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ランボルギーニSC63、初年度の「結果には満足。来年は表彰台を狙う」。開発ではテメラリオからの影響も

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ランボルギーニSC63、初年度の「結果には満足。来年は表彰台を狙う」。開発ではテメラリオからの影響も

 2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦を開始したランボルギーニ。リジェのシャシーを使用し、同社が開発した3リッター・V8ツインターボを搭載するSC63は、ランボルギーニが総力を挙げて開発したLMDhマシンだ。

 デビュー戦のカタールでは13位完走、続くイモラでは12位完走と、堅実な走行を続けてはいるものの、その戦績はあまり芳しいものではない。ル・マン24時間で10位完走を果たしたのが、今のところ今年最大のトピックだ。

ネックは“2台目の予算”か。ランボルギーニSC63、来季WECプログラムの継続いまだ確定せず

 永遠のライバル(!?)であるフェラーリやポルシェなど、他の市販スーパースポーツカーブランドがトップ争いをしていることを考えるとなおさら、この結果はやや寂しいものがある。

「ハイパーカークラスへのチャレンジが、相当に難しいものであることは分かっていました。非常に競争が激しく、かつハイレベルですからね。ただ、我々のこれまでの成績には満足していますよ。それはもちろん、1年目としては、という意味ですが」

 第7戦富士6時間レースの際に来日したランボルギーニのチーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)のルーヴェン・モール氏はこう語り出した。

「来年はもっと上を目指します。優勝はまだ難しいかもしれませんが、ポディウムは狙っていきたいですね」

■“小さな組織”の苦労とメリット

 2025年の飛躍を目指すにあたって、解決すべき問題は何か。

「クルマのポテンシャルや、何をどうするべきか、ということはだんだん分かってきました。ひとつはさらなる軽量化が必要と考えます。すでにプランはあるので、来年は改良できると思っています。ランボルギーニのモータースポーツの歴史の中でもこれは最初の1年ですから、着実に進めていきたい。GT3クラスではポディウムに登っているので、LMDhでできないわけはないと思っていますよ」

 2025年のハイパーカークラスは2台体制が必須となる。参戦2年目のチームとしては、さまざまな面での困難が予想される。

「来年の2台体制は大きなチャレンジです。我々はモータースポーツの組織自体が大きくはないので、今のチームを戦えるレベルに持っていくだけでも大変でした。さらに2台となるとパラメーターを上げて、いろいろな改良をし、テストプランもしっかりと立てなくてはいけません。我々はこのシリーズに参戦しているブランドの中では一番小さい組織ですから生やさしいことではないですが、最善を尽くしたいと思っています」

 そもそも今年のハイパーカークラスへの参戦だけでも、多くの困難があったはずだ。

「そのとおりです。これだけレベルの高いレースですから、多くの点で持てる能力をレベルアップする必要がありました。新たな人材も採用しましたが、スクアドラ・コルセは研究開発の一部門で、その中には多くのエキスパートがそろっています。レヴエルトで得たハイブリッドの知見もスクアドラコルセに活かすことができました。我々の会社は規模が小さいので、みんなデスクを付き合わせて仕事をしている感じなんですね。この参戦によって、研究開発部門の中でのコラボレーションが強化されたのは、大きなメリットでした」

 ランボルギーニはスーパースポーツカーブランドの中でもハイブリッドに積極的なブランドだが、ハイブリッドの経験が多いことはかなりの武器となっているようだ。

「LMDhのハイブリッドシステム自体は共通のものですが、それの制御は我々が決めることができます。例えばターボラグを減らしたり、シフトとの連携などですね。エンジンとモーターをどのように連携させるか、これはとても重要です」

 ランボルギーニは先日、新たなV8PHVスーパースポーツカー、テメラリオを発表したばかりだが、SC63のエンジン開発がテメラリオのエンジンに何か影響を与えたりはしたのだろうか。

「実はエンジンの開発はテメラリオの方が先でした。そして両車のエンジンはまったく別物です。SC63はコールドVで、テメラリオはホットVですしね。そしてどちらかというとテメラリオのエンジン開発の方が大変でした。パワー制限がないですから、800PS、10,000rpmを達成し、さらに排気ガスの規制や認証などもクリアしなければならないのです。ですから、あえて言えばテメラリオのV8がSC63のV8に影響を与えたということになりますね」

 もともとランボルギーニはモータースポーツ由来のブランドではなく、伝統的にモータースポーツとは距離を置いていた。しかし近年はワンメイクレースの開催やGT3クラスへの参戦など、モータースポーツに積極的に取り組んでいる。WECハイパーカークラスへの参戦は、彼らの挑戦がひとつ上の段階に上がったということだ。

 2024年は第8戦バーレーンを残すのみだが、チャンレジ初年度の集大成としてどのような走りを見せるのか、また2025年にはどのような進化を遂げるのだろうか。戦う猛牛たちの今後に期待したい。

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みんなのコメント

1件
  • パンタグラフ
    マシンにらしさを感じるから好き
    速くなるといいね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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