現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バイクのヘルメット離脱率30% 広報啓発で下げられるか!? 誰でも知っているができなかった適正着用だけに……

ここから本文です

バイクのヘルメット離脱率30% 広報啓発で下げられるか!? 誰でも知っているができなかった適正着用だけに……

掲載 100
バイクのヘルメット離脱率30% 広報啓発で下げられるか!? 誰でも知っているができなかった適正着用だけに……

 バイクのヘルメットの適正着用が問題になっています。日本自動車工業会と交通事故分析センターの「二輪車全体の死者数のヘルメット着用構成割合推移」は、事故直後の状態で、ライダーのヘルメットが離脱していた離脱率が、死亡事故全体の約30%を占めることを浮き彫りにしました。1995年から四半世紀にさかのぼっても、この割合はほとんど変わりません。もし適正着用であったならば、助かった命があるかもしれない。谷公一国家公安委員長は「広報啓発」が必要だと訴えます。

 谷公一国家公安委員長は2023年7月7日の閣議後会見で、バイクのヘルメット離脱率を下げる対策を次のように話しました。

警視庁の白バイ隊員はなぜフルフェイスではなくジェットヘルメットを採用している?

「依然として二輪車の死亡事故におけるヘルメットの離脱事案がみられる。概ね3割程度。これにはいろいろな理由があると思うが、しっかりと広報が必要ではないかと思っている」

 その実数を日本自動車工業会と交通事故分析センターが分析しました。

 2011年、855人のバイク事故死者のうち264人、死亡事故が減り続ける2020年でも526人中154人のヘルメットが離脱していました。死亡事故を1995年までさかのぼって調べていますが、30%の離脱率は約25年間、ほぼ変わることがありませんでした。

 離脱率を下げることが死亡者数を減らすことに直結するので、これまでも広報啓発は行われていました。警視庁は2022年の7月と8月に「ヘルメットのあごひもの結束状況等」を聞き取り調査しています。約3200人に対してヘルメットの形状別に不適正着用率を集計し、最も顕著だった例として「半キャップ型の36.4%が不適正な着用だった」と、絞り込んでいますが、離脱率を下げるまでには至っていません。

 離脱率30%を抑えるために、新たに考えられる広報啓発はあるのか。これも谷氏が語っています。

「関係機関、団体と連携して今年の6月から離脱実験映像を用いて広報啓発している。ヘルメットの着用に資する有効な広報啓発を推進するように警察を指導する」

 動画は、日本自動車工業会が離脱率30%が25年間も続いていることに驚き、ハイスピードカメラでヘルメットが頭部から離れていく様子を記録したものです。

 ヘルメット離脱の原因が特定されることが適正着用を進めるカギを握ります、警察庁交通企画課は、原因として4つを上げています。

1.ぶつけた衝撃で外れる

2.サイズが合わないヘルメットを選択して外れる

3.経年劣化などの部品損傷。ラチェット(結束部品)、あごひもが切れるなど

4.衝撃で外れるほどゆるくあごひもをしめる、あごひもをしめない

 しかし、死亡事故におけるヘルメット離脱の原因は判然としません。経年劣化で部品が破損することは少ないという消去法で、谷委員長は原因究明の必要性について言及しませんでした。

「しっかり着用していなかったのか、衝突などの衝撃で離脱したのかはともかく3割がずっと変わっていないのはご指摘の通り。しかし、正しい、適正な広報啓発に力を入れることが何より必要ではないか、という視点で警察を指導する」

 警察庁は6月12日、交通局調査官名で都道府県警察あてに「行楽期における二輪車交通安全対策の推進について」という事務連絡を出しました。この中にヘルメットの適正着用について言及しました。

