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あくまで勝利を目指したマクラーレン。赤旗中断でノリスに”とっておき”の新品ソフトタイヤを履かせるも、フェルスタッペン攻略叶わず「いつもと違う状況を作ろうとした」

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あくまで勝利を目指したマクラーレン。赤旗中断でノリスに”とっておき”の新品ソフトタイヤを履かせるも、フェルスタッペン攻略叶わず「いつもと違う状況を作ろうとした」

 マクラーレンは、F1サンパウロGPの決勝で勝利を手にするチャンスがあると考えていたという。そのため赤旗中断からの再スタート時、チームはランド・ノリスに、残っていた1セットの新品ソフトタイヤを履かせることを決断。レッドブルにプレッシャーをかけようとしていたが、この戦略は成功しなかった。

 F1サンパウロGPの土曜日に行なわれたF1スプリントで、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐ2位フィニッシュを果たしたノリス。同チームはこのスプリントよりも、決勝に大きな自信を抱いていた。しかし、決勝のスタート位置は6番グリッドであったため、チームはノリスに中古のソフトタイヤを履かせ、スタートに臨んだ。

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 しかしノリスは抜群のスタートを決め、フェルスタッペンに次ぐ2番手に浮上した。ただその直後、ターン1で起きたクラッシュにより、レースは赤旗中断。各車は一旦ピットレーンに戻されることになった。

 ここでは、タイヤの交換は自由。マクラーレンはこの時、再スタートを決めてフェルスタッペンの前に出ることを狙い、ノリスに1セットだけ残っていた新品のソフトタイヤを履かせた。

 結局その作戦はうまくいかなかったが、チーム代表のアンドレア・ステラは、新品タイヤのアドバンテージにより、レッドブルとの間に存在する”僅かな”差を埋めることができると信じていたため、賭けに出る価値があると判断したと説明する。

「赤旗が出た後の我々のアプローチについて言えば、確かにそうだ。我々は勝ちたかった」

 サンパウロGPでフェルスタッペンに勝つことができると感じていたかどうかと尋ねられたステラ代表は、motorsport.comに対してそう語った。

「そのスタート時に我々は、ベストなソフトタイヤを履かせた。新品のソフトを使うことに決めたんだ。そして、それでリードを奪おうと狙っていた。そしてフェルスタッペンをいつもとは異なるポジションに置き、何ができるかを試してみようとしたんだ。そうすれば、彼がピットインした時にカバー(して先頭のポジションをキープ)できるかもしれないし、その他の可能性もあった」

 リスタートで先頭を奪えなかったノリスは、フェルスタッペンに食らいついていった。しかし、接近しすぎるとタイヤがオーバーヒートしてしまうことに気付いたため、差を広げる必要があった。

「スタートでリードを奪うことができなかった。コース上でオーバーテイクできそうな時もあったが、その後でタイヤがオーバーヒートし始めたので、目標ラップタイムをキープすることを考える必要があった。当時は、フェルナンド(アロンソ/アストンマーチン)はそれほど遅れてはいなかったし、彼は我々に接近して走れているように見えた」

「最初のスティントでは目一杯努力した。その後、フェルスタッペンは状況を適切にマネジメントする上で十分なリードを持っていたと思う」

「我々が少しでも近付こうとすると、その後で彼(フェルスタッペン)は素晴らしい数周をまとめることができたと思う。つまり第1スティントを終えた段階で、我々にできることはほとんどなかった」

 ノリスが懸命にプッシュしたとしても、フェルスタッペンはタイヤを適切に管理……それは土曜日のF1スプリントでも見られたことだ。そのためステラ代表は、スタートだけが何かを起こすことができる唯一のチャンスであると十分認識していたという。

「だからこそ我々は、新品タイヤで先頭に立ち、フェルスタッペンがいつものようにリードしていれば間違いないという”運命”を、変えてやろうと思っていたのだ」

「そういう状況を断ち切りたいと思っていたが、残念ながらそれは叶わなかった。あとほんの少しだった……パスできるには、あと1m足りなかった。その後は、結局はスプリントと同じような状況だった」

 ノリス自身も、フェルスタッペンが先頭を走ることになれば、レッドブルのマシンの方がタイヤを労ることができてしまうため、挑戦できる可能性はほぼゼロになってしまうだろうと考えていたという。

「スプリントで見たのと同じような状況だった」

 そうノリスは語った。

「最初の10~15周……17周目くらいまでは、それほど遅れてはいなかった。でも、スティント終盤にはペースが落ちすぎてしまった」

「でも僕らが遅れたというだけだ。追いつこうとプッシュしすぎてその代償を払っているのか、あるいはタイヤのデグラデーションが進んでいないのか、よく分からなかった。そして僕らは、低速で苦しみ始めたんだ……リヤに関しては特にね」

「それが、最終的にラップタイムで苦労した部分だ。だから、改善すべきことは明確なんだ」

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