ベテランと若手のコンビによる走りに期待
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回は64号車Modulo NSX-GTで戦う「Modulo Nakajima Racing」を紹介しよう。
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NSX勢で唯一のダンロップタイヤを武器に戦う
1986年のF2選手権でチャンピオンに輝き、翌1987年よりF1へのフル参戦を開始した中嶋 悟が率いるレーシングチームで、運営母体となる中嶋企画は1982年に設立された。1991年を最後にドライバーを引退した中嶋は、1992年より総監督としてチーム運営に専念しており、自社メンテナンスを行いながらF3000選手権のほか、全日本ツーリングカー選手権などさまざまなカテゴリーにチャレンジ。フォーミュラ・ニッポンなど国内トップフォーミュラで数多くのタイトルを獲得してきた。
もちろん、全日本GT選手権/スーパーGTでも活躍しており、1998年の第4戦・富士で山西康司/トム・コロネルが初優勝するなど、デビューイヤーながらランキング2位を獲得した。
その後もNakajima Racingはホンダ勢の有力チームとして活躍しており、2000年には伊藤大輔/ドミニク・シュワガーが2勝をマークしたほか、2002年には松田次生/ラルフ・ファーマンが3勝を記録している。
残念ながらスーパーGTが設立されてからは厳しい戦いを強いられており、伊沢拓也/大津弘樹で挑んだ2022年も目立った活躍を果たせずにシーズンを終えることとなったが、2023年はModulo Nakajima Racingの活躍が期待されている。
まず、ドライバーラインナップがベテランの伊沢をそのままに、今季よりGT500クラスへステップしたルーキーの太田格之進を起用。マシンは完成度を極めたNSX-GTで、もともと定評のある予選でのスピードはもちろん、決勝のロングランでも安定性が高まりつつある。
加えてModulo Nakajima Racingの64号車はGT500クラスで唯一のダンロップユーザーとなるだけに、コンディションさえ合えば、予選・決勝ともに主導権を握ることだろう。
事実、開幕戦の岡山では予選で3位につけるなど好調ぶりを伺わせている。確実にタイヤの開発が進化しているほか、ベテラン+ルーキーのドライバーラインナップもポジティブな科学反応を起こす可能性が高いだけに、名将・中嶋が率いる64号車の動向に今後も注目したい。
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