マクラーレンのランド・ノリスは、前戦F1アメリカGPでライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と3番手を争っている最中、コース外からの追い越しについてペナルティを科された。これについては当初から納得のいっていない様子だったノリスだが、メキシコシティGPの週末を迎えた今もその姿勢は変わっていない。
ノリスがペナルティの裁定を受けたのは、バックストレートエンドでの攻防を巡っての動きだ。ノリスがアウト側、フェルスタッペンがイン側で左ターンに向かうと、2台は共にコース外まで膨らんでホワイトラインの外に出たが、ノリスはそこでフェルスタッペンの前に立ってコースに復帰したのだ。これでノリスがコース外でアドバンテージを得たとして、5秒ペナルティを科された。
■マクラーレン、ペナルティの再審請求を実施! 物議醸したアメリカGPでのノリス5秒ペナルティに異議申し立て
ノリスの主張としては、コーナーのエイペックスに入る直前まで自分が前に出ていたものの、フェルスタッペンがそこにハードブレーキングで攻め込んで前に出てきたというもの。つまりフェルスタッペンは自分がコース外に飛び出すことでノリスを押し出すような形でアドバンテージを得たという解釈だ。またノリスは、ふたりが共にこの状況下でした動きは間違っていなかったものの、スチュワードの裁定には理解ができないと付け加えた。
ノリスは次のように語る。
「マックスとは一切話していない。彼は自分が正しいことをしたと思っているし、僕も自分が正しかったと思っている。まだ同意できないし、チームとしても同意できない」
「完全にマックスより前にいた。僕が攻撃的なマシンだったわけではなく、彼の方だったんだ」
「僕はマックスの前にいて、ポジションを守らないといけなかったけど、彼がアタックしてきて、実質的には彼の方がハードに攻めてコース外から僕を抜いたようなものだ」
「僕は自分のポジションをキープしただけだから、先週末から大きな話題になっているこの件については、また話し合うことになるだろう。多くのドライバー、チームもこれに同意していない」
「彼がコーナーのエイペックスで僕の前に出られたのは、コースを外れる勢いで来たからだ。ブレーキングすべきところでブレーキングしてコース上にとどまっていれば、エイペックスで前に出ることはなかった。それは明らかだ」
ノリスは、そのような場面で自分がよりアグレッシブになるためにアプローチ全体を変える必要があることは否定したが、今後のレースに向けて微調整を加えることはできると感じている。またフェルスタッペンとの戦いは「おそらく世界最高峰」の戦いであり、当然ながらオーバーテイクするのはかなりのチャレンジになると彼は付け加えた。
「(もっとアグレッシブになるべきと)言うのは簡単だ。もう少し適応する必要があるかと言われれば、そうだろう。でも、僕のやっていることはすべて間違っているのだろうかと言われると、それも違うね」
「とても楽しかったし、あのバトルをリスペクトしている。最終的には彼が勝ってしまったが、僕は彼に勝つ必要がある。だから少し変えないといけないことはあるけど、アプローチ全体を変える必要はない」
「マックスはおそらく世界最高の選手だ。そのドライバーに立ち向かうのは簡単なことではないのは当然。彼は僕よりも長くレースをしているしね。僕は完璧な仕事はできていないかもしれないけど、悪い仕事をしているわけでもない」
「納得できないこともあるけど、僕はまだレースを続けたいし、何から何までルールに縛って欲しいとまで思っていない」
「ただ、先週末のペナルティの受け方やその結果には納得できなかった。彼の意図は明らかだし、あれを避けるのは僕には難しいことなんだ」
なおマクラーレンはこのペナルティ裁定について、メキシコシティGPを前に再審請求を実施した。
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