0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は307km/h
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】ジュリアGTAmとクアドリフォリオ 競合の高性能サルーンと比較 全133枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
アルファ・ロメオ・ジュリアGTAmのアクセルペダルを踏み続ければ、フェラーリ由来のV6ツインターボ・エンジンは7200rpmのレブリミットまで滑らかに吹け上がる。積極性にも事欠かない。
8速ATはトルクコンバーター式ながら、変速は滑らかでクイック。エンジンと良いペアになり、優れた動的性能を引き出せる。シフトアップもシフトダウンも狙い通りで、回転数を合わせるレブマッチ機能も働くようだ。
1つ残念なのが、ステアリングホイールではなく、コラム側に取り付けられたシフトパドル。少し扱いにくいと思う。サイズが大きすぎ、ウインカーレバーなどの操作もしにくい。
GTAの0-100km/h加速は3.6秒で、ジュリア・クアドリフォリオより0.3秒速い。最高速度は可変式のリアウィングの設定で変わるというが、ダウンフォースが最も少ない状態なら307km/hに届くと、アルファ・ロメオは説明する。
直線加速にも驚かされるが、それより心に響くのがアクラポビッチ社製のチタン・エグゾーストが奏でるサウンド。低回転域ではザラザラとドライで、回転数の上昇とともに音色が変化。レブリミット手前では、凄まじい唸りを轟かせる。
ドライブモードによっては、アフターファイヤーの破裂音もお構いなしに鳴らしてくれる。少しにぎやか過ぎるかもしれないけれど。
そして何より、ジュリアGTAのドライビング体験の根底にあるのが、一貫してダイレクトな操縦性。市街地を流したり、空いたバイパスで加速するだけでも、滑らかな感触とダイナミックな特性との一体感を味わえる。
4ドアサルーンの中で群を抜いた一体感
ここまでクルマと一つになれるモデルは、歴代のアルファ・ロメオでも随一。現在の4ドアサルーンの中でも群を抜いていると思える。1km走る毎に、操る自信が高まっていく。
攻め立てていっても、ドライバーへの要求が高まることはない。正確で鋭い操舵感とシャシーの見事な落ち着きで、さらに気持ちを高ぶらせてくれるだけ。限界領域まで迫っても、常に挙動は予想できる範囲にある。
タイトコーナーでは荷重移動に合わせてわずかなボディロールが生じるが、すべての動きは漸進的。完璧なダンピング特性で、ドライバーが不安になることもない。
フロントタイヤのグリップ力は非常に高い。タイトコーナーで突っ込み過ぎるとアンダーステアへ推移するが、アクセルペダルの操作で修正も可能。一気に右足の力を緩めるだけで、リアエンドを暴れさせることなくタイトにラインを絞っていける。
スタビリティ・コントロールをオフにすれば、さらに次の次元の操縦性が開放される。オーバーステアからのドリフトを楽しめるが、これはサーキット用に取っておいた方が良いだろう。
全体の仕上がりと比べると、ブレーキの感触は比較的普通。頼もしい制動力が立ち上がる前、ブレーキペダルの踏み初めに曖昧なところがある。だが一度機能し始めれば、レースカーのように速度を絞る。
ブレンボ社製のカーボンセラミックが標準装備。フロントが390mmのディスクと6ポッドキャリパー、リアが360mmのディスクと4ポッドキャリパーという組み合わせだ。
最も興奮させてくれるロードカー
アルファ・ロメオによれば、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のテストコース、全長5.8kmのボロッコ・サーキットをクアドリフォリオより4.07秒速くGTAは周回するという。高められた性能を裏付けるように。
開発の最終段階では、キミ・ライコネンやアントニオ・ジョヴィナッツィというF1ドライバーが、シャシー・セッティングに関わってもいるそうだ。
筆者が何より評価したいのは、落ち着きのある乗り心地と、引き上げられた操縦性を両立させたという事実。GTAの履くセミスリックのようなタイヤのパターンを見れば、クアドリフォリオより劣る快適性を想像するに違いない。
しかし実際は、路面と息を合わせるような乗り心地を提供してくれる。低速域で細かな凹凸を通過すると少々厳しい揺れが伝わってくるが、速度域が高まれば、舗装の剥がれた穴でも上手にいなしてくれる。
最後に1つ、ロードノイズは小さくない。滑らかな路面以外では、かなり車内に響いてしまう。
アウディ・スポーツやBMW M、メルセデスAMGに台頭できるアルファ・ロメオ独自の高性能モデルは、極めて珍しい。そんな夢のようなクルマが登場した。機会があるなら、ぜひ一度ジュリアGTAを味わっていただきたい。
ハンサムなクアドリフォリオをベースに、ドラマチックな容姿と見事な動的性能、聞き惚れるような音響に一体感の濃い操縦性を与えたアルファ・ロメオ。しかも、毎日乗りたいと思える乗り心地も叶えている。
ここ数年のアルファ・ロメオの中で、最も興奮させてくれるロードカーの誕生だ。
アルファ・ロメオ・ジュリアGTAm(欧州仕様)のスペック
英国価格:15万6000ポンド(2340万円/予想)
全長:4669mm
全幅:1923mm
全高:1397mm
最高速度:307km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:9.3km/L
CO2排出量:244g/km
車両重量:1540kg
パワートレイン:V型6気筒2891ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:540ps
最大トルク:61.1kg-m
ギアボックス:8速オートマティック
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みんなのコメント
エボやスカイラインはよく練られていたと思う。