FIA国際自動車連盟とWEC世界耐久選手権は7月5日、来るWECブラジル・ラウンドに向け、LMGT3クラスの最新BoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)テーブルを発表した。
同日に公開されたハイパーカーBoPと同様に、GT3カーのコンペティションとなるLMGT3クラスを対象とした調整も、数多くの変更点が確認することができる。
WECサンパウロに向け性能調整が大幅変更。フェラーリ499Pは17kg増でトヨタと同重量に
7月12~14日にブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催される2024年シーズン第5戦『サンパウロ6時間』に向けては、BMW M4 GT3の最低重量が前戦のル・マン24時間から22kg増加(変更後1353kg)している。また、ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2は14kg、フォード・マスタングGT3は13kg(1340kg)、シボレー・コルベットZ06 GT3.Rが11kg(1358kg)と4車種が二桁の重量増を受け取った。
その結果、ランボルギーニは1369kgでクラス最重量のマシンとなり、次点のコルベットより11kg、LMGT3最軽量モデルのポルシェ911 GT3 R(プラス3kgで1330kg)と比べると40kg近く重い状態でブラジルに向かうこととなる。
ただし、チャンピオンシップをリードするマンタイのポルシェ2台は、ル・マンでは適用されていなかった“サクセスバラスト”が、WECのシリーズ戦への復帰にあわせて復活することにより、モデル別の最低重量を大きく上回る状態でレースに臨むことに留意する必要がある。
具体的には、現チャンピオンシップリーダーの91号車ポルシェは、直近の2レースで2回の優勝を飾っていることため15kgずつバラストが与えられ、ポイントランキング首位に課せられる15kgを加えた計45kgを搭載。合計重量は1375kgとなる。姉妹車の92号車は第3戦イモラでの2位による10kgと、ランキング2位による10kgの計20kgが最低重量に加わった。
ほとんどのモデルの重量がプラス方向に振れるなか、アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボは前戦からマイナス1kgの調整を受け1348kgに。レクサスは1355kgが維持された。
同様にふたつの車種を除くすべてのクルマでベースの最高出力が低下しており、もっとも影響を受けたのは4パーセント低下したポルシェだった。
この他の車種では、フェラーリ296 GT3とコルベットが2パーセント減、アストンマーティン、フォード、レクサス、マクラーレン720S GT3エボはいずれも1パーセント減となっている。
なお、ポルシェの出力低下は、200km/h以上での4パーセントの“パワーゲイン”によってわずかに相殺される。この項目ではコルベットとマクラーレンが3パーセント、フェラーリが2パーセント、アストンマーティンが1パーセントの増加を受け取った。
ランボルギーニは、ル・マンからベースパワーを増やした唯一のクルマだが、その差はわずか1パーセントで、パワーゲインの項目に目を移すとBMW、フォードとともに1パーセントのマイナスとなっている。
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