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STCCにふたたびの受難。現プロモーターの事業停止により、2025年に向け新たなパートナーを模索へ

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STCCにふたたびの受難。現プロモーターの事業停止により、2025年に向け新たなパートナーを模索へ

 初年度タイトルを獲得したブリンク・モータースポーツが走らせるテスラ・モデル3を筆頭に、2024年は計4車種各3台の新型BEVツーリングカーが勝負を繰り広げた新生STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権だが、シリーズプロモーターを務めたSNBイベンツABが年末に事業を停止すると発表し、来季2025年に向け新しいプロモーターを探す必要に迫られている。

 ふたたびの受難に見舞われる格好となった北欧を代表するツーリングカー・チャンピオンシップは、世界的に猛威を振るうTCR規定を採用した2020年より、そのSNBイベンツABが初めてシリーズのプロモーションを引き継いでいた。

新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に

 パンデミックによるさまざまな遅延を経て、ようやく2024年に開始できたオール電動シリーズへの転換に際して重要な役割を果たしてきた同組織は、残念ながらBEV初年度を担当したのみで役割を終えることとなった。

「もちろん悲しい決定だが、プロモーションは新しい経済環境に適応した異なる形式で促進する必要があるため、バトンを渡すことにした」と語るのは、SNBイベンツAB代表であり、シリーズCEOも兼任するミュッケ・ベルン。

「プロモーターとしてやりがいのある厳しい5年間を振り返り、関わってくれたすべてのファンに心から感謝したいと思っている。現在のコンセプトは依然として強力であり(スウェーデンのモータースポーツ連盟である)スヴェンスク・ビルシュポルトとチームが協力し、2025年も選手権で競争するという決意を継続していることをうれしく思う」

 すでに来季2025年のカレンダーが発表され、ヨーテボリ市街地特設トラックでの新規開催日程を含む、5月から9月にかけての全5戦が予定されている2年目の電動選手権に向け、先のビリンク・モータースポーツを筆頭にTCR時代から参画するエクシオン・レーシングのBMW i4とフォルクスワーゲンID.3、そしてシリーズの盟主たる強豪PWRレーシングのクプラ・ボーンなど参戦各チームは、来季のSTCCでの活動を確約しており、新しいキャンペーンが計画どおりに進められるよう解決策を見つけるための話し合いが進行中だという。

「私たちチーム側は、ここ数年の選手権の歩みを非常に誇りに思っています。2024年には気候に配慮した電動レースが、エンターテイメント性と信頼性の両方を兼ね備えていることを一緒に証明しました」と、都合3チームの共同声明冒頭にはそう記されている。

「今後はスヴェンスク・ビルシュポルトやその他の関係者と協力し、スウェーデンの電動モータースポーツの未来を確実にする新しい方法を見つけることを楽しみにしています。私たちは、このスポーツが刺激を与え、発展させ、ファンを楽しませる可能性を信じており、この旅を続ける準備ができています」

 現時点では、潜在的な新しいプロモーターに関する公式情報はないものの、スウェーデン・モータースポーツ連盟(スヴェンスク・ビルシュポルト)は最近、国内ラリー選手権を含むいくつかのモータースポーツイベントと選手権のプロモーターを引き継いだ実績も有している。

「変革の初年度を終え、こうしてSNBイベンツABがSTCCのプロモーターとしての役割を終えるのはもちろん残念ですが、チャンピオンシップのプロモーターが交代するのは珍しいことではありません」と語るのは、スウェーデン・モータースポーツ連盟の事務局長を務めるアンナ・ノルドクヴィスト。

 その電動2年目の開幕戦も、新規設計となる625mのオリンピック公園臨時トラックにて有名なレース・オブ・チャンピオンズ方式の“Head 2 Head”フォーマットを採用したコンセプト形式を踏襲し、よりファンとの相互交流を強化するべくイベントエリアでのエンターテインメントの範囲が拡大されている。

「STCCは気候に配慮し、エンターテイメント性があり、信頼性の高い全国レベルのエリートレースという点で歴史的な前進を遂げており、今後も大きな可能性を秘めていると私たちは考えています」

 前述の参戦各モデルは、ヨコハマタイヤが供給する量産ロードカー用タイヤを装着し、最高出力550PS、0-100km/hが3秒以下、最高速300km/hをマークする後輪駆動EVとなり、最大800Vの高電圧を利用する45kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、同バッテリーやモーターを筆頭にサスペンションなどもすべてワンメイク化されている。

「STCCの名称はスウェーデンのレース界で確固たる伝統を持ち、モータースポーツ界をはるかに超えて、よく知られているブランドネームでもあります。非常にプロフェッショナルなチーム、ドライバー、スタッフが所属しており、近々にもチームを集めて、一緒にさらなる前進について話し合う最初の会議を開催する予定です」

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