6.0L V12に7速MT 軽さを追求
イタリアの自動車メーカー、パガーニは、ウアイラの後継モデルとして新型ユートピア(Utopia)を公開した。V型12気筒自然吸気エンジン、7速マニュアル・トランスミッションを搭載し、軽量設計が特徴である。
【画像】唯我独尊スーパーカー【新型パガーニ・ユートピアをウアイラやゾンダと写真で比較】 全60枚
ユートピアは、パガーニにとって3台目のスーパーカーとなる。ライバルの電動化の動きや、必然的な重量ペナルティから一歩距離を置き、軽さと「ドライビングプレジャー」という伝統的な特性を重視して作られている。
カーボン製チューブを採用し、車両重量は1280kgに抑えた。これはウアイラより67kg、ライバルのピニンファリーナ・バッティスタ(電気駆動)より716kgも軽い。
また、ウアイラでは7速シーケンシャルATを搭載していたが、ユートピアにはXtrac製の軽量な7速MTが採用され、ゾンダ以来のゲート式シフトとなっている。また、市街地走行ではオートマチックモードに切り替えることができるなど、使い勝手の良さも考慮されている。
MT復活を決定した理由として、「オートマチック・トランスミッションがどんなにインテリジェントになったとしても、ドライバー自身がギアチェンジを使いこなすことに勝るものはない」とパガーニは述べている。
エンジンは、メルセデスAMG製6.0L V12ツインターボを搭載し、最高出力876ps、最大トルク112kg-mを発生する。ウアイラのワンオフモデルであるNCよりもハイパワーだ。
ブレーキはブレンボ製カーボンセラミックディスク。フロント21インチ、リア22インチの鍛造ホイールにはピレリPゼロ・コルサを装着する。サスペンションとしては、ヘリカルスプリングと電子制御ショックアブソーバーを備えたダブルウィッシュボーンを装備している。
時代を越えたアナログなデザイン
パガーニのオーナー兼チーフデザイナーのオラチオ・パガーニは、ユートピアのデザインについて、「タイムレス」で「シンプル」な外観を追求したと語っている。
6年間の開発期間を経て、アグレッシブな先代ウアイラに比べ、ソフトな印象のクルマとなった。スポイラーなどのアドオンは廃止され、機能的な外観でありながら、ウアイラよりもダウンフォースを高め、ドラッグを低減させることに成功している。リアには、パガーニの定番であるクワッドエグゾーストが備わる。
オラチオ・パガーニは次のように述べている。
「わたし達は、情熱と努力と犠牲を払って、時代を超越する最先端テクノロジーを駆使したクルマを作り上げました」
「この精力的で創造的なプロセスに没頭した後、このプロジェクトが表す理想はわたしにとって非常に身近なものとなりました。それを表現しようとするいかなる試みも、不十分に感じられます」
インテリアでは、削り出しのスイッチ類など細部へのこだわりが感じられる仕上がりとなった。シャシーやパワートレインと同様、キャビンもほぼアナログで、ドライバーの前には小さなスクリーンが1つだけ存在する。新デザインのステアリングホイールは、無垢のアルミニウムブロックから削り出されたもの。
新型パガーニ・ユートピアは99台の限定生産で、価格は未定ながら、すでに完売となっている。今後、サーキット仕様やコンバーチブルの発売も検討されている。
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