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車輪の付いた攻撃ヘリ? イスラエル製の次世代軽装甲車が凄かった プラサン・ワイルダー

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車輪の付いた攻撃ヘリ? イスラエル製の次世代軽装甲車が凄かった プラサン・ワイルダー

軽装甲車の原点に立ち返った小型・軽量設計

イスラエルの自動車メーカーであるプラサンは、攻撃ヘリコプターのようなキャビンを備えた画期的な軽装甲車「ワイルダー(Wilder)」を公開した。

【画像】画期的なイスラエル製の次世代軽装甲車【プラサン・ワイルダーを写真で見る】 全11枚

新型ワイルダーは、ジープ・ラングラーに近い比較的コンパクトなボディに、ピックアップトラックのような荷台を備えており、最大4人の兵士を収容できる。装甲化された軍用車両が大型化しつつある昨今の傾向からの脱却を図っている。

設計を担当したのは英国人のニール・カーン。オフロードバギーからヒントを得て、モノコックの「キット化された外殻」ボディに取り付けられたチューブ状サブフレームに、エンジンとトランスミッションをミドシップ搭載。第2のサブフレームがフロントサスペンションを支えている。

カーンはワイルダーについて、「車輪のついたアパッチ攻撃ヘリコプターのようなものです」と述べている。

攻撃ヘリのような座席配置 2.8Lディーゼルで最高出力161ps

重要なポイントは、ワイルダーと連結できる電気駆動の2輪トレーラー「アテム(ATeMM、全地形電動ミッションモジュール)」の存在だ。アテムは遠隔操作が可能なモジュールで、別のアテムと連結して4輪駆動の無人車両とすることもできる。将来的にレベル4の自動運転機能を実装する予定だ。

「戦場での自動運転は、民間の自動運転とは大きく異なります。車両はどこにでも行くことができますが、道路の白線のようなインフラがないのです」とカーンは話す。

ワイルダーは4.5トンと比較的軽量かつコンパクトなため、チヌーク輸送ヘリコプターへの積載も可能で、4人の兵士とともに戦闘に投入できる(ライフル弾への耐性を持つ)。

最高出力161psの2.8LターボディーゼルエンジンとZF製8速ATを搭載し、4輪を駆動する。最高時速は120km/hに制限されている。

電気駆動のアテムと連結すると、従来のハイブリッド車のように「パワー」、「エコ」、「リジェネレーション(バッテリー充電)」の3つのモードで走行できる。

カーンによると、「機械学習によってルートを把握し、自動的にモードを切り替えることで、最高のミッションパフォーマンスを実現する」という。

革新的な2輪トレーラー 将来的には無人の自律走行も

プラサンが開発した2輪トレーラー、アテム(ATeMM)は、47kWhのバッテリーと最高出力34ps、最大トルク102kg-mの電気モーターを搭載。ワイルダーを前進または後進させることができる。また、2台目のアテムと連結すれば、4輪駆動の自律型兵器プラットフォームとして静かに稼働することができる。

プラサンは、英国陸軍の「テシウス計画(Project Thesius)」に参加する企業の1つであるため、ワイルダーが同軍に採用される可能性もある。テシウス計画とは、前線の兵士への物資輸送を無人化することを目指したプロジェクトで、弾薬や食料、燃料などをドローンや無人車両で運搬することで、人員損失のリスクを削減しようとしている。

英国に拠点を置く自動運転開発会社ホリバMIRAは、プラサンのアテムに似た6輪の無人プラットフォーム「ヴァイキング」を英国陸軍に試験供給する契約を獲得している。

コンパクトながら柔軟性の高いボディ 後輪操舵も追加可能

ワイルダーのモノコックボディは、複合装甲パネルと防弾ガラスを備え、NATO加盟国の装備規格であるSTANAGレベル2の防弾性能を有している。重量は1500kg。フロントとリアのサブフレームを支え、2枚のドアから乗降できる広い室内を持つ。

座席配置は1+3で、運転席はヘリコプターのような視界を確保している。キャビンを車体前部に、エンジンを中央に配置することで、エンジン上部のスペースをロードベイとして利用できるようになっている。

フロントとリアは同じダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、製造のしやすさとコスト削減を実現。さらに、特許取得の「クロスリンク」ドライブシャフトにより、非常に長い(370mm)サスペンショントラベル量を誇る。

シンプルなチューブで作られているため、戦地での組み立ても容易だ。市街地や森林地帯での取り回し向上のため、オプションで後輪操舵システムも追加できる。ステアリングは電動油圧式で、旋回直径は15mとされている。

装甲車の「大型化」から脱却 設計者に訊いてみた

AUTOCARは、新型ワイルダーの設計を担当した、プラサンのグローバル・ビークル・デザイン・ディレクター、ニール・カーンにインタビューを行った。

――ワイルダーのコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?

「軽装甲車は、サイズと重量が大きくなる傾向にあります。ほとんどが8トンに近くなっており、もはや軽いとは言えません。そこで、より小型の車両に対する市場の需要を見つけたんです」

――ミドエンジンというレイアウトには、どのように至ったのですか?

「いくつかアイデアを試していたのですが、エンジンは最初からフロントに搭載していませんでした。というのも、『キット化された外殻』が主要な構造部品となり、パッケージングの幅が広がることが分かっていたからです」

――そのあとは?

「既存のシャシーに装甲を後付けするのではなく、白紙の状態で設計に臨みました。まず装甲パッケージを最適化し、その周りに駆動パッケージを追加していきました。エンジンはフルサイズの荷台を背負えるよう低い位置に設定しました」

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みんなのコメント

2件
  • なんか引っ掛け記事のように思うのは私だけ?
    『車輪の付いた攻撃ヘリ』って装甲車が空を飛ぶのかと思ったら
    攻撃ヘリのような座席配置って・・・おおげさな記事だな!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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