2021年10月14日に世界初公開されたLX。2022年初頭のデビューを予定しているようだが、デビュー時期や車両価格、そして詳細な仕様など、わからないことがまだまだ多い。
注目が集まるLXを購入するにはいつ頃から動き出せばいいのか、その予算はどのくらいをみればいいのかなど、新型LXの購入に必要な情報を、元レクサスセールスコンサルタントの筆者が大胆に予想していく。LX購入に乗り遅れることがないよう、今から準備をしていこう。
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文/佐々木 亘、写真/トヨタ
[gallink]
■世界初公開だが、まだまだベールに包まれているLXの存在
2021年10月14日に世界初公開されたレクサス LX(エクステリアカラー ソニックチタニウム)※写真はすべてプロトタイプ
メーカーからの公式リリースで触れられたのは、グレードラインナップの拡充、V6、3.5Lツインターボガソリンエンジンの採用、エクステリア・インテリアデザイン、セキュリティ面の強化などの情報である。
ボディサイズ、エンジンスペック、さらに価格等については、まだ発表がない。LXはレクサス次世代モデルの第二弾として発表されているわけだが、第一弾のNXが発表された2021年6月12日のプレスリリースでは、かなり詳細な情報が発表されていた。
ボディサイズはもちろん、パワートレインの種類、タイヤサイズまで数値化され、目玉となる装備や技術も事細かに説明されていたのだ。
NXの発表時に比べると、非常に情報が少ない印象を受けるのがLXのプレスリリースであり、今後、後出しの情報が少しずつ出てくる可能性が高そうだ。
新型LXが世界初公開された2日後には、モスクワでディーゼルモデルのLX500dが披露された。こうした後出しの情報も含めて、新型LXのラインナップや価格帯などを考えていこう。
■標準グレードは8人乗りから7人乗りへ、5人乗りは後発となるか?
標準グレードは現行の8人乗りから7人乗りとなる(インテリアカラー クリムゾン)
グレード体系については、ほぼ確報が出ていると考えていいだろう。現行型のモノグレード体系を見直し、標準・EXECTIVE・OFFROADの3種を展開する。
標準グレードについては、現在の3列シート8人乗りから、3列シート7人乗りへ変更される。現行型で追加設定された2列シート5人乗りは後発仕様として設定される可能性が高いだろう。
現行型では跳ね上げ式だったサードシートも、ランクル300同様に床下格納されるはずなので、あえて2列5人乗りを選ぶユーザーも少なくなるのではないだろうか。
半導体不足、そして部品不足と新車生産の現場は苦しい状況が続き、納期を早く提供するためには、生産グレードを絞り込む必要も出てくる。発表当初は、仕様を絞った形で生産するのが、現在のスタンダードであり、LXでも同様の体制がとられるはずだ。
■新グレードのEXECTIVEとOFFROADは、LXの新たな一面を見せる
EXECUTIVEには専用のインテリアカラーが用意される(“EXECUTIVE”専用ブラック)
LXの最上級グレードとなるのがEXECTIVEだ。同名のグレードはフラッグシップセダンのLSにも存在する。レクサスの上級グレードであるversion Lを大きく凌駕し、レクサスの考える極上の空間を作り上げたグレードだ。
EXECTIVEは、後席空間の拡充と寛ぎに重点を置いた4人乗り仕様となる。リアシートは、最大48度のリクライニングコントロールや、最大レッグスペース1,000mmを確保する空間づくりが行われる。
室内高がLSよりも高いLXでは、余裕のあるヘッドクリアランスが確保でき、開放感の大きい室内で、快適な移動ができるだろう。ドライバーズカーとしてだけではなく、ショーファーカーとしての使い方もできそうなグレードである。黒の新型LXは要人の移動車として使われることも増えそうだ。
もう一つ追加されたグレードがOFFROADだ。こちらは日本国内専用仕様となる。
3つのデフロックと18インチの高偏平タイヤを装備し、悪路での路面追従性を高めたグレードだ。専用エクステリアを用意し、レクサスに新たなオフロードのイメージを作り出す。
このOFFROADは、ランクル300のGR SPORTに近いものだと考えていいだろう。
これまで、レクサスのスポーツグレード「F SPORT」が設定されてこなかったLXだが、今回も日本国内に関してはF SPORTの設定は見送られる。(北米・欧州では導入の可能性あり)LXの走りのグレードは、F SPORTではなくOFFROADが担うことになるのだ。
■パワートレインはガソリンのみでスタート、ディーゼルは追加モデルとなるか
レクサス LX ガソリンシステム
2022年初頭に予定されている新型の販売は、3.5L、V6ガソリンターボエンジンに標準、EXECTIVE、OFFROADの3グレードを組み合わせたラインナップとなると、筆者は予想する。
先述の通り10月16日にモスクワでLX500dが披露された。3.3L、V6ディーゼルターボが搭載されるLX500dだが、当面はガソリンエンジンを優先的に生産し、ディーゼルは遅れて登場することが見込まれる。
11月下旬には、販売店向けの新型車研修が小規模に予定されており、ここでディーゼルターボのプロトタイプが出てこなければ、来年のデビューには間に合わないと見ていい。
2022年8月頃にはレクサスの年央改良の時期を迎えるため、ディーゼルターボエンジンや2列5人乗り仕様は、ここで追加されるのではないだろうか。
■気になる価格は1200万円スタート?
