F1第22戦ラスベガスGP予選は、トップドライバーたちが次々に脱落していく波乱の展開となった。
まずQ1ではランド・ノリスが16番手、オスカー・ピアストリも19番手に終わり、マクラーレン勢が早々に姿を消した。そしてQ2ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が11番手、セルジオ・ペレス(レッドブル)も12番手で敗退した。
フェラーリが予選1-2。ルクレール「レースペースもいいはず」サインツは“不当な罰”への怒りが消えず/F1第22戦
ペレスは終了まで2分を残して、アタックを終了。その後、中団勢が次々に自己ベストを更新したことで、まさかのQ2落ちとなった。チーム側が、トラックエボリューション(路面グリップの改善度合い)の伸びを読み違えたのは明らかだった。
一方ハミルトンは、終始グリップ不足を訴え、4番グリッドを獲得したジョージ・ラッセルに大きく差をつけられる結果となった。メルセデスはタイヤを温めにくいマシン特性が今も改善できず、ラスベガスは苦戦が予想されていた。むしろラッセルの健闘を、評価すべきだろう。
マクラーレンのMCL60も、長いストレートを低速コーナーが結ぶラスベガス・ストリップ・サーキットは苦手な部類だ。とはいえ予選直前のFP3では、ピアストリが総合2番手、ノリスも11番手につけて、一発の速さを改善しつつあった。
彼らの最大の敗因は、ソフトタイヤ1セットでアタックを続けたことだった。確かにFP3ではそれでタイムを更新できていたが、Q1ではタイヤのグレイニングに苦しめられた。公式データでは路面温度は3度ほどしか下がっていないが、実際にはもっと冷え込んだ可能性がある。
超高速コースを得意とするはずのウイリアムズも、アレクサンダー・アルボンは彼らと同様ソフト1セットでアタックを続け、ノリスとわずか100分の7秒差の14番手でかろうじてQ1落ちを免れた。それが2セットを使ったQ2では、6番手タイムでQ3に進んでいる。
対照的に絶好調だったのがフェラーリで、シャルル・ルクレール、カルロス・サインツが1、2番手を独占した。ずっとタイヤのオーバーヒートに苦しめられてきた彼らにしてみれば、ラスベガスのタイヤが冷えやすい環境は天国だろう。
ただしサインツは理不尽なパワーユニット(PU)交換ペナルティで、決勝レースは12番グリッドからのスタートとなる。ロングランペースに関しては、サインツに代わってフロントロウに上がったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の方が分がありそうだ。
とはいえこのコンディションでの50周の長丁場は、誰にとっても未知の状況だ。今季のルクレールは、これまで4回もポールポジションからスタートしながら、まだ1勝もできていない。そろそろ「五度目の正直」があっても、いいかもしれない。
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