における4位に留まるなど、苦戦が続いていた。その戦況はウェッズスポーツマリノも同様だった。

 そして表彰台登壇もないまま、1995年の序盤戦まで戦った後、土屋、バンドウともに、より戦闘力の高い『コロナエクシヴ』へとマシンをスイッチしていったのだった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トムスが『クラウンスポーツ』と『ランドクルーザー』に新たな魅力を付与。TAS2025に出展へ
トムスが『クラウンスポーツ』と『ランドクルーザー』に新たな魅力を付与。TAS2025に出展へ
AUTOSPORT web
え、予約始まってんの!? テスラ新型ロードスターがスゴい
え、予約始まってんの!? テスラ新型ロードスターがスゴい
ベストカーWeb
「自動運転ってどうなの?」  新調査で明らかになった、ドライバーレス車に対するドライバーの最大の懸念
「自動運転ってどうなの?」 新調査で明らかになった、ドライバーレス車に対するドライバーの最大の懸念
LE VOLANT CARSMEET WEB
インテルとカルマが共同開発、SDV向けアーキテクチャ発表へ…CES 2025
インテルとカルマが共同開発、SDV向けアーキテクチャ発表へ…CES 2025
レスポンス
スポーツカー分野でも根強い人気のメルセデス/ラリーの歴史を塗り替えたアウディ【F1を戦う自動車メーカー紹介Vol.2】
スポーツカー分野でも根強い人気のメルセデス/ラリーの歴史を塗り替えたアウディ【F1を戦う自動車メーカー紹介Vol.2】
AUTOSPORT web
メリットあったのに「センターメーター」なぜ廃れた? 初代「プリウス」から普及するも最新モデルは“運転席前”へ移動! 廃止が相次ぐ意外な事情とは?
メリットあったのに「センターメーター」なぜ廃れた? 初代「プリウス」から普及するも最新モデルは“運転席前”へ移動! 廃止が相次ぐ意外な事情とは?
くるまのニュース
新型EVバス『T15E』、極寒耐久テスト完了…マイナス20度で航続600km以上を実証
新型EVバス『T15E』、極寒耐久テスト完了…マイナス20度で航続600km以上を実証
レスポンス
ティアフォー、自動運転の最前線レベル4技術出展へ…CES 2025
ティアフォー、自動運転の最前線レベル4技術出展へ…CES 2025
レスポンス
6速MTのみで新車232万円! トヨタ「ヤリス カップカー」に反響多数! 6点ベルト×「専用サス」に「硬派!」「本気(マジ)もんの走り屋仕様だ」の声も! ムダ装備“全カット”で色気ゼロ・走り特化の「めちゃ硬派モデル」とは
6速MTのみで新車232万円! トヨタ「ヤリス カップカー」に反響多数! 6点ベルト×「専用サス」に「硬派!」「本気(マジ)もんの走り屋仕様だ」の声も! ムダ装備“全カット”で色気ゼロ・走り特化の「めちゃ硬派モデル」とは
くるまのニュース
BBS、東京オートサロン2025にブース出展。新素材採用のニューフラッグシップ・ホイールを発表へ
BBS、東京オートサロン2025にブース出展。新素材採用のニューフラッグシップ・ホイールを発表へ
AUTOSPORT web
ええええ、2400万もすんの!? 2000年代の三菱車がスゴイことになってる件
ええええ、2400万もすんの!? 2000年代の三菱車がスゴイことになってる件
ベストカーWeb
『007』のボンドカーにアルピナ版があった! BMW「Z8」ベースの「ロードスターV8」は本家よりもお高い6500万円で落札!
『007』のボンドカーにアルピナ版があった! BMW「Z8」ベースの「ロードスターV8」は本家よりもお高い6500万円で落札!
Auto Messe Web
ジープの限定車「アベンジャー・アルティチュード・レイク」発売へ!美しい青緑のボディカラー”レイク”が映える!
ジープの限定車「アベンジャー・アルティチュード・レイク」発売へ!美しい青緑のボディカラー”レイク”が映える!
LE VOLANT CARSMEET WEB
EV「ジーカー」とMapboxが提携、「CES 2025」で次世代ナビゲーション技術発表へ
EV「ジーカー」とMapboxが提携、「CES 2025」で次世代ナビゲーション技術発表へ
レスポンス
【このGLS 63 AMGなんぼ?】アンビリーバボー!2.5億円があればサッカー界のスーパースターのメルセデスAMG GLS 63が買えます
【このGLS 63 AMGなんぼ?】アンビリーバボー!2.5億円があればサッカー界のスーパースターのメルセデスAMG GLS 63が買えます
AutoBild Japan
【これで本当にマイナーチェンジ?】新型アストン マーティン・ヴァンテージは見た目も走りも全般改良!
【これで本当にマイナーチェンジ?】新型アストン マーティン・ヴァンテージは見た目も走りも全般改良!
AUTOCAR JAPAN
マツダ初のEV専用車に搭載、電池パック工場新設…2027年稼働へ
マツダ初のEV専用車に搭載、電池パック工場新設…2027年稼働へ
レスポンス
自動運転向け多機能車内モニタリングカメラ、LGイノテックが初公開へ…CES 2025
自動運転向け多機能車内モニタリングカメラ、LGイノテックが初公開へ…CES 2025
レスポンス

みんなのコメント

7件
  • mhs********
    懐かしいJTCC、スプリンタマリノ、藤井フミヤですね...
  • ********
    S14前期って、この車のデザインのパクリですよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村