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余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた

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余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた

現状では儲かるビジネスとはなり得ない

EV(電気自動車)の普及に急速充電インフラの整備は必須条件である、と思っている自動車ユーザーは多いだろう。現実的には、たまに利用する急速充電より、自宅や職場など長時間駐車している環境における普通充電(基礎充電)を確保することが利便性につながると理解できるのだが、それでも急速充電インフラが不要という意味ではない。

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急速充電インフラが整備されればEVの運用にとってプラスしかないのも事実だ。

では、個人(自営や副業レベル)で急速充電インフラの整備に貢献することはできるのだろうか。具体的にいえば、自宅の敷地などに不特定多数が利用できる急速充電器を設置することは可能なのだろうか。

結論からいえば、個人が独立した急速充電器を使ってビジネス化することは非常に難しく、非現実的といえる。そこにはいくつもの理由が考えられる。

まずは、急速充電器を設置するためにクリアすべき規制や条件のハードルが高いことが挙げられる。いま日本で50kW級以上の急速充電器を設置するには高圧受電設備(キュービクル)の設置が必要で、建屋とキュービクルの間は3m以上の空間が必要となっている。高速道路のPAや、観光地の道の駅などで急速充電器がポツンと置かれているのには、こうした規制が影響している。

キュービクルの設備コストは最低でも200万円、高圧電力の引き込みにも同等のコストが必要とされている。加えて、急速充電器本体と設置工事のコストもかかる。そのため、初期費用の合計はおおむね600万円あたりが目安とされている。引き込みコストがかかるシチュエーションなどでは1000万円オーバーとなることもあり得るだろう。

仮に600万円の初期費用だとして、それで終わりではない。年間で100万円はくだらないであろう電気代は所有者の負担になるし、機器のメンテナンスコストもかかる。

また、規制的な話をすれば、電気を売ることができる売電業者は非常に限られている。そのため、個人レベルでの急速充電ビジネスは施設利用料として徴収するカタチになるという点も見逃せないポイントだ。

個人で充電サービスを運営するのは非現実的

日本最大級の急速充電インフラといえるeモビリティパワー(以下、eMP)の場合も同様で、充電に利用した電力量ではなく、急速充電の利用時間をベースの課金となっている。

具体的には、50kW超・急速充電器のビジター使用料金は最初の5分までが税込385円、以後1分あたり77円となっている。つまり、30分で2310円の売上になる。この価格設定で運用、1日12時間ほど利用されると仮定した場合の売上は5万5440円/日となる。

ただし、このように利用料金を徴収するためには、利用者の認証と支払いを可能にするスマホアプリを開発するなどしなければならない。急速充電器の維持管理に加えて、充電器1機だけのために専用アプリを開発・更新し続けるのは現実的ではないだろう。

ちなみに、諸々の設置条件と設置費用という問題をクリアしたけれど、独自の課金システムを構築することができないというのであれば、前述したeMPと提携するという手もある。この場合、同社より急速充電器 の利用料として1分あたり15.4円が支払われる仕組みとなっている。

しかしながら、1日12時間の稼働が確保できたとしても売上は1万1088円でしかなく、年間でも400万円ほどだ。初期の導入コスト、日々の電気料金、さらに機器メンテナンスコスト、なにより建屋との距離を確保するために広い土地が必要であることを考えると、急速充電インフラ単体で個人がビジネスを成立させるというのは厳しそうといえる。

もちろん、急速充電器の設置についてはさまざまな補助金が用意されているので、それらをフル活用すれば赤字にならずに急速充電サービスを提供することはできるかもしれない。しかしながら、個人事業・副業レベルで急速充電器を一基設置するだけの課金ビジネスに取り組むだけの価値があるかといえば微妙というのが現実ではないだろうか。

可能性があるとすれば交通量の多い道沿いに未利用の土地をもっている地主くらいだろうが、そうであっても急速充電器を設置するより儲かる施設はいっぱいあるだろう。

なお、副業として不動産投資を行っている人、興味をもっている人は少なくない。アパートやマンションなど一棟物を所有、賃貸に出して収益を得ようという投資家にとって、EVが増えてくる時代には住民が共同で使える急速充電サービス、もしくは駐車場ごとに普通充電コンセントを用意することは空室リスクを減らす手法となるかもしれない。

結局のところ、ショッピングモールなどが客寄せのために設置するにはメリットがあっても、充電というサービス単体でビジネス化するには時期尚早といえそうだ。キュービクルの規制が緩和されるなど、クルマ一台分くらいのちょっとした空いている土地に急速充電器を設置できるようになれば、話は変わるかもしれないが……。

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みんなのコメント

5件
  • ********
    EVで儲けようなんてバカしか居ない笑
  • ********
    仮にやるなら自前じゃなくて、充電サービスを事業展開してる会社に土地を貸すという方式だろ。
    借りてくれる事業者が見つからないようなところは、事業者が手を出さないくらいに事業として成り立たない可能性が高い。

    自前で設備整えて時間貸し駐車場経営する人もいるけど、普通は、タイムズとかの事業者に土地を貸すだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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