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2030年までに全電動化を目指すロールス・ロイスが初の新型EV「スペクター」を発表

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2030年までに全電動化を目指すロールス・ロイスが初の新型EV「スペクター」を発表

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、9月29日(現地時間)、歴史的なプロジェクトを発表した。さらに同社の初の電気自動車による公道試験が、間もなく開始される。この重要な瞬間について、ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏は次のようにコメントした。

「本日は、1904年の5月4日以来、ロールス・ロイス・モーター・カーズにとって最も重要な日となります。かつてのこの日、当社の創業者であるチャールズ・ロールズとヘンリー・ロイス卿が初めて出会い、『世界最高のクルマ』を作ることに合意しました。

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この2人の先駆者は、当時、卓越した技術者として最先端技術を駆使し、交通手段としてまだ発展途上にあり、騒音や不快感を伴っていた初期の内燃機関搭載の自動車を、まったく新しい、それまでとは異なる基準を設定してその性能を引き上げました。

彼らが作り上げた自動車は世界中に真のラグジュアリーたる体験を提供し、ロールス・ロイスに究極の頂点という地位をもたらしました。ロールス・ロイスはその後 世紀以上にわたり、最高峰の内燃式エンジンを定義し続けています。

それから117年を経た今日、ロールス・ロイスは世界的な電気自動車への変革を後押しするため、この種の製品としては初めての、最も洗練された超高級車を生み出しました。この優れた新製品の公道走行試験プログラム開始をお伝えできることを、わたくしは誇りに思います。このクルマはコンセプトカーではなく、完成車です。このクルマを丸裸になるまでテストし、2023年の第4四半期にはお客様に最初の車両をお届けする予定です」

予言の成就

「電気モーターの採用は、ロールス・ロイスにとって新しいコンセプトではありません。ヘンリー・ロイス卿はあらゆるものの電化に魅了され、 ロイス&カンパニーと名付けた最初の事業ではダイナモや電動クレーン用モーターを開発し、バヨネット式電球の特許を取得しました。

一方、将来の自動車の電動化を予言していたのはチャールズ・ロールズでした。1900年4月、彼は『コロンビア』と名付けられた初期の電気自動車を体験し、電気駆動こそが理想であると公言していました。

ロールズは、『電気自動車は、音もなくクリーンな乗り物です。匂いもせず、振動もありません。定置式の充電ステーションが整備されれば、とても便利になるはずです。しかし今のところあまり役に立たないだろうと思っています。使えるものになるまでには、少なくとも何年もかかると思います。』と述べています。

チャールズ・ロールズの予言は、ロールス・ロイスがグッドウッドの時代になっても常に検討されてきました。しかし、利用可能なテクノロジーがロールス・ロイスの乗車体験にふさわしいレベルになったとは考えていませんでした。ただし、今までは、です。

そしてついに、ラグジュアリーの未来への道筋を変えるときが来たのです。

わたくしたちは、大きなアドバンテージを持って、大胆に、新しい未来に乗り出します。ロールス・ロイス・モーター・カーズにとって電気駆動は、唯一かつ完璧な手段となります。それは他のどの自動車ブランドよりも明らかです。静かで、洗練されており、ほとんど瞬時に最大トルクを発生させ、その後も途方もないパワーを生み続けます。これをロールス・ロイスでは『ワフタビリティ(浮遊感)』と呼んでいます。

ロールス・ロイスでは、以前から何度か電動パワートレインの実験を行ってきました。2011年には完全に運行可能なオール・エレクトリック・ファントム『102EX』を公開しました。さらに2016年にはフル・エレクトリックの『103EX』を発表し、数十年先の未来に向けたロールス・ロイスのビジョンを明らかにしました」

約束を守る

「これら特別な製品は、ロールス・ロイスのお客さまたちに、電動パワートレインの技術に対する大きな関心を呼び起こしました。皆さんが、ロールス・ロイスにふさわしい技術だと判断したのです。そしてこの10年間、わたくしは幾度となく、『ロールス・ロイスはいつ電気自動車になるのか?』、とか、『ロールス・ロイス初の電気自動車はいつになるの?』などとたずねられました。

その問いに、わたくしははっきりとお約束しました。

『ロールス・ロイスは、この10年間のうちに電気自動車を導入します』

本日、わたくしは、この約束を守ります」

驚きのプロジェクト

「チャールズ・ロールズの予言とわたくしの約束が、ロールス・ロイスにとって重要な瞬間へと導いてくれました。ロールス・ロイスは歴史的かつ例のないプロジェクトに着手し、それが本日、現実のものとなりました。当社のデザイナーや技術者たちは、ここに至るまでに絶え間ない努力を続けてきました。そしてついに、歴史上初のオール・エレクトリック・ロールス・ロイスの走行試験を開始する準備が整いました。

当社のパワートレイン・テクノロジーを根本的に変えるためには、世界で最も厳しい目を持つお客さま、すなわちロールス・ロイスのお客さまに提供するに先立って、製品のあらゆる側面の能力を試す必要があります。

そのために、わたしたちはロールス・ロイスの歴史上で最も厳しいテスト・プログラムを用意しました。わたしたちは250万キロメートルもの距離を走行する予定です。この距離は、ロールス・ロイスを400年以上使用することを想定した数値であり、世界のあらゆる場所におもむき、この新しいクルマを極限まで追い込みます。

世界中の道路で、試験に臨むこれらの車両が、まさに丸裸にされているところを目にすることになるでしょう。数百万キロメートルに及ぶ旅のあいだ、あらゆる状況、あらゆる地形でテストが行われ、文字通りロールス・ロイスを未来へと加速させていくのです」

柔軟性のある独自のアーキテクチャー

「2017年にロールス・ロイスは『ファントム』を発表し、同時にロールス・ロイス独自のアルミニウム・アーキテクチャーを発表しました。これは、拡張性があり、柔軟性を持たせたスペースフレーム構造で、それ以降に発売されるすべてのロールス・ロイス・モデルを支えるものです。

この独自のテクノロジーは、ロールス・ロイスによるロールス・ロイスのために開発されたもので、ロールス・ロイスだけが使用でき、現在のカリナンやゴーストのように各種の内燃機関搭載モデルだけでなく、全く異なるパワートレインを搭載したモデルのベースとしても使えるように製作されています。

そのため、まもなく発売される電気自動車にもこのロールス・ロイスのアーキテクチャーを採用しており、ロールス・ロイスならではの特別な乗車体験を提供します。わたしたちはグループ内でプラットフォームを共有する戦略を取らず、このアーキテクチャーの設計当初から電動パワートレインの計画を組み込んでおり、ロールス・ロイスのお客さまの極めて高い期待に応える素晴らしい新製品として完成させました」

新しい名前、新たなレガシー

「このロールス・ロイスは予言を成就させるものであり、わたしたちが約束を守り、独自のプロジェクトに乗り出したことを示しています。当ブランドにとっての新たなレガシーの始まりです。この精神に基づき、わたしたちはこのクルマにまったく新しい名前を与えることにしました。

過去1世紀にわたってロールス・ロイスに完璧な貢献をしてきたファントム、ゴースト、レイスといった名前と同様に、力強く、刺激的な名前です。それは当社の製品が持つ幽玄で別世界のような環境にふさわしい名前であり、この瞬間のために特別に用意された名前です。その名は『Spectre(スペクター)』です。

スペクターとは、偉大なパワーと幻影を持つ別世界の存在に与えられた名前であり、つかの間の姿を通じて存在感を示す異世界の生き物です。スペクターは世界の時を止めることができ、自身が存在する空間を支配するものです。そして、現れたときと同じように煙のように消えてしまい、あとには愉快な気持ち、活力、好奇心を残してゆきます。

この名前は、本日発表する特別なロールス・ロイスにぴったりです。このクルマは、その存在感を示したのち、ごく限られた人以外は近づけない世界に消えてゆきます。真の英国ブランドとして、わたしたちは英国式のつづりを選択しましたが、その意味は世界共通です」

特別な未来のために

「この新しいプロダクトをたずさえて、当社は2030年までにすべての製品を完全に電動化するという目標を掲げました。そのときまでに、ロールス・ロイスは内燃機関を搭載する製品の製造・販売から撤退するつもりです。

『スペクター』は、チャールズ・ロールズの予言を成就させる製品です。ロールス・ロイス・モーター・カーズを代表して誓ったわたくしの約束を守ります。いま、わたしたちは驚くべきプロジェクトをスタートさせます。わたくしは、世界で最も進歩的で影響力のある女性や男性を、輝かしい電動化の未来へと送り続けることができることを誇りに思います」

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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みんなのコメント

2件
  • 静かさを求める車だし、馬鹿でかい図体だし、大容量バッテリーも積めるし販売台数もしれてるからEVにしても驚かないよ。
  • ロールスロイスが電動化技術が未成熟だったので仕方なく内燃機関で完璧な静粛性を実現してきたわけで電動化でより完璧な製品になるのは当然の帰結。願わくば歴代の製品を容易に電動化出来るプロジェクトがあればより自動車文化、芸術性の継承に繋がると思うのだが。古いRR車を保管している方はそう多くはないのだから宣伝になりこそすれ新車販売に悪影響は及ぼさないので是非実現してほしいものです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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