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藤井誠暢が作り上げたドライビングラボ『simdrive』に潜入。スキル向上の手法を根底から変える!?(2)

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藤井誠暢が作り上げたドライビングラボ『simdrive』に潜入。スキル向上の手法を根底から変える!?(2)

 WEC世界耐久選手権やGTワールドチャレンジ・アジアでドライバーとして活躍するレーシングドライバーの藤井誠暢が、4月4日に会員制ドライビングラボ『simdrive』をオープンさせた。「ぜひ一度試してみてください」とお誘いをいただいたので、東京都港区東麻布まで訪れた。今回は編集部員が体験した実際の様子をお届けしよう。

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藤井誠暢が作り上げたドライビングラボ『simdrive』に潜入。スキル向上の手法を根底から変える!?(1)

■走り終わった後は汗だくに
 リアルに非常に近い環境が少しずつ実現できているのが近年のシミュレーターだが、この『simdrive』は、よりリアルでの実践に繋げるための会員制ドライビングラボだ。その実力がどんなものなのか、藤井に「ぜひ体験してみて下さい」と取材させてもらった。

 とはいえ、筆者は今までスポーツカートを20回ほど、自らステアリングを握って四輪コースを走るのは、富士スピードウェイやスポーツランドSUGOを数回走った程度で、いかにリアルに近いかを評するのは厳しいと判断。藤井とは2002年にF4で戦った実績もある、オートスポーツ田中康二編集長を招聘。今回取材に同行したオートスポーツweb編集部ナカノ、筆者の3人で実際にシミュレーターに乗ってみることにした。

 ただレース経験が乏しい筆者ではあるが、その体験を存分に満喫することができたので、まずは筆者の体験をお届けしよう。ユーザーそれぞれのオリジナルMODを使用できるのがこの『simdrive』の特徴のひとつだが、TCR車両であるアウディRS3 LMSを選ばせてもらった。2018年、Audi Team Hitotsuyamaの一ツ山亮次代表の誘いで、実際に富士を走ったことがあったからだ。

「MODありますよ」と藤井。誘われるがままに、シートに座ってみる。近年はシートが可動するタイプのものがシミュレーターでは主流だが、この『simdrive』のシートは非常に特徴的で、他とは違う。実はまだ『simdrive』は内部の様子を大きく公開していないので詳しくは書けないが、「ああ、ひさびさのレーシングカーのコクピットだな」と感じるものだった。

 実車同様、シートベルトをガチガチに締めてもらい、いざ走行スタート。眼前には世界初だという、5メートルのLED湾曲スクリーンが広がるのだが、これが本当に実車と同様の距離感を見せてくれる。アウディで走ったのは2018年のことだが、一気に当時の感覚が戻ってきた。

 しかし数周して、藤井が一時走行を中断した。「ヒラノさん、ブレーキはもっと強く踏まないと!」と指導が入ってきた。画面上に踏力も出るが、それを見ながら一度ブレーキを練習。さらに、今度はヘッドセットをつけて走行がリスタートした。

 最初は感覚が戻りきっていなかったが、すぐにブレーキが重い特性、FFならではのアンダーステアの出方など、「たしかにこうだった!」という感覚が戻ってきた。すると、ヘッドセットから藤井の声がする。「最初にしては走れていますよ」「100Rはインベタで入って、はい。ブレーキ……」「最終コーナーはもっとアウトから入りましょう」とロガー、実際のドライブを見ながら、的確にアドバイスをくれる。これは上達しない方がおかしい。

 そのアドバイスもあり、少しずつタイムが縮まっていく。ただやはり、1周をまとめきるのはプロでも難しいもの。なかなかタイムが揃わなかった。やっと出した自身の最速は、1分51秒台。初めて攻めて走ったにしては上々かもしれない。藤井も「あと数回通ったら、1分50秒はぜんぜん切れると思います」という。気になって2022年のTCRジャパンシリーズのリザルトを見てみると、意外と予選最後尾くらいにはつけられるのでは……? という気にもなってきた。

「もちろん、実車ではその通りにはいかないと思いますが、例えばシミュレーターで1分49秒まで出せるまでスキルアップして、プラス2秒のマージンで実車を走ればいいと思います。そうすれば絶対にミスしないはずです」と藤井は言う。

