シトロエンのフラッグシップモデル「C5」の販売終了から7年の歳月を経て、後続車となる「C5X」が日本上陸を果たした。セダンとステーションワゴンを展開した従来型と異なり、新型は、セダンとステーションワゴン、そしてSUVの要素も兼ね備えた欲張りなクロスオーバーに仕立てられている。
その名の「X」は、クロスオーバーという意味だけでなく、スタイリッシュなファストバック仕立てだった往年の5ドアハッチバック「CX」や「BX」の系譜であることを示すものでもある。それでは、新生シトロエンのフラッグシップモデルとなる個性派サルーン「C5X」を紹介しよう。
型破りなサルーン!? 個性派フレンチクロスオーバー「シトロエンC5X」が日本デビューへ!
文/大音安弘、写真/ステランティスジャパン
■新たなシトロエンのフラッグシップが日本上陸
ステランティスジャパンは2022年8月29日、シトロエンの新たなフラッグシップモデルとなる「シトロエンC5X」を発表した。発売は10月1日より開始され、価格は484万~636万円だ。
新たなフラグシップモデルとなるシトロエンC5Xのお披露目は、東京都現代美術館にて行われた
日本初披露となるシトロエンC5X発表会は、東京都現代美術館(東京都江東区)にて行われ、同晩にはシトロエンファンに向けた特別イベントも実施された。
シトロエンC5Xは、シトロエン上級車「C5」とユニークな5ドアハッチバックの「X」モデルの系譜を受け継ぎ、新世代のフラッグシップモデルである。シトロエンとしては久しぶりのDセグメントカーとなった。
その結果、BセグメントからDセグメントの車種をラインナップするフルラインブランドへと再び返り咲いた。また新型車では、従来の上級車「C5」や「C6」などからの乗り替え需要や上級車を狙う新規顧客の獲得を図りたいとしている。
■アヴァンギャルドだが懐かしくもあるエクステリア
新型車C5Xで最も印象的なのが、個性的なスタイリングだ。ステーションワゴン調のボディをSUVに仕立てたクロスオーバーだが、そのスタイルは、大型のテールゲートを備えたサルーン「CX」や「XM」などに通じる5ドアハッチバックに香りが強い。ファストバック風のフォルムやテールゲートのリアスポイラーなどにも往年の名車の名残が感じられるところだ。
一方、フロントマスクは、C4などの最新モデルのデザインと共通性が高いが、このグリルレスマスクも従来型C5などの雰囲気を残しており、シトロエンファンには刺さるものに仕上げられていることがわかる。
モダンなデザインだが、そのディテールには往年の名車のアイコンが取り入れられているC5X
ボディサイズは全長4805×全幅1865×全高1490mmを確保。ホイールベースは、2785mmとロングホイールベースとなっており、Dセグカーらしい伸びやかなスタイルに仕上げられている。
SUV風のアクセントとして、19インチの大径タイヤとプロテクションモールが加えられているが、最低地上高も165mmと通常のセダンと大きくは変わらない。
■コンフォート性を重視したインテリア
快適性を追求したインテリアも、シトロエンらしさにあふれる。シートデザイン自体も往年のシトロエン車のものを彷彿させるが、シート表面のステッチやパターンには、シトロエンブランドロゴのモチーフでもあるシェブロン柄が散りばめられており、遊び心にあふれている。
このほかにも、ダッシュボードのシボや木目調パネルのデザインにもシェブロン柄が取り入れられている。シート自体も快適性を高めるべく、肉厚なアドバンスドコンフォートシートを採用しており、ソフトな足回りとの相乗効果で快適なドライブを楽しめるように仕上げられている。
シトロエンのエンブレムのモチーフでもあるシェブロン柄を取り入れたシートは、座り心地も抜群だ
もちろん、実用性も高く、ロングホイールベースの恩恵で先代C5よりも後席のスペースは拡大。ラゲッジスペースも大型テールゲートによるアクセス性のよさを活かすべく、ハンズフリー電動テールゲートを全車に標準化。ラゲッジ容量も標準で545L、後席を倒せば最大1640Lまで拡大可能だ。
奥ゆきたっぷりのラゲッジスペース。荷物の出し入れをスムーズにするガイドレール付きだ
快適な移動を提供すべく、魔法の絨毯と称えられたハイドロニューマチックサスペンションの乗り味をショックアブソーバーで再現した「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」を全車に標準化。
これは他の新世代シトロエンにも採用される技術だが、C5Xでは、PHEVモデルのみに、ダンパー内の油圧制御を行う「アドバンストコンフォート アクティブサスペンション」を与えた。新技術の投入で、どれだけ「魔法の絨毯」の再現度が上がっているのかも注目すべきポイントだ。
■ガソリン車とPHEV車を設定
パワートレーンは、ガソリン仕様の1.6L直列4気筒DOHCターボに8速ATの組み合わせが基本に。最高出力180ps、最大トルク250Nmと、大柄なボディにも充分な性能を備える。
PHEV車は、このパワートレーンに、電気モーターを加えたものだ。最高出力110ps(81kW)、最大トルク320Nmの電気モーターとエンジンを接続するクラッチにはATのトルクコンバーターに代わり、湿式多板クラッチを備えることで対応。
12.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EVモードの走行距離は、65kmを確保し、日常的な移動は電気のみで賄える。PHEVのシステム性能は、最高出力225ps、最大トルク360Nmまで向上されるので、パワフルな走りを味わいたい人にもPHEVは魅力的といえる。
パワートレーンは、1.6Lのガソリンターボと8速ATの組み合わせ。PHEVは、これに電気モーターなどが追加される仕様だ
PHEVの充電方法は、200Vの普通充電のみに対応。3kW出力の場合、約5時間で満充電に。さらに6kW出力のウォールボックスを備えれば、半分の約2.5時間まで充電時間の短縮も可能である。
C5Xのグレード構成だが、一部快適装備が省かれるエントリーの「SHINE(シャイン)」から用意されるが、こちらは受注生産に。メイングレードは、充実装備の「SHINE PACK(シャインパック)」となる。
ちなみにPHEVは、モノグレードで、装備内容が「SHINE PACK」と同等に。さらに電動化システムに関するシステムと電子制御サスペンション「アドバンストコンフォート アクティブサスペンション」が追加。ボディカラーは、全部で4色が用意されている。
■C5Xの開発には日本人デザイナーも参加
実は、シトロエンC5Xの開発プロジェクトには、ひとりの日本人デザイナーが腕を振るっている。それがカラー&マテリアルを担当した柳沢知恵氏だ。今回の日本でのC5Xの発表に合わせて帰国し、発表会イベントにも参加。
デザインに込められたシトロエンの世界観をメディアやシトロエンファンに語ってくれた。今回のシトロエンの内装には、シェブロン柄が多くモチーフになっていることは、すでに解説しているが、そのデザイン開発に尽力した人物なのだ。
彼女は、自動車開発のデザイナーとして、日産自動車でキャリアをスタートしているが、日産在籍中にルノーに出向。ルノーでのデザイン開発にも従事した経験を持つ。
その後、シトロエンC4カクタスのデザインに惚れ、仏のシトロエンに転職を果たした。現在もフランスに在住し、新たなシトロエン車の開発に携わっている。ユーザーの常に目に触れ、シトロエンらしさも左右するデザインに日本人が関わっているのは、シトロエンファンにも嬉しいエピソードではないだろうか。
柳沢氏によれば、ボディカラーに関しては、フラッグシップのC5Xの世界観を高めるため、落ち着いた色が選ばれるという。ただ、幅広い世代の人たちの乗って欲しいため、鮮やかなブルーの「ブルーマグネテック」も用意したとのこと。
さらに内装のコーディネートは、外装色に合わせて用意したとのことだが、日本仕様は、右ハンドル車の生産の関係もあり、シートの表皮や装備が限定されるため、彼女のセレクトした色の世界観のすべてを楽しむことができない。この点は少しばかり残念だ。
シトロエンで活躍する日本人デザイナーの柳沢知恵氏。愛車は、シトロエンとの縁を結んだシトロエンC4カクタスだそうだ
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みんなのコメント
その方が乗り心地もいいクルマになっただろうし。
ベルランゴOEMのプロエースという前例もあるわけだから。