新型コロナウイルスの感染拡大により、F1をはじめとするモータースポーツの各カテゴリーは、財政的な危機に直面している。特にF1は近年、活動予算の管理や長期的な健全性を保つための対策を長く行なってきた。しかし今回のパンデミックによって、世界経済に大きな影響が及んでおり、自動車メーカーやスポンサー、そしてチームのF1への投資が引き下げられる可能性がある。そんな中でも生き残るべく、舞台裏では多くの努力が行なわれているようだ。
そう語るのは、元フェラーリF1の代表であり、今はランボルギーニのCEOを務めつつ、FIAのシングルシーター委員会の会長の役割も担うステファノ・ドメニカリである。
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「FIAとリバティ・メディアがチームと共に将来のために考えていること、それは正しい方向に向かっているように感じる」
ドメニカリはそう語った。
「これはこの機会を活かすか否かということだ。そして、この機会を活かさないわけにはいかない……絶対に活かさなければならないんだ。そうでなければリスクは非常に高くなり、元の形に戻ることはないだろう。これまで、開催される予定だったグランプリにおけるチケットの販売数を見ると、それは信じられないほどの数だった。これは、今回の危機が起きる前の状況だ。このようなことが、現在の危機が去った後にも確実に存在するようにするのは、全ての関係者の義務だ」
先日FIAは、ルールを変更するにあたって必要な条件を変更。これまでは全チームの賛同が得られなければ変更できなかったが、今後は多数決によって決めることができるようになる。これが実を結ぶのは、6月中旬に行なわれる世界モータースポーツ評議会(WMSC)である。
「この機会を利用して、改善が必要であることが分かっていることを再検討しないのは、私は罪だと思う」
ドメニカリはそう語った。
「したがって我々は、6月に開催予定のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)でプレゼンができるよう、我々が話しているアイデアについてこの数週間懸命に取り組んでいる。しかし、経済状況が良い時に、そのシステムが受け入れられていたため、常に延期されてきた。今、我々はそれに取り組むべきだ。この機会を逃した場合、それは罪だと言えることは分かっている」
「私はこれが、モータースポーツ業界が再編成される機会だと考えている。モータースポーツの未来にとって、欠かせないモノになるのは間違いない。しかし短期的には投資のレベル、そしてテクノロジーのレベルと選手権の数を再検討する必要がある。おそらく、メーカーの立ち振る舞いも……プライベートチームに対するサプライヤーになるのか、それともコンストラクターとしてレースに関与するのかということだ。これはすぐにでも行なう必要がある議論だ。たとえ大きな混乱が生じることになったとしても、勢いを保つことが基本なのだ」
「どうやってバックアップを構築するのかを検討し、今後数年にわたって状況が改善し、モータースポーツが我々の業界にとって非常に重要なプラットフォームであり続けるようにするために、全てをゼロから考え直す必要がある」
現在多くの注目がF1に集まっている。マクラーレンのようなチームは予算の上限額を1億ドル(約106億円)に引き下げることを求めているが、フェラーリは1億4500万ドル(約154億円)以下にすることは受け入れられないと主張している。ドメニカリはこの状況を監視しつつも、このようなリセットは全てのカテゴリーで必要だと語る。ドメニカリのFIAでの役割は、F4からF1への道筋を作ることでもある。
「FIAのシングルシーター委員会の会長として、F4、F3、F2を再始動する正しい決断について考えている。そしてこれが可能になれば、コストをさらに削減し、この”フォーミュラカーの世界”が今後より魅力的なモノになるために何ができるのか、それも考えている。チームを存続させるために、新しくアップデートされたテクノロジーの導入を遅らせる。シーズン後半には、誰もがチャンピオンシップを再開しようとしている。しかし、2021年に向けて集中する必要がある場合には、その期限も設定する必要があるのだ」
ドメニカリは、9月までにモータースポーツを再開するのは、簡単なことではないと語った。
「検討が必要な法律は複雑なため、それは非常に難しいことだ」
そう彼は語った。
「レースが開催される国だけでなく、様々な国籍のチームがある……彼らはそれぞれの国の法律を尊重しなければいけない。可能性をゼロにしたくはない。F1ではご存知のとおり、できるだけ早く再開しようとしている。それは素晴らしいことだ。しかし、それは非常に難しいことだろう」
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