《あごひもをしっかりしめるなどのヘルメットの適正な着用の促進にむけた取組を推進されたい》

 1987年にすべての排気量でヘルメット着用が義務化され、2023年で37年目を迎えます。適正着用で救える命を考えるには、長すぎる時間が過ぎていきます。

関連タグ

こんな記事も読まれています

ホンダ新型「軽バン」6月発表! 斬新2人乗り×真っ黒テールに注目!?  実車展示続々、7月にも
ホンダ新型「軽バン」6月発表! 斬新2人乗り×真っ黒テールに注目!? 実車展示続々、7月にも
くるまのニュース
限定1000台! Acalieが特定小型原付「RICHBIT CITY」と電動アシスト自転車「RICHBIT CITYASSIST」の先行予約を開始
限定1000台! Acalieが特定小型原付「RICHBIT CITY」と電動アシスト自転車「RICHBIT CITYASSIST」の先行予約を開始
バイクのニュース
ジャガー『F-PACE』に最強の「SVR」、575馬力スーパーチャージャー搭載…欧州設定
ジャガー『F-PACE』に最強の「SVR」、575馬力スーパーチャージャー搭載…欧州設定
レスポンス
ディープリム感を演出する「幅リム」がイイ! MONZA JAPANがアフターホイールに新たなトレンドを作る予感
ディープリム感を演出する「幅リム」がイイ! MONZA JAPANがアフターホイールに新たなトレンドを作る予感
WEB CARTOP
パナソニックエナジー、日野が共同開発した大型EVトラクターに電池供給 商用車で初採用
パナソニックエナジー、日野が共同開発した大型EVトラクターに電池供給 商用車で初採用
日刊自動車新聞
NTNがEVの要求「航続」「耐久」「電動制御」に応える製品を出展へ…人とくるまのテクノロジー展 2024
NTNがEVの要求「航続」「耐久」「電動制御」に応える製品を出展へ…人とくるまのテクノロジー展 2024
レスポンス
550馬力直6を搭載した新型「BMW M4 CS」は「M4コンペティション」以上ほぼ「M4 CSL」だ!
550馬力直6を搭載した新型「BMW M4 CS」は「M4コンペティション」以上ほぼ「M4 CSL」だ!
AutoBild Japan
まるで「旧車いじめ」!? 13年超のクルマの「自動車税」なぜ高くなる? それでも旧車に乗り続ける理由とは?
まるで「旧車いじめ」!? 13年超のクルマの「自動車税」なぜ高くなる? それでも旧車に乗り続ける理由とは?
くるまのニュース
一度激減したタクシードライバーが増えてきた! 利用者には喜ばしい半面「経済不安」の現れという側面もアリ
一度激減したタクシードライバーが増えてきた! 利用者には喜ばしい半面「経済不安」の現れという側面もアリ
WEB CARTOP
[15秒でわかる]VW新型『カリフォルニア』…新設計のキャンパーバン
[15秒でわかる]VW新型『カリフォルニア』…新設計のキャンパーバン
レスポンス
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス終了時点
AUTOSPORT web
【正式結果】2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝
【正式結果】2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝
AUTOSPORT web
[カーオーディオ・素朴な疑問]スピーカー…ドアパネルを改造してまで外に出すのはなぜ?
[カーオーディオ・素朴な疑問]スピーカー…ドアパネルを改造してまで外に出すのはなぜ?
レスポンス
ホンダが新型「和製スーパーカー」発売へ 超低い“2ドアモデル”26年登場!? 新シリーズ30年までに7車種投入
ホンダが新型「和製スーパーカー」発売へ 超低い“2ドアモデル”26年登場!? 新シリーズ30年までに7車種投入
くるまのニュース
愛犬家が開発した電動原付「E-Carry Bike Doggie」 開発の経緯は柴犬のトイレ問題!?
愛犬家が開発した電動原付「E-Carry Bike Doggie」 開発の経緯は柴犬のトイレ問題!?
バイクのニュース
【旧車系ユーチューバー】ホンダ ビート:公道アクセル全開!”レッドゾーン”までぶん回せ<おもちのビートch>
【旧車系ユーチューバー】ホンダ ビート:公道アクセル全開!”レッドゾーン”までぶん回せ<おもちのビートch>
月刊自家用車WEB
美しすぎる純「和製スーパーカー」! マツダ新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 期待高まる「アイコニックSP」に反響大
美しすぎる純「和製スーパーカー」! マツダ新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 期待高まる「アイコニックSP」に反響大
くるまのニュース
いまや希少なホットハッチ VW「ポロGTI」に誕生25周年記念モデル登場!全世界で2500台 日本で227台の限定モデル
いまや希少なホットハッチ VW「ポロGTI」に誕生25周年記念モデル登場!全世界で2500台 日本で227台の限定モデル
VAGUE

みんなのコメント

100件
  • フルフェイス、半ヘルなどの区分けで割合を出してほしい
  • 頭の硬さに自信があるのでしょうねぇ。他の人を巻き添えにしないで欲しいものです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村