キーワードは「ピックアップ」「日本車」
「BANGKOK AUTOSALON 2019」が、タイのImpact, Maung Thong Thaniを会場として、7月3~7日の5日間に渡って開催された。
海外から見た東京オートサロン 羨望/冷静な視線 外国人来場者を取材
日本のオートサロンといえばチューニングカーの祭典として知られているが、メーカーも積極的にブース展開を行っているのはご存知の通り。
それはタイでも同様で、トヨタ/日産/ホンダ/マツダ/スズキなどいった国産メーカーなどがブースを展開(一部はディーラー展示も)。各ブース共にお馴染みのモデルがディスプレイされていたが、日本人にとってカルチャーショックというか見慣れない光景だったのは、いすゞのブースが結構な規模で展開されていることだろう。
国内ではいわゆる商用トラックのイメージが強いいすゞだが、こちらではSUVのMU-Xを始め、ピックアップ・トラックのDマックスなど7台をディスプレイ。さらにそのうち2台は、ドラッグマシンとしてカスタムされたモデル(ラインナップモデルではない)となっていたのだ。実際、バンコクの郊外を走っているとかなりの数のピックアップ・トラックとすれ違う。そんなピックアップが一般的なタイにおいて、いすゞはポピュラーな存在だという。
さらにドラッグレースも盛んで、ピックアップをベースとしたドラッグマシンも多く、そのなかでもいすゞのDマックスは人気車種の様だ。ちなみに、会場内にはクスコのブースも出展していたが、この地ではピックアップ・トラックのローダウンサスも積極的に展開しているという。リフトアップではなくローダウンというところが、タイでの市場を物語っているだろう。その他、トヨタではハイラックス・レヴォ(スポーティ仕様も)、日産ではナバラなどといったピックアップ・トラックがディスプレイされていた。
その他、メーカーで目に付いたのがトヨタブースにディスプレイされていた、TRD仕様のハイエース(COMMUTER)。エクステリアもオーバーフェンダーなどでカスタムされていたが、注目はその内装。マルチ・ユース・フロア・コンバージョンとなづけられたそのフロアは、2列目以降のフロアに9本のレールを設置。そのレールにシートをセットすることで、任意の位置にシートを固定できる他、ラックやアタッチメント付きタイラップなども固定できるという優れもの。このクルマは、ラリー・サポート・ヴィークル・コンセプトBY TRDとしてディスプレイされていたが、レジャー使用としても有効だろう。
さらに会場を歩いてみるとカスタムカーの展示の他、パーツや用品、物販のブースなど様々なブースが並んでいるが、その中で常に長蛇の列ができていたのが、ホンダ車のチューニングパーツやレースなどで知られているスプーンのブース。
日本ではカーショーなどのイベントにほとんど出展していないスプーンだが、タイでは地元の企業とコラボするカタチでブースの展開を行っている。毎回この会場で物販を行っているのだが、そのアイテムを求めて地元のクルマ好きが列をなしているのだ。さらに買い求めたアイテムを手に、スタッフにサインや写真を求めるお客さんも多く、その人気ぶりがうかがえる。またスプーン・ブースでは、シビックのエンジンを5日間かけて車体にセットするというパフォーマンスを行うなど、来場者の目も楽しませていた。
その他会場のステージでは、様々なイベントが開催され、毎回人気となっているセクシー・カーウォッシュには、日本のレースクイーン2名もゲストとして参加。会場の外のスペースでも日替わりで地元のカークラブなどが展示を行い、取材した日は国産のチューニングカーなどのオーナー達が愛車を並べていた。
イベントの規模や展示車両の台数/レベルなどは日本と比べるまでもないが、取材時は平日にも関わらず若者の来場者が目立つ。まだまだ、クルマ自体に手が届かない層も多く、カスタムも憧れという面が強いなか、若者の熱気は在りし日の日本を思わせるものもがあった。
これから伸びる、その過程の中にあるタイのカスタムシーン。その熱量は、今後も高くなっていくだろう。そんな予感がするイベントとなっていた。
なお、AUTOCAR JAPANでは、本日より2日間にわたって、展示車両/コンパニオンの画像特集を配信する。
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