ドライビング冥利に尽きるオープンカー
秋が深まってきたこの時期は晴天時の澄んだ空気もありがたくオープンカーが気持ちいい季節である。オープンカーというとマツダロードスターやポルシェボクスターあたりが代表的だが、過去には「こんなのあったけ?」と感じるようなマニアックなオープンカーも少なくない。秋の夜長には懐かしい何台かを挙げて振り返ってみたい。
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S13シルビアコンバーチブル & S15シルビアヴァリエッタ
ドリフトのベース車など体育会系のイメージが強いシルビアながら、エレガントな2ドアクーペという顔があったこともあり、爆発的ヒット車のS13と最後となったS15にはともにオーテックジャパンが手掛けたオープンモデルもラインナップされていた。 S13のコンバーチブルはソフトトップで1.8Lのターボ車ベース、S15のヴァリエッタはメタルトップでNAの2Lベースという違いはあるが、それぞれ電動トップの4人乗りという共通点を持ち、どちらもオープン化によりシルビアらしいエレガントさがより際立っていた。
2代目サバンナRX-7カブリオレ
前述のシルビアに対するものと同様に、ロータリーターボエンジンの搭載など硬派なイメージが強い2代目(FC型)「サバンナ」のサブネームを持つRX-7だったが、このモデルにもオープンのカブリオレが設定されていた。
今から35年近く前のオープンカーということもありクーペのサバンナRX-7ほどのスポーツ性はなかったが、その代わりにオープン化でエクステリアがシャープなものとなり、大変スタイリッシュなモデルだった。
またサバンナRX-7カブリオレはオープン時の風の巻き込みを抑制するエアロボードの装着など、ロードスターに継承されるマツダのオープンカー造りにおいても多くの知見をもたらしたモデルでもあった。
初代 & 2代目スープラ エアロトップ
BMW Z4との兄弟車という形ながら復活したスープラの初代と2代目モデルには、アメリカ市場がメインターゲットだったこともあり、エアロトップと呼ばれたタルガトップも設定されていた。
初代モデルはスープラの車格や動力性能にはボディ剛性が不足していたが、2代目モデルでは及第点に進化したこともあり、スープラをATでラグジュアリーに乗りたい、というならなかなか似合った存在だった。
マーチカブリオレ & マイクラC+C
現行モデルの存在感は薄れているが、先代の3代目モデルまでは日産における重要なコンパクトカーだったマーチには、2代目モデルにはカブリオレ、3代目モデルにはマイクラC+Cの名を持つオープンモデルがあった。
2代目マーチのカブリオレはかつてのゴルフカブリオレのようなクローズドモデルのBピラーの部分にロールバーを持つソフトトップだった。
3代目マーチのマイクラC+Cはマイクラの車名が表すようにイギリス製で、電動メタルトップを備えていた。またクルマの上下動を抑えるなどクルマにとって重要なパーツの1つ、ショックアブソーバーが欧州製の高品質なものを使っているなどの好影響により、日本製のハッチバックのマーチよりも乗り味が上質だったことも印象的だった。
セリカ & サイノスコンバーチブル
現在の86に相当するミドルクラスの2ドア車のセリカの4代目から6代目モデルと、現在のコンパクトカーを2ドアクーペとしたサイノスの2代目も、アメリカが主な市場だったこともあり、4人乗りのオープンモデルを設定していた。
この2台の特徴はベースとなる車体を日本で生産し、オープンカーにするための架装はアメリカのASC(アメリカン・サンルーフ・コーポレーション)社で行い、日本に戻されるという形で生産されていた点で、今になると大変贅沢な成り立ちである。
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