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サンパウロで密かに奇跡を期待していたザウバー「皆のスタート違反に唖然。全員にペナルティが出ると思った」

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サンパウロで密かに奇跡を期待していたザウバー「皆のスタート違反に唖然。全員にペナルティが出ると思った」

 F1サンパウロGP決勝のフォーメイションラップでの混乱により、キック・ザウバーが驚きの結果を出した可能性があったと、チームは考えている。前方グループはスタート中止後にレギュレーション違反を犯したものの、ザウバーはバルテリ・ボッタスと周冠宇に正しい指示を出していた。

 フォーメイションラップでランス・ストロール(アストンマーティン)がコースオフしてスタック、レースディレクターは、安全を考慮し、スタートを中止することを決めた。フォーメイションラップ開始後にスタート中止の指示が出た場合、ドライバーはグリッドにマシンを停止し、フォーメイションラップの手順がやり直されることになる。

スタート手順に違反したノリスとラッセル、罰金のみで順位変わらず。角田とローソンは情状酌量によりペナルティなし

 しかし、スタート中止(Aborted Start)手順下となるなかで、フロントロウのランド・ノリス(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)は、許可なく2周目のフォーメイションラップを走り始め、すぐ後ろの角田裕毅とリアム・ローソン(RB)もそれに続いた。数秒後には、新たなフォーメイションラップ開始の表示がなされていないにもかかわらず、トップ10のドライバー全員が2周目のフォーメイションラップを開始していた。

 そんななかでボッタスは、11番グリッドボックスから動かなかった。ザウバーのスポーティングディレクターであるベアト・ツェンダーから「動くな、スタート中止だ」と指示されたからだ。

 同じメッセージが周冠宇にも伝えられたため、グリッド後半のマシンが動き出した後も、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとともに、キック・ザウバーの2台はグリッド上にとどまっていた。

 ツェンダーは、この時の状況を次のように説明した。

「規則では、点滅するオレンジライトの下にグリーンライトが点灯するまでは、誰も動いてはならないと書かれている。グリーンライトが点灯し、『追加のフォーメイションラップ』と表示されて初めて、マシンはグリッドから動いてフォーメイションラップを行うことができるのだ。私はドライバーにそう指示した」

「他チームがドライバーたちを走らせたので、驚いたよ。それは規則違反だったから、全員がペナルティを受ければいいのにと思った」

 しかしその後、一部のマシンが動き出したことにより、全員に周回を始める許可が出た。一方で、そうでなくてもザウバーはマシンを動かさなければならない状況に陥っていた。グリッド上に長時間停車していることで、パワーユニット(PU)の水温と油温に問題が生じる可能性があり、メカニカルトラブルが発生するリスクが高まっていたのだ。

「もし我々より前の全車両が、許可されていないフォーメイションラップ2周目を開始したことで、ドライブスルーペナルティを受けていたら、どうなっていただろうね」とツェンダーは微笑んだ。

 しかし結局、ノリスとラッセルに罰金と戒告処分が科されたのみだったため、ボッタスは13位、周冠宇は15位に終わり、ザウバーはノーポイントから抜け出すことができなかった。

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