日本国内専用仕様の“OFFROAD”。筆者の予想では1350万円程度となる見込み
現行型のLXは1135万6481円だが、新型ではこの価格を上回ってくることが予想される。筆者の予想は、標準グレードが1200万円、OFFROADで1350万円、EXECTIVEは1690万円だ。
価格は現行型のLSに近い設定となるだろう。LS500hのI packageにLXの標準グレードが相当し、F SPORTにOFFROAD、EXECTIVEはLS500hのEXECTIVEが近い価格となると考える。
また、追加導入の可能性が高いディーゼルターボエンジンに関しては、ガソリンターボエンジンに25万円程度を加えた価格設定となるはずだ。ランクルのガソリン車とディーゼル車の価格差は30万円であり、LXでは若干ではあるが価格差を縮めて展開されると思う。
新型登場を機に、仕様面に加え価格の面でも、ランクルとLXの明確な差別化を行いたい。こうしたメーカーの意図が感じられる価格設定となるはずだ。
■新型LXデビューまでのスケジュールはこれだ
レクサス販売店で長年販売活動に従事してきた筆者が発表までのスケジュール予想する
新型LXのリリースについては、トヨタグローバルニュースルームに2022年春、レクサスのホームページには2022年初頭と記載があるが、実際にはいつ頃の発売となるのだろうか。
現在、レクサス販売店にもLXの発表日は知らされていない。今後、価格発表とともに発売日が通達される。
レクサス販売店で長年販売活動に従事してきた筆者が、経験から予想するLX発表までのスケジュールはこれだ。
2021年10月14日:プレスリリース
2021年11月中旬~下旬:販売店向け研修(一部社員向け)車両詳細が判明
2021年12月上旬:オンライン研修(全社員向け)
2021年12月下旬:価格発表・事前受注受付開始
2022年1月下旬~2月中旬:正式発表
新型車は、プレスリリース→研修→概要発表(販売店向け)→価格発表(事前受注開始)→正式発表という流れで発売されていく。
社内研修からおよそ2ヵ月後に正式発表となるケースが多く、今回のLXでは11月後半に研修を予定しているため、その2ヵ月後の2022年1月後半が正式発表の時期となるだろう。
レクサスは日本時間の木曜日・午後2時に新型車を発表するため、筆者の予想発表日は、順調にことが進めば1月27日、新型コロナ等の影響でスケジュールに遅れが出た場合は、2月17日の正式発表となると予想する。
2021年10月の世界初公開直後の現在、予約は受け付けていない。受付開始を楽しみに待とう
また、事前受注に関しては、メーカーからの価格発表および、仕様マスタが販売店に到着してからとなり、12月16日頃からスタートするのではないだろうか。ランクル300で起こった大混乱も想定し、年末ギリギリの12月23日頃のマスタ配信とし、事前受注受付は2022年の年明けからスタートする可能性も高い。
ランクル300では、事前受注受付の前に予約枠を作り、販売店で顧客の囲い込みを行ったが、LXに関しては、同様の動きを行うことは考えにくい。
実際に現在販売店に問い合わせても、LX600の予約は受け付けていない。事前受注受付開始前に、店舗で予約することはできない状況であることを理解してほしい。
世界初公開となったLXだが、まだまだ隠れた情報が多い存在だ。来年のデビューまで、少しずつ様々な情報が解禁されていくだろう。今後も、LXの詳報をお伝えしていきたい。
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