 今にして思えば、2018年に実車に載せていただいた時には、まわりに車両がいたこと、さらにTCR車両のお値段1500万円が脳裏にあり続け、まったく攻める気にもならなかった。2分を切れずにいたのだ。それでもTCR車両のパフォーマンスは感じることができたのだが、例え1500万円を払わなくて済むとしても、おっかなビックリで走っていたのでは上達は見込めない。しかし、『simdrive』ならば思う存分スキルを磨け、それを実車に合わせて走ればいいだけだ。

■走り終わった後は汗だくに。ぜひ一度体験を!
 コーナーの攻め方をあれこれ工夫しながら走っているうちに、気づけばなんと1時間もぶっ通しで走っていた。着ていたTシャツは汗だく。今回左足ブレーキを使っていたが、左の太もも周辺は3日ほど筋肉痛に悩まされた。

 そして、実際にドライブした感想としては、驚くほど実車に近い感覚を味わうことができる。特にステアリングからのフィードバック、さらにシートから伝わるインフォメーション、ブレーキングのGの感じ方など、他のシミュレーターとは違う感触を味わえた(と言ってもそこまでシミュレーターを体験してきたわけでもないが)。

 ちなみに、「ステアリングが本当に素晴らしくて、あれほど路面を感じられるのは他にない」というのは、『simdrive』を大いに活用してきた木村武史の弁だ。藤井がチューニングを重ねた機構に加え、車両ごとにセットアップされたMOD、さらにそれを藤井が試し実車に近づけセッティングしているのだから、その感覚になるのも当然だろう。

 1時間ぶっ通しで走っていたのは、本誌田中編集長、そしてオートスポーツwebナカノも同様。ふたりはメルセデスAMG GT4を使って走っていたが、田中編集長はスーパー耐久富士24時間でST-Z車両が出すのとほぼ近いタイムを記録。「富士24時間、エントリーしておきましょう(笑)」と藤井も太鼓判を押した。

 では、その田中編集長の感想を聞こう。

「自分は本格的なシミュレーターは初めてだったので驚きましたが、例えばTGRコーナーでブレーキングしますよね。そこで舵を切りながらブレーキを抜いていくときのクルマが向きを変えていく感覚がすごい。走れば走るほど、本当に運転しているような感覚になりました」と田中編集長。

「あとは100Rのアンダーステアの出方のイヤ~な感じが非常にリアル(苦笑)。もともと苦手なコーナーでしたが、苦手なままでした。また13コーナーはブラインドで難しいコーナーですが、今まで自分が試したシミュレーターでは、リヤが出る感じは分かりませんでした。でも『simdrive』だとそれが分かるのがすごい。シミュレーターとして精度の高さを感じました」

 また田中編集長は、会費を聞いたときは「高いと思いました」と言いつつも、「例えば自宅で本格的なシミュレーター用の設置を考えると、実はそれほど高くないのだと感じました。自分で用意するとメンテナンスのコストもかかりますからね」という。

『simdrive』がいかにドライビングの探求に有効なのかは、6月10~11日に行われたル・マン24時間でも証明された。なんと、サポートレース含めて10名以上のドライバーが『simdrive』を経験してからル・マンに挑んだという。しかも、結果にこそなかなか繋がらなかったとは言え、そのすべてのドライバーがドライビングミスをほとんど見せなかった。先述のとおり、『simdrive』で経験を積んでいった木村の活躍は言うに及ばずだろう。

 真剣にモータースポーツに取り組みたいのであれば、『simdrive』は確実にドライビング上達の近道になるはずだ。日本のレーシングシミュレーター界を変える存在になるのかもしれない。

 そんな『simdrive』だが、藤井から非常にありがたいご提案をいただいた。なんと、オートスポーツwebのプレミアム会員3名様に『simdrive』をトライできる機会をいただけるという。応募は下記のリンクからメールでご応募を。ただし、きっと一度試してしまうと入会したくなると筆者は思うので、そのつもりでぜひご応募を!

応募はこちらから
※応募締切:2023年6月30日(金) 18:00まで
<ご注意>
※上記リンククリック後、メール内にお名前、メールアドレス、日中ご連絡が可能な電話番号をご記入の上送信ください。
※メールアドレスは、必ずオートスポーツwebプレミアム会員に登録されたものと同じアドレスをご記入ください。
※ご応募はオートスポーツwebプレミアム会員に限らせていただきます。
※プレミアム会員の方以外のメール送信は当選候補者から除外させていただきます。
※ご当選者の方にはオートスポーツweb編集部からご連絡差し上げます。
※ご当選者の方には当選後、simdriveからご連絡させていただき日程などをご相談いただきます。
※ご記入いただいた個人情報は上記の利用目的のみに使用し、第三者に提供することはございません。

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