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2024年度の新車販売ランキングトップは「ホンダN-BOX」が当確! ただし登録車をみると「トヨタ一強」がより鮮明になっていた

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2024年度の新車販売ランキングトップは「ホンダN-BOX」が当確! ただし登録車をみると「トヨタ一強」がより鮮明になっていた

 この記事をまとめると

■2024年度の年間新車販売ランキングはN-BOXが首位確実だ

人気車種が続々登場! でも納期遅延も凄まじい! それでも欲しい「トヨタ車」を賢く買う方法

■登録車のランキングではトヨタ車がトップ10のうち8車種を占める

■コンパクトSUVではWR-Vやフロンクスが堅調だが、ライズの地位は確固たるものだ

 2024年度の「日本一売れたクルマ」はN-BOXでほぼ確定

 2025年2月単月締めの車名(通称名)別新車販売ランキングが、登録車が自販連(日本自動車販売協会連合会)、軽自動車が全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から発表された。

 2月単月締め販売統計が発表されると気になるのが、2025年3月単月締めでの車名(通称名)別販売ランキングが発表されるタイミングで決まる2024事業年度(2024年4月から2025年3月)締めでの年間新車販売ランキングの行方だ。

 筆者が自販連及び全軽自協統計をもとにして、2024年4月から2025年2月までの累計販売台数を算出すると、約18万台を販売してホンダN-BOXがトップとなっている。そしてN-BOXに続くのがトヨタ・ヤリス(ヤリスクロス含む)で約15.5万台となっている。

 3月のみをでこの約2.5万台の差をひっくり返し、さらに3月単月締めで販売トップにヤリスが立つことはさすがに現実的とはいえないので、本稿執筆時点でホンダN-BOXの2024事業年度締めにおいて「日本一売れたクルマ」になることはほぼ間違いないものと筆者は判断している。

 2025年2月単月締めに話を戻すと、軽自動車も含む(含軽統計)新車販売ランキングでトップとなったのはホンダN-BOXとなっている。これに続きスズキ・スペーシアが2位となっている。前述した2024年4月から2025年2月までの累計販売台数比較では、N-BOXとスペーシアの差は約3.1万台でN-BOXがスペーシアを抜き去っている。

 現状軽自動車のみではN-BOXが1位でこれにスペーシアが2位に続いている。2023事業年度(2023年4月から2024年3月)締めでの軽自動車のみの年間新車販売台数ランキングでも1位N-BOX、2位スペーシアとなっているのだが、この時点でスペーシアの販売台数はN-BOX比で約61%となっている。

 この数値は、2024年4月から2025年2月までの累計新車販売台数比では約82%、2025年2月単月締めでも約83%となる。この結果から、景気動向など販売環境の違いなどを考慮せずに単純に統計上だけで述べれば、N-BOXの失速傾向とは逆に、スペーシアに勢いを強く感じ取ることができる。

 N-BOXの「JOY」、スペーシアの「ギア」というレジャー志向の強い派生モデルの存在にも注目したい。スペーシアギアに比べるとN-BOX JOYは販売台数の上乗せ効果が思ったほど出ていないのだ。

 事業年度末決算セールも佳境を迎える3月上旬に販売現場を訪れたときには、ホンダでは値引きなど好条件を用意してN-BOXを猛烈にプッシュしていた。ただし、スズキもただ手をこまねいているわけではないのは当然のこと。

 そして、2月単月締めを見ると、ダイハツ・タントの販売台数が往時の勢いを確実に取り戻しつつある状況が手に取るようにわかることも興味深い。N-BOX、スペーシア、タントの3台が、久しぶりに「軽自動車三強」と呼ぶのにふさわしい結果となっているのだ。こうなると、3月単月締めでの販売統計結果がいまから気になって仕方がない。

 登録車はトヨタが盤石の一強体制

 登録車のみのランキングでは、トップ10のうち8車種をもトヨタ車が占めている。国内販売、そして世界販売でもそのボリュームがかなり高いトヨタでは、年単位での納車待ちは一部の人気車種に限定されるようになった代わりに、新規受注停止が全般の車種にわたって頻発している。

 いっぽう、トヨタ以外のメーカーでは、生産途中や予定車種にディーラーが「唾をつけて」おき、それを販売していくことで可能な限り短納期を実現するという動きに注目だ。これをトヨタ車に対する最大の武器にして、コロナ禍前のような事業年度末決算セールを展開するブランドが目立つのである。

 各メーカーが期間限定の超低金利ローンを用意するといった消費を刺激するプロモーションを用意しているのだが、結果的には「トヨタ一強」に拍車がかかっているような統計結果が続いている。登録車のみの統計において、トヨタ以外のメーカー車でかろうじてトップ10入りしているのは、日産ノートとホンダ・フリードのみなのだ。

 日産ではノートが数少ない量販が期待できるモデルとなっているし、フリードも宿敵シエンタに販売台数で負けているものの、いまやホンダにおいては軽自動車のN-BOXとフリードが販売主軸といっていい存在となっている。これが働き手不足などによる影響なのかはわからないが、幅広く新車を販売するトヨタとの決定的な販売体制の違いが見てとれる。

 さて、2024年3月末に正式発売となり、その後ヒットモデルとなったホンダWR-Vに話題を移そう。WR-Vは、2025年3月6日(木)に一部改良を行っている。改良内容をみると、中間グレードのZや上級グレードのZ+の魅力を増すような内容の特別仕様車が追加されていることがトピックだ。なお、廉価グレードのX、Z+は2025年夏ごろ発売予定ということで、改良モデルの価格や諸元は本稿執筆段階では公表されていない。

 デビュー時には209万8800円という軽自動車並みの価格もありヒット車となったWR-Vだが、ここのところは息切れムードが目立っている。本稿執筆段階ではZR-Vと並び0.9%という超低金利ローンキャンペーンを展開して販売にテコが入れられている。しかしながら、2025年2月単月の販売台数は2966台なので、月販目標3000台はほぼ維持していることになる。

 いっぽう、WR-Vの好敵手となるスズキ・フロンクスの販売台数は、月販目標1000台に対し1527台となっている。

 さて、以前ホンダディーラーで話を聞いたところでは、「トヨタ・ライズのようなモデルがほしい」という販売現場からの声に応えたという側面もあるようだ。そのライズであるが、WR-Vやフロンクスが3ナンバー車であるのに対し5ナンバーサイズという決定的な違いはあるものの、2025年2月単月だけでは6793台(登録車のみで8位)となっている。

 ライズはダイハツの不正試験問題を受けて、2023年半ばから生産を停止していたという経緯をもつ。その後、ガソリンで2024年3月、HEV(ハイブリッド車)では同年7月に出荷再開となった。2024暦年(1月から12月)締めでのライズの年間販売台数は5万1225台(月販平均台数約4268台)となり、2019年デビュー時の月販目標台数を上まわる販売実績を残しており、生産停止というハンデをものともせずヒットモデル街道を突き進んでいるのだ。

 WR-Vもフロンクスも海外生産モデルとはいえ、品質はもちろん問題なく、装備内容や質感、そして価格設定など魅力あふれるモデルなのだが、「怪物」ともいえるライズの地位は依然として揺るぎないものとなっているのが現状だ。

 物価高騰などが家計を直撃するなか、将来へのさまざまな不安も募り、新車の販売環境はけっしてよいものとはなっていない。そのなかではあえて冒険するよりも、「日本一売れている」といったネームバリューや知名度、そして再販価値の高さといった不安要素の少ない安定株かどうかを新車購入時に重視するユーザーが目立ち、トヨタ一強がより鮮明となってきているのかもしれない。

文:WEB CARTOP 小林敦志
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