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出すなら令和だったろ! アウトドアブームのいまなら大ヒットの予感漂う平成の不人気車3選

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出すなら令和だったろ! アウトドアブームのいまなら大ヒットの予感漂う平成の不人気車3選

令和のいまなら大ヒット必至のアウトドア&車中泊カーとは?

 1990~2000年代のクルマには、”時代を先取り”したかのようなユニークかつ楽しいクルマが溢れていた。けれども、時代の先を行き過ぎていたせいか、当時はいまひとつ人気が盛り上がらなかったクルマもあった。ここでは、そんな生まれるのが早すぎたクルマのなかで、令和のいまならヒット間違いなしと確信できる、懐かしくも新鮮に映るかもしれないクルマを紹介したい。もちろん、そのままというわけではなく現代にマッチした機能/装備/安全性を携えての話である。

まさに「走るラブホ」だった「S-MX」! メーカー自ら「恋愛仕様」と謳う「究極の車中泊カー」だった

観音開きドア採用の若者向けアウトドア専用車「ホンダ・エレメント/2003年発売」

 まずは2001年北米国際自動車ショーにアメリカホンダがコンセプトカー「モデルX」を発表し、その後市販モデルとしてデビューしたエレメントである。コンセプトは西海岸のサーファーに向けた、ライフガードステーションをイメージしたクロスオーバーモデル。エクステリアは樹脂のクラッティングパネルを多用し、観音開きドアを採用していたのも大きな特徴だ。海に対して平行にクルマを止め、サイドアクセスゲートと呼ばれるドアを左右全開にすれば、エレメントを通してクルマと青い海が一体となった絵画のような演出が可能であった。

 実際、日本での試乗会は沖縄の海辺で行われ、エメラルドグリーンの海が最高に似合うクルマであることを痛感した記憶がある。ただし、アメリカでは若者にウケたものの、日本では観音開きドアの使い勝手(フロントドアを開けないとリヤドアが開かないなど)や、今なら納得の樹脂のクラッディングパネルに覆われたボディの見映えから、人気はいまひとつ。2003年4月~2005年12月までの短命モデルに終わった。

 だが、そのエクステリアは今ならほぼそのままでも通用するどころか、アウトドア派に大ウケするに違いない(最近も六本木で見かけたが、カッコ良かった!!)。サーファー向けということもあってシートやフロアなどに防水処理も施されているから、サーフ&スノーのスポーツ派はもちろん、現代のお洒落アウトドア派にも最高の1台となりうる。e:HEV&ホンダセンシングフル搭載でこのスタイリングがあったら、いまならアウトドアブームの後押しがありヒットしたかも!

商品コンセプトが攻めすぎのカップルカー「ホンダS-MX/1996年発売」

 ここでふと気付いたのだが、1990年代後半から2000年代にかけて当時のホンダはイケイケで、エレメントのほかニッチというかかなりユーザーターゲットを絞り込んだ新車は少なくなかった。そう、1996年にデビューして2002年まで販売されたホンダクリエイティブムーバーの1台、S-MXである。

 大ヒットした初代ステップワゴンのショートボディ&2列シート版と言える、若者をターゲットに絞った遊びのためのクルマであった。さらにローダウン仕様や排気音チューニングありと、自動車メーカーの新車としてはなかなかユニークな企画なのだが、最大のセールスボーイントは、当時筆者が「走るラブホ」命名した車内のシートアレンジ性にあった。

 前後シートは基本、平板なベンチシート。この平板なところがミソで、前後席のシートバックをほぼ水平に倒すと、前後席が即ベッドに早変わり。その気になったらS-MXを止め、ベッドインできるというワケだ。ベッド前方(車体前方)の枕元にはティッシュボックスがすっぽり入るトレイがあり、また純正アクセサリーのカーテンには、避妊具が入る小さなポケットが付いていたりと(使ったことはありませんが……)、ラブホ感覚満点だったのだ。

 もっともそうしたキャラクターは、2000年代ではアウトドアブームが全盛でなかったこともあって、ステップワゴンほどの人気は得られず、2002年に販売終了となった。しかし現代にS-MXを蘇らせるとしたら5代目ステップワゴンをベースにわくわくゲートを採用した、前後ベンチシートかつワンタッチベッド化仕様なんていうのはどうだろう。決して走るラブホではなくアウトドアや車中泊に特化したクロスオーバーモデルとしての登場だ。期待してますよ、ホンダさん!!

EJ20ターボ搭載のクロスオーバースポーツ「スバル・インプレッサグラベルEX/1995年発売」

 空前のSUV&クロカンブームの今、平成初期では不遇だったクルマが光り輝いて見える。そんな1台がスバルのインプレッサグラベルEX(以下、グラベルEX)ではないか。1992年に登場した初代インプレッサをベースに、リフトアップしたRV的な雰囲気(当時はこの種のクルマをRV=レジャービーグルと呼んでいた)や、背面タイヤを含む装備を纏ったのがグラベルEXだった。いわば現代のスバルXVの前身、インプレッサXVというべきキャラクターであった。当時スバルはレガシイグランドワゴン(のちのランカスターやアウトバック)をリリースしており、まさに時代に先駆けた商品展開だったのである。

 しかも、グラベルEXはただのインプレッサベースのRV仕様ではない。なんとベース車はインプレッサスポーツワゴンWRXで、水平対向4気筒インタークーラーターボエンジンで武装し、最低地上高は185mmまで高められていた。

 もっとも、ある意味時期尚早で、背面タイヤによるワイルドさより、その使い勝手の悪さが影響してか(リヤハッチを開けるためにスペアタイヤキャリアを扉のように開ける必要があった)、生産代数は1313台に留まったという。もちろん、そのコンセプトはいまのXVに受け継がれているのだが、願わくはスバルXV WRX、あるいはベース車両のインプレッサにあったSTIバージョンがあれば、もう少し販売台数を伸ばせたかも。いずれにしてもアウトドアも楽しめる、スバルならではのスポーティモデルは登場が四半世紀早すぎた。

 前述した3モデルのうち、とくにエレメントとS-MXは、今のアウトドア&車中泊ブームにうってつけでジャストフィットする、遊び心も満載のクロスオーバーモデルだと思える。6代目新型ステップワゴンが原点回帰ということなら、1990~2000年代に登場した、今見れば魅力的に映るキャラクターをぜひ、現代に蘇らせてほしいものだ。

 このほかにも、90年代半ばに登場したスズキのX90やダイハツ・ミゼットIIといった軽自動車のクロスオーバーモデルが、トヨタの小型モビリティ「C+pod」のようなBEVのパーソナルカーとして登場したら面白そうだ!

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みんなのコメント

15件
  • S-MXはそれなりに売れたんじゃないのかな、だから6年間もカタログ落ちしないで生きながらえたんだと思う。ステップワゴンやオデッセイがあるなかでバカ売れはしないけれどそこそこ街中では見かけた。
    X90はなぁ、モーターショーで評判がよく販売希望の声が多かったから発売に踏み切ったらしいが、二人乗りのSUVは売れないよ。いすゞミューだって二人乗りが売れなくてすぐに4人乗りを追加したのにスズキは見誤ったな。
  • 未来のことは誰も分からない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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