この記事をまとめると
■2024年1月12日より東京オートサロン2024が開催
どいつもこいつもヘビー級のこのご時世に貴重な存在! 「軽さが命」のスポーツモデル4選
■イギリスブランドのケータハムのブースを紹介
■EVライトウェイトスポーツ「PROJECT V」を展示
まるで市販モデルのような完成度
1959年の創業以来、良質で硬派なライトウェイトスポーツを作り続けてきたイギリスのケータハム。同社の伝説的なアイコンといえば、ロータス・セブンを先鋭化、平たくいえばより過激、かつスポーティに進化させ続けた「ケータハム・セブン」が真っ先に思い浮かぶはず。いまだに世界中で多数の愛好者を生み続けるだけでなく、ライトウェイトスポーツのお手本、マスターピースとさえ賞賛されている。
そんなケータハムが、意外なことにEVプロジェクトに取り組み、先進的なEVライトウェイトスポーツとして生み出したのが「PROJECT V」だ。オートサロンでは試作車の展示だとされたが、完成度の高さは市販モデルと見まごうばかりの仕上がりだ。
PROJECT Vは、ファン・トゥ・ドライブ、ライトウェイト、そしてシンプルという同社のコンセプトを体現。シャシーとボディには軽量CFRPやアルミといった素材が用いられたほか、圧倒的なノウハウの蓄積があるスペースフレーム構造が導入が検討されている。あくまで試作車のスペック(一部は目標値)だが、全長×全幅×全高:4255×1893×1226mm、車重:1190kg以下、航続距離(WLTP):400km、0-100km/h:4.5秒以下など、現実的で魅力的な数値が並ぶ。
パワートレインは200kW(272馬力)を発揮する軽量モーター、バッテリーは55kWhのリチウムイオンを採用する計画だ。一般的にEVのバッテリーは室内の床下に収納されることが少なくないが、ケータハムは重心位置の最適化を目論み、床下以外の2分割分配を研究しているという。加えて、重量物はすべてホイールベース内に収めるという徹底ぶりも見逃せない。さらに、駆動系ソフトウェアの開発も進行中で、市販車では現状のパフォーマンスを上まわる可能性が高そうだ。
室内空間もしっかり確保!
軽量でコンパクトなボディとくると、足まわりの品位が気になるもの。だが、これこそケータハムの知見が最大限に発揮されるポイントだ。前後ともに、アジャスタブル・ジオメトリー式のダブルウイッシュボーンと発表されており、路面追従性はもちろん、姿勢変化への対応などコントローラブルでスポーティな味付けとなることは間違いない。オートサロン展示車では、大径のディスクにゴツいキャリパーを確認することができるが、これを見ただけでサーキットやワインディングの爽快な走りが容易に想像できるだろう。
そして、ケータハム・セブンのトラディショナルなスタイリングに対し、PROJECT Vのデザインはよりモダンで、ビビッドなラインに溢れている。チーフ・デザイナーのアンソニー・ジャナレリが手がけたスタイル、ディテールは新たなケータハムの姿を見事なまでに描き出し、所有欲を満足させる以上の喜びが見出せるはずだ。
こうしたEVライトウエイトのパッケージは、インテリアにも恩恵をもたらしている。車高の低いスポーツカーといえば、室内空間に多少の我慢が強いられたものだが、PROJECT Vにそんな心配は無用だ。バッテリー配置の工夫から、低床化に成功しているため、ドライバーズシートは快適な空間が確保されている。また、一見すると2シーターのように見えるが、じつは後席スペースは思いのほか広いのだ。試作車では、センターに1シートを配置した2+1レイアウトとなっているが、オーダー次第で2+2を選ぶことも可能だという。
インストルメンタルパネルにはアナログメーターが組み込まれているように見えるが、じつはフルデジタルクラスター。むろん、タッチパネルの導入も検討されており、Apple CarplayやAndroid Autoに対応するミラーリング機能も備えるなど、現代的デバイスもふんだんに取り入れられそうだ。
なお、市販車の登場は2026年が予定されているが、先駆けてオートサロンで試作車をチェックしておくこと、強くオススメしておきたい。
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