積算7628km 胸のすくようなパフォーマンス
text:Piers Ward(ピアス・ワード)
【画像】BMW 4シリーズ 420dと440i xドライブ カブリオレと最新M4とも比較 全95枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
自動車ジャーナリストの仕事で楽しいことの1つが、毎週のように違うクルマへ乗れること。その反面、評価を付ける作業は簡単ではない。
1週間ほど乗れれば、新モデルの第一印象は充分にまとめられるだろう。だが、数時間でクルマの特徴を確かめることは難しい。特に近年のクルマはどれも良くできている。差別化では、個性や性格が重要な要素になる。
BMW 4シリーズの長期テストは当初420dでスタートし、途中からM440i xドライプへ交代している。どちらも同じくらい、清々しい時間を過ごせた。長期テストの終わりが残念でならない。
筆者だけでなく、2人の息子も残念がっていた。息子たちは、M440iが大好きだったようだ。特にエンジン音と、クーペボディの見た目を。車高は低めで、一層スピード感があった。フロントグリルに不満を感じるような歳ではない。
4シリーズで、息子との素晴らしい思い出ができた。BMWには少し違った思い入れを持ったまま、成長することだろう。自動車メーカーには、純EVの時代へ移っても、クルマが作り出す感情的な側面を忘れないで欲しいと思う。
筆者の心に強く残っていることは、前方の道路が空いた瞬間の喜び。直列6気筒ターボは、とても頼もしいエンジンだった。
374psと50.9kg-mで力強さは充分。穏やかな速度でも楽しいと感じさせる、繊細さとレスポンスも備えている。学校の送り迎えや週末の小旅行では、胸のすくようなパフォーマンスを短時間ながら何度も味わわせてもらった。
ドライブモードはコンフォートが1番
郊外の道の巧みな処理は、非常に印象的なものだった。乗り心地はしなやかで、燃費は3.0Lの6気筒ながら、マイルド・ハイブリッドで12.0km/L近くまで伸びる。ロングレシオな8速ATが組み合わされ、高速道路も安楽に走る。
ATをマニュアル・モードにしてパドルを弾けば、カーブの続く区間も素晴らしい。一方で、ドライブモードを切り替えることは殆どなかった。違いを確かめようと試してみたが、結局はコンフォート・モードが1番良いようだった。
BMW 4シリーズは完璧なクルマではない。特に筆者は、レーンキープ・アシストに改善を求めたい。ユーロNCAPの担当者やBMWの技術者は、機能がもたらす感覚の変化へ、もっと意識を払うべきだと思う。
もちろん、役に立つ技術ではある。ボタンを1度押せばオフになるという設定も、悪くはない。
BMWがiドライプと呼ぶインフォテインメント・システムは、全般的に秀逸の完成度。ロータリーダイヤルが付き、操作も非常に簡単だ。
気になる点もなくはなく、英国の仕様では、システムを通じて電話をつなぐと音声に遅延が出るようだった。自分が話し終えた後に、相手の声が聞こえるまで、しばらく待つ必要があった。
スマートフォンの一部のナビアプリを起動すると、ラジオが終了する現象も起きた。ただし、英国のBMWには同様の不具合は寄せられていないようで、筆者のスマートフォンとの相性の問題なのかもしれない。
ブルーメタリックにシャドウラインがベスト
新しい4シリーズの場合は、大きなキドニーグリルも議論を呼ぶ要素だろう。英国でも徐々に走る姿を目にする機会が増えているが、否定的なコメントもそのぶん増えているように思う。
フロントグリルの見え方は、ボディカラーで大きく変わる。長期テストのM440iは、メタリックブラックのボディにシャドウライン・プラスというオプションでグリルが黒く塗られ、全体に馴染みそれほど意識が向かわなない。
恐らくベストの見た目を得るなら、アークティックレース・ブルーメタリックのボディに、シャドウラインという組み合わせだと考える。
420d Mスポーツも好印象なクルマだったが、M440iほど、筆者の心には響かなかった。ディーゼルエンジンでも充分に速く、運転は楽しく感じたが、興奮を誘うような要素まではなかったと思う。M440iとは違う。
3.0L直列6気筒エンジンを載せたクーペは、一般家庭のカーライフにも対応できるだけでなく、気持ちの変化を与えてくれた。子供を乗せてビーチへ行き、オフィスから椅子を運び、愛犬を獣医に連れても行った。少しの工夫も必要だったが。
日曜日の早朝にリフレッシュしたいと思った時も、しっかり応えてくれた。パパのレーシングカーと息子が呼んだBMW M440iがいなくなって、とても寂しい。
セカンドオピニオン
コンフォート・モードでほとんどの時間を過ごせたという事実は、M440iのドライブモードの素晴らしさを物語っている。ライバルモデルの場合、ノーマルモードではギアやアクセルペダルの反応が、過度に穏やか過ぎる傾向がある。
だがBMWは、適切に判断したのだろう。スポーツ・モードでは、エグゾーストノートがより心地よく聞こえるかもしれない。そのぶん、ステアリングホイールは重くなり、サスペンションは硬くなる。すべてが良くなるとも限らない。
Tom Morgan(トム・モーガン)
テストデータ
気に入っているトコロ
力強さと滑らかさ:BMWの伝統ともいえるストレート6は、マイルド・ハイブリッドでもその魅力を失わない。本物の素晴らしい味わいがある。
SUV不要の実用性:クーペボディでも、とても実用的。200本の苗木も、ほとんどの荷物も、問題なく載せられた。
冬場でも自動で暖か:ヒーター内臓のシートとステアリングホイールは、一定の気温を下回ると自動的にオンになり、温めてくれる。
気に入らないトコロ
毎回の人差し指での操作:最後までレーンキープアシストには慣れなかった。毎回、オフにしてから出発していた。
真っ黒なコーディネート:黒い塗装は、きれいな状態なら素晴らしい。でも汚れがとても目立ってしまう。筆者なら別の色を選ぶだろう。
走行距離
テスト開始時積算距離:3773km
テスト終了時積算距離:7628km
価格
モデル名:BMW 440i xドライブ・クーペ(英国仕様)
開始時の価格:5万4645ポンド(830万円)
現行の価格:5万4670ポンド(831万円)
テスト車の価格:6万2995ポンド(957万円)
オプション装備
テクノロジープラス・パッケージ:3650ポンド(55万5000円)
コンフォートプラス・パッケージ:1950ポンド(29万6000円)
ビジビリティ・パッケージ:1500ポンド(22万8000円)
シャドウラインプラス・パッケージ:750ポンド(11万4000円)
ピアノブラック・トリム:500ポンド(7万6000円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:12.8-13.0km/L
タンク容量:59L
平均燃費:10.9km/L
最高燃費:11.5km/L
最低燃費:10.5km/L
航続可能距離:640km
主要諸元
0-100km/h加速:4.5秒
最高速度:249km/h
エンジン:直列6気筒2998ccターボチャージャー+ISG
最高出力:374ps
最大トルク:50.9kg-m
トランスミッション:8速オートマティック
トランク容量:440L
ホイールサイズ:19インチ8.0J(フロント)/19インチ8.5J(リア)
タイヤ:225/45 R19(フロント)/255/35 R19(リア)
車両重量:1815kg
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:746ポンド(11万3000円/1か月)
CO2 排出量:175-178g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:462ポンド(7万円/ガソリン)
燃料含めたランニングコスト:462ポンド(7万円)
1マイル当りコスト:0.19ポンド(28円)
不具合:なし
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