現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 24時間レース初参戦のMAZDA3 Bio conceptはトラブル発生も完走「次に繋がるレースができた」

ここから本文です

24時間レース初参戦のMAZDA3 Bio conceptはトラブル発生も完走「次に繋がるレースができた」

掲載
24時間レース初参戦のMAZDA3 Bio conceptはトラブル発生も完走「次に繋がるレースができた」

 5月26~28日に静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。ST-Qクラスに参戦するMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは、トラブルに見舞われながらも修復を行い、初の24時間レースを完走した。

 2021年最終戦からスーパー耐久シリーズに参戦を開始したMAZDA SPIRIT RACING。当初は自動車メーカーの開発車両がエントリーするST-Qクラスにバイオディーゼル燃料を使用するMAZDA2 Bio conceptで参戦していたが、2022年最終戦には新型マシンのMAZDA3 Bio conceptを投入し、2023年第2戦富士24時間で同車両初となる24時間レースを迎えた。

マツダ毛籠次期社長がル・マンへの思いを語る「特別な場所。将来のクルマで走る日を夢見ていきたい」

 そんなMAZDA SPIRIT RACINGは富士24時間に向けて、MAZDA3 Bio conceptにいくつかのアップデートを施し、万全の体制で24時間レースを戦う予定だった。

「第1戦から第2戦に向けていろいろな改良を行ってきました。とくにディーゼルエンジンはトルクの立ち上がり方がすごく、一気にトルクが立ち上がったりします。それをいかに直すかを課題にしてきました」と語るのは、マツダ役員としてシニアフェロー・ブランドデザインを努め、MAZDA SPIRIT RACINGではチーム代表兼ドライバーとしてスーパー耐久に参戦する前田育男だ。

「MAZDA3 Bio conceptはミッションをどう補強しても難しい部分があります。四輪駆動やリヤ駆動だったらまだしも、前輪駆動でこのトルクの立ち上がり方をするマシンは世界をみてもありません。ですが、そういった難しいクルマを選んでしまっているのは私の責任でもあるので、なんとかしなければいけないと思っています(苦笑)」

 前田代表は、富士24時間に向けてシフトアップ・ダウン時にトルクを少しカットするなどの細かい電子制御の見直し、さらにフロントグリルの開口部やインタークーラーのサイズを拡大して油温やミッションの熱対策を行い、「考えられることはすべてやってきました」と語っていた。

 そして迎えた富士24時間の本戦。MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは27日15時にスタートが切られた決勝レース序盤は快調な走行をみせた。しかし、夜間走行に入った11時30分ごろ、阪口良平のドライブ中にスロー走行となり、ダンロップコーナー立ち上がりにマシンを止めてしまう。

 レース後、前田代表はトラブルについて「ハブボルトが折れてしまいました。ちょっと想定していなかったです……いや、想定していれば良かったんでしょうけどね……」と言葉少なく振り返る。

 このコース上でのストップによりMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは一時リペアエリアにマシンが運ばれ、ピットガレージでの作業とあわせて2時間ほどの修復作業を強いられることに。

「富士24時間に向けていろいろな対策や準備を行ってきました。ただ、それでもトラブルが出てしまうのがレースなんです」と肩を落とす前田代表。このトラブルを修復しレースに復帰したMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは計529周を走破してチェッカーフラッグを受け、初の24時間レースを完走。「でも、次回に繋がるレースができたと思っています」と前田代表は続け、すでに次戦を見据えていた。

 前田代表によると、現時点でMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptが狙っているのは「ST-4クラスのマシンと勝負できるくらいの速度域」だという。さらにその後は、同じST-Qクラスに参戦するORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptのライバル対決に割って入り、ファンたちに「トヨタ、スバル、マツダという3メーカーバトルを見せることができれば最高ですよね」と目標を述べた。

 2023年の富士24時間の予選タイムでは、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは3分54秒961を記録し、ST-4クラストップのシェイドレーシング GR86は3分56秒422と、MAZDA3 Bio conceptがST-4クラスを上回る速さを披露したが、ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの3分50秒389には少し開きがある。

 マシンの速さという点では確実に進化を遂げているMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept。あとは信頼性を確保できれば目標であるGR86 CNF Concept、BRZ CNF Conceptの対決に割って入ることもできるかもしれない。しかしMAZDA3 Bio conceptはまだデビュー3戦目。24時間レースを経験したマシンは、これから真価を発揮していくだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
WEB CARTOP
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
モーサイ
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
motorsport.com 日本版
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
くるまのニュース
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
レスポンス
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
VAGUE
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ベストカーWeb
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
レスポンス
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
レスポンス
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
くるまのニュース
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
バイクのニュース
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
Webモーターマガジン
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
カー・アンド・ドライバー
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
ダイハツの「“すごい”コペン」登場! 軽規格超えた「ワイドフェンダー」×770ccエンジン搭載! 2L並みパワーでめちゃ速い「デカいコペン」 どんなマシン?
くるまのニュース
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
くるまのニュース
「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
「スゴい事故」発生も…「夏タイヤ履いてるなんて信じられんッ!」 批判の声多数! 夏タイヤで雪道走ると違反? 正しい交換時期の目安とは
くるまのニュース
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村