2024年は6月23日に決勝がスタート
標高4302mの山を誰が一番速く駆け上がることができるかを競う「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称パイクスピーク)」。2022年に100回目の記念大会を開催し、今回が102回目となるインディアナポリス500マイルレース(通称インディ500)に次ぐ、世界で2番目に長い歴史を持つレースです。そのエントリーリストが発表されました。
52歳、トヨタ「スターレット」でチャレンジした「パイクスピーク」の結果は?「山の男」はロビン・シュート選手でした
102回目の「雲へ駆けあがるレース」には日本人2名がエントリー
パイクスピークは1916年の初開催以来、一世紀以上にわたって開催され続けるヒルクライムレース。コロラド州にあるパイクスピーク(標高14115フィート=4302m)を舞台に、標高2862mのスタート地点から頂上までの全長約20kmの1本道のコースを1台ずつアタックするというもの。
以前は完全に舗装されていなかったのでダートコースのような印象が強いが、2012年には全面舗装となり、現在ではスリックタイヤでのアタックも可能。2輪部門は死亡事故が続出したため、現在は4輪部門のみの開催となる。
標高の高い地域での走行ということで空気が薄くなっていく頂上付近ではエンジンの出力が30%近くダウンするといわれおり、現在の最速記録は、ロメイン・デュマが2018年に「Volkswagen I.D. R Pikes Peak」(電気自動車)で出した7分57秒148である。
2024年の大会まであと5カ月となった現地時間2024年1月25日(木)に発表されたエントリーリストには20名のパイクスピーク・ルーキーを含む74名が名を連ねた。まだ現時点ではTBA(未定)の表記も多く、昨年の覇者ロビン・シュート(4度)、ポール・ダレンバック(3度/殿堂入り)、リース・ミレン(2度)といった総合優勝者に与えられる「キング・オブ・ザ・マウンテン」の称号を受けた者の名前は、クリント・ヴァショルツ(2020年)以外、見当たらない。正式のエントリーリストが出るまで、まだ時間が必要となる。
パイクスピークのメリッサ・エイコフ エグゼクティブ・ディレクターは次のようにコメント。
「今回も受け入れ可能な数を大きく上まわる応募があった。 選考委員会は各ドライバーとその車両を精査し、絞り込むという難しい仕事をこなしてくれました」
今回のクラス分けでは、「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィbyヨコハマ」から変更となった「パイクスピークGT4byヨコハマ」に、「エキシビション」、「オープンホイール」、「パイクスピーク・オープン」、「タイムアタック 1」、「アンリミテッド」の6部門となる。
日本人では、2023年にパイクスピークに初挑戦した八木敏史選手(1990年式EP82型トヨタ スターレット/パイクスピーク・オープンクラス)が再挑戦。八木選手は次のようにコメントした。
「前回のタイム(12分33秒959)はエンジンもタービンも駄目な状態だったとはいえ、あまりにも不甲斐ないタイムだったので、今回は2016年に4AGのKPでフィンランドの ミッコ・カタヤ選手(#371 1979年式トヨタ スターレットKP62/タイムアタック 1クラス/11分42秒877)が出したタイムを上まわりたいと考えています」
サムライスピードは1991年式日産パルサーGTI-Rで参加
もう1名はここ数年、奴田原文雄選手および大井貴之選手を起用しパイクスピークに挑戦を続けてきたサムライスピードから参戦する神子力選手。車両は1991年式日産パルサーGTI-R(パイクスピーク・オープン)である。サムライスピードで過去に参戦してきた日産リーフ同様に、大王製紙のセルロースナノファイバー(CNF)製の外装パネルを製作し、燃料はE85を使用するという。神子選手は過去にもパイクスピークへの挑戦をしており、今回ゼッケン33をつけるが、これは33年ぶりの参戦という意味だという。
残念ながら、今のところ、近年パイクスピークに挑戦を続けてきていた吉原大二郎選手の名前はない。現時点での2名の日本人ドライバーは、奇しくも90年代初頭のバブルの香りが残る車両での参戦となった。
ちなみに日本車はほかにもダットサン240Z、トヨタ サイノス、スバル インプレッサおよびWRX、三菱ランサー エボリューション、マツダRX-7、ホンダS2000、マツダ アクセラ、日産GT-R、スバルBRZ、トヨタ スープラ、アキュラ インテグラなど多数参戦する。
観戦チケットはオンラインでのみ発売中。決勝日チケットはすべて駐車券とのパックとなっており、観戦場所(指定エリア)と1台の車両に乗車する観戦者の数によって価格は変動する。
たとえばスタート直後の第1コーナーに、クルマ1台に1人でクルマできて観戦の場合のチケットは90ドルだが、クルマ1台に8人が乗車して現地に入って観戦する場合の8人分のチケット料金は300ドルとなり、バイク(一人乗車)なら45ドルといった具合だ。さらに決勝日前夜のキャンプも可能(9マイル・ポイントでのキャンプ・シングルチケットなら400ドル)。
しかしながら、スキーエリア、グレンコーブのキャンプチケット(前泊ナシの観戦のみは発売中)はすでに売り切れとなっている。さらに観戦者には事前に観戦ガイドをよく読むことが推奨されている。
第102回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの公式スケジュールは、2024年6月17日(月)に公開車検、18日(火)から3日間の練習走行及び予選セッションが行われ、21日(金)の夕方にはふもとの街であるコロラドスプリングスでファンフェスタが開催される。そして1日空けて23日(日)現地時間朝7時半からパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝がスタートする。
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