タイムアタック開始
text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)
【画像】東京オートサロン2020展示 メガーヌ4 R.S.トロフィーR【タイムアタック】 全47枚
新型メガーヌR.S.トロフィーRで鈴鹿サーキットのタイムアタックを行うにあたり、ドライビングを担当するロラン・ウルゴンはこう話している。
「ちゃんと定量化したわけじゃないけど、単純に約20km少々のニュルで先代より14秒近く縮めたから、6km弱の鈴鹿では先代比マイナス3秒が理論的には目標」という。つまり2分25秒台だ。
ニュルでは70kgのエンジニアを助手席に乗せて走ると4秒ほどタイムが落ちるため、そこから逆算して新型メガーヌR.S.トロフィーRの車重は、開発当初から1310kgと決まっていたそうだ。
「EDCと4コントロールはあった方が速いはずなんだけど、この値に収まらないから軽量化のために外さざるをえなくて。それでトロフィーRはMTで通常の2輪操舵なんだ」
決してメガーヌR.S.の4輪操舵システムを否定しないが、軽量に物理的に研ぎ澄ました仕様、それがトロフィーRなのだ。
オプションのカーボンレボリューション社製ホイールを履き、1発目のタイムアタックからウルゴンは2分25秒961を叩き出した。慣れない左手ゆえ、一度シフトミスしたそうだが、それでもメガーヌ3時代のタイムを早速2.5秒近くも縮めたのだ。
続いて谷口選手が同じタイヤ&ホイールでコースイン。
谷口、さらにタイムを詰める
谷口選手のアタックは、逆バンクそしてスプーン先まで、区間タイムで微妙にウルゴンを上回る速さを見せ、ピット内が沸く。
2分25秒656。「上手く周って来られたから、最後で欲かいてシケインのブレーキングで置きに(丁寧に)いったら、手前過ぎて失速しちゃった」と本人はいう。
先代の2分28秒465から3秒近く、という目標もほぼ達成したし、撮影も済んで、全世界に向けて発信するリリース上の記録タイムを、地元の日本人ドライバーが記録したという結論で、何ら問題はなかった。
だが撮影が終わって、まだ走行枠が10数分そして予備のアルミホイール&ニュータイヤが1セット、残っていた。そこでウルゴンが、最後のタイムアタックに出ることになった。
モニター映像は定点カメラのみだが、逆バンク、スプーン手前の区間タイムが、先ほどの谷口選手より1/100秒単位ながら、速い。
結果が出せるマシン
ニュータイヤの好条件とはいえ、結果は2分25秒454。
「130Rで膨らんじゃったよ」というウルゴンだが、明らかに朝より表情はほころんでいる。そして自身のベストタイムについて、こう述べた。
「もし最後にニュータイヤを谷口さんが使っていたら、同じかそれ以上のタイムが出たはずだよ。大事なのは、どちらが速かったかではなく、ぼくがセッティングしたトロフィーRだからウルゴン・スペシャルみたいな速いけど乗りづらいクルマじゃなくて、腕の確かなドライバーなら結果が伴うクルマ。そこを証明できたことなんだ」
この日最後の握手をウルゴンと交わした谷口選手は、こうも述べた。
「FFってフロントのグリップしか使えないってことですけど、フロントの(グリップ)レベルにリアがきちんと追従してくれて、オーバーステアも出るときは出るけど、走りそのものがすごく楽しい。国産のFRのワンメイクでも、鈴鹿でのラップタイム目安は2分30秒ちょいですからね」
これまでもメガーヌR.S.を激賞するプロのレーシング・ドライバーは少なくなかったが、そういえばオーバーステア好きの気が強いドライバーが多いのは偶然ではないだろう。
絶対的なタイムという速さだけではなく、手強さと御し易さの微妙なバランス、優れたパフォーマンスと操る楽しさの両立を、メガーヌR.S.トロフィーRは証明してみせた